この記事はユズの木の育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料、病害虫などを紹介します。
ユズは古くから料理の薬味や風味づけのための香酸柑橘として広く利用されてきました。
あなたもユズの木の育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料、病害虫などを知り、育ててみませんか。
これを読めば、ユズの木の育て方が分かり、果樹を育てる楽しみなどにもお気づきいただけることでしょう。
ユズの木の基本情報
まずは基本情報を見てみましょう。
基本情報
園芸分類 | 果樹 (ミカン科) |
形態・樹高 | 高木 ・ 2~2.5m |
結実まで | 庭植え 4~5年 、鉢植え 3~4年 |
栽培適地 | 東北地方以南の地域 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | ふつう |
受粉樹 | 不要 |
特性・難易度 | 常緑性・初心者でも育てやすい |
ユズの木は、中国長江の上流域が原産の香酸柑橘です。
古くから全国各地で日本料理等において主に調味料として、香味・酸味を加えるために用いられてきました。
果実を利用する以外にも果皮を薄く切ってお吸い物や茶わん蒸しに入れたり、果汁をポン酢として、または加工して、ユズ味噌やマーマレード、高級菓子などにも利用されてきました。
食用以外では毎年12月の冬至の日に柚子湯に入ると冬の間、風邪を引かずに過ごせるといわれています。
主な品種は以下のとおりです。
品種名 | 樹勢 | 成熟期 | 特徴 |
多田錦 | 強 | 11月~12月 | とげがない。大果。果汁が多い。隔年結果になりにくい。耐寒性が強い。 |
山根 | 強 | 11月~12月 | とげがない。大果。隔年結果になりにくい。耐寒性が強い。 |
獅子ユズ | 強 | 11月~12月 | 果実が非常に大きく、直径20cmほどになる。樹高が高くなる。 |
花柚子 | 弱 | 11月~12月 | 果実はユズよりも小さい。香りはやや弱い。鉢向き。隔年結果しにくい。別名「一歳ユズ」「ハナユ」。 |
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ユズの木の栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、果実管理、施肥、収穫について説明していきます。
ユズの木の植え付け(地植え、鉢植え)は?
地植え 3月
植え付け場所は日当たり、水はけや風通しの良く、冬季に寒風が当たらない場所を選びます。
時期は3月の春植えが適しています。
苗木は植え付ける前にポットから出して根を半日くらい水に付けて十分ぬらしておきます。
植え付ける穴は直径40cm、深さ40cm位の穴を掘ります。
掘り上げた土に半量くらいの腐葉土を混ぜ合わせ、その半分を油かす、牛ふんまたは鶏ふんをそれぞれ約1kg混ぜ合わせます。
油かす、牛ふんまたは鶏ふんを混ぜ合わせた土を先に埋め戻し、次に腐葉土を混ぜ合わせただけの土を戻します。
植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけます。
水はたっぷりと十分に与えます。
土をかぶせて地面よりも多少高い位置(20~30cm)に植える浅植えが基本となります。
根元に土を戻すときに接木部が土に埋まらないように注意します。
植え付け後は地上部を高さ40~50cmで切り戻し戻して、風が吹いた時に苗木が倒れないように支柱を立て固定します。
鉢植え 3月
基本的には庭植えの場合と同様です。
1年生の苗木は7~10号(直径21~30cm)位の鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土に緩効性の固形肥料を混ぜて使用します。
まず、鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れ、鉢の半分位の深さまで土を入れます。
次に植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけます。
棒などて突いて隙間などがないようにします。
接木部が土に埋まらないように注意します。
水はたっぷりと十分に与えます。
風が吹いた時に苗木が倒れないように支柱を立てを固定します。
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植え替え 3月
鉢植えの場合は鉢の中で根が詰まってしまうのを防ぎ、通気を良くするために行います。
鉢の大きさや成長の度合いにもよりますが、2年に1回程度は必要です。
また、鉢植えから地植えにする植え替えする時も植え付けと同様に3月が適しています。
ユズの木の実のつき方、仕立て方、剪定は?
ユズの木の実のつき方は?
スダチの木も他の柑橘類と同様に前年に伸びた枝の先端付近から中間に花芽(混合花芽)がつき、そこから伸びた新梢に花が咲き、実をつけます。
前年に実をつけた枝には花芽がつかず、1年おきに枝葉の伸長と結実を繰り返します。
ユズの木の仕立て方は?
樹形は関心自然形仕立てに仕立てます。
関心自然方形とは、主幹を短くし、主枝を2~4本配置した樹形です。
ユズは樹勢が強いので放置すると大きくなって高いところに果実が実ることになります。
なるべくコンパクトに育てるには、主枝を3本選び、その他の枝を間引いて剪定します。
ユズは直立状に生育するため、主枝をできるだけ水平に開くようにヒモで誘引します。
ユズの木の剪定は?
剪定の適期は3月です。
混み合った枝を間引くことを主体に行い、木の内側まで光が当たるようにします。
花芽が付いている枝の先端は切り返さないようにします。
剪定することで見た目を良くするだけでなく、木の生育を正し、実をつけすぎたり、全く実がならないことを防ぐなどの効果があります。
ユズの木の開花、摘果、収穫は?
開花 5月
白い可憐な花が咲きます。
単為結果性といって受粉しなくても実がなるので人工受粉は必要ありません。
摘果 6月下旬~7月
柑橘類は、ついた果実をすべて成熟させると隔年結果といって、果実がたくさんつく年と付かない年が交互にあらわれやすくなります。
自然に果実が落下する生理落果が終わった頃、上向きの実や重なり合う実や傷んだ実などを摘み取ります。
最終的に葉8~10枚当たり1果を目安に残します。
摘み取った実も料理などに使用することができます。
収穫 10~11月
11月上旬頃から実が黄色く色づいたものから順次、収穫します。
なお、果皮を使う場合には8~9月の直径が4cmほどの緑色の実を、果汁を使う場合には9~10月の黄緑色の実を使います。
ユズの木の肥料と水やりは?
肥料の与え方
元肥 3月
元肥は、3月に春枝の成長を促すため、堆肥や油かすなどの有機質肥料を与えます。
追肥 10月
追肥は、10月の秋枝が発生しなくなった頃、すぐに効き目のあらわれる即効性の化成肥料を与えます。
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水やり
植え付けの直後や乾燥する時期はたっぷりと水やりをします。
夏場は土が乾燥しないように注意します。
鉢植えの場合は特に乾燥しやすいので土の表面が乾いたら水やりをします。
ユズの木の栽培での病気や害虫は?
柑橘類は以下の病害虫が発生することがあるので注意します。
かいよう病
細菌による病気で雨の多い梅雨時期に発生します。
傷口から細菌が侵入し、黄色い斑点ができ、感染した部分が固くなり表面がガサガサしてきます。
雨風によって細菌が伝播されるため、風よけや雨よけをして防ぎます。
そうか病
発芽したての若い芽に発生します。
葉に白い斑点があらわれ、やがてぶつぶつ状の突起が生じます。
果実には淡褐色の斑点ができ、盛り上がります。長雨、窒素肥料の多肥に注意します。
病気にかかった部分をとりのぞき焼却処分します。
黒点病
5~9月頃にかけて葉、枝、果実に小さい黒い斑点があらわれます。
病原菌は枯れ枝にしか胞子を作れないため、伝染源となる枯れ枝をとりのぞき、焼却処分します。
アブラムシ
新芽が伸び出すころ発生し、葉が萎縮して巻き込みます。
早期に発見し、水で吹き飛ばすか、寄生された部分を取り除きます。てんとう虫などの天敵を利用する方法もあります。
カイガラムシ
枝葉に集団寄生する白い虫で、すす病を起こしたり枝を枯れさせたりします。
ブラシでこすりとります。
アゲハチョウの幼虫(青虫)
幼虫が葉を食害するため、見つけしだい捕殺します。
葉裏を見て卵を発見したら取り除きます。被害が激しい時は薬剤を使用します。
特に木が若いうちは発生しやすくなります。
まとめ
ユズの木の育て方、鉢植え・地植え、剪定方法や肥料、開花、摘果、収穫、肥料、水やり、病害虫などについてまとめました。
ユズは独自の酸味と上品な香りがあります。
果汁や果皮を使うことで料理を引き立ててくれます。
また、加工して、ユズ味噌やマーマレード、高級菓子などにも利用することができます。
冬場に柚子湯に入る楽しみもあります。
家庭にユズの木が1本あると手軽に料理などに使うことができて生活に楽しみが加わります。
また、家に実のなる果樹があることで美しい彩りを与えてくれます。
ユズの木の栽培をとおして自然とふれあい、季節の変化をより細やかに味わえます。
あなたもユズの木を育ててみませんか。
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