この記事はザクロの育て方、鉢植え・地植え、剪定や肥料、水やりについて紹介します。
ザクロは美しい花、宝石のように綺麗で美味しい果粒など魅力あふれる果樹です。
あなたもザクロの育て方、鉢植え・地植え、剪定や肥料、水やりを知って、育ててみませんか。
あなたもこれを読めば、ザクロの育て方が分かるだけでなく、果樹を育てる楽しさにお気づきいただけることでしょう。
ザクロの基本情報・主な品種は?
まずは基本情報を見てみましょう。
基本情報
園芸分類 | 果樹(ミソハギ科ザクロ屬) |
形態・樹高 | 小高木 ・ 3~4m |
結実まで | 庭植え 5~6年 、鉢植え 4~5年 |
栽培適地 | 北海道南部以南の地域 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
受粉樹 | 不要 |
特性・難易度 | 落葉性・初心者でも育てやすい |
ザクロは自家結実性といって1品種だけでも良く実がつきます。
主な品種の特徴は以下のとおりです。
品種名 | 特徴 |
大実ザクロ | 日本ザクロの代表的な品種。病害虫に強く育てやすい。果実は熟すと 烈果して赤い果粒をのぞかせる。実が甘く生食のほか果実酒にする。 |
水晶ザクロ | 中国ザクロの一種。果実は大きく、日本の品種の2倍以上ある。花も果実も黄色で、熟すと果実は赤くなる。 |
カルフォルニアザクロ | 欧米種。病害虫に強く栽培しやすい。果実は巨大で豊産性。果実は熟しても割れない。 |
ルビーレッド | 欧米種。果実は大きく、果肉の色は鮮やかな赤紫色。果実が熟すと烈果する。 |
旧約聖書や古代の医学書にも登場するザクロは古代より栽培されてきました。
原産地は西アジアとされ、そこから世界各地へと伝わりました。
アジアにはシルクロードを経由して伝わり、日本には平安時代に中国から伝わってきたと考えられています。
ザクロの果実の中に数百個の果粒が含まれていることから「豊穣のシンボル」として子孫繁盛をあらわす縁起の良い果実とされます。
また、ザクロにはカリウム、ビタミンC、エラグ酸、アントシアニン、エストロンなどの栄養素が含まれており、美肌・美白効果、ストレスや疲労の緩和、生活習慣病の予防などの効果があります。
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ザクロの栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、施肥、収穫について説明していきます。
ザクロの植え付け(地植え、鉢植え)、植え替えの時期と方法は?
庭植え 12月~3月
12~3月が植え付け時期です。
日当たりが良く、また水はけのが良い場所を選んで植え付けます。
直径40cm×深さ40cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土、油かすなどを混ぜて埋め戻し植え付けます。
土をかぶせて地面よりも多少高い位置(20~30cm)に植える浅植えします。
乾燥しないように藁を敷きます。
地上より40~50cmのところで切り返し、風が吹いた時に苗木が倒れないように支柱を立て固定します。植え付け後は、十分に水を与えます。
鉢植え 12~3月
栽培の方法は、基本的には庭植えの場合と同様です。
1年生の苗木は7~8号(直径21~24cm)位の鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土に緩効性の固形肥料を混ぜて使用します。
まず、鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れ、鉢の半分位の深さまで土を入れます。
次に植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけます。
棒などて突いて隙間などがないようにします。
水は土が乾いたら与えます。
風が吹いた時に苗木が倒れないように支柱を立てを固定します。
樹形は、株状になるザクロの特徴を生かした株仕立てや模様木仕立てにするのが一般的です。
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植え替え 1~3月
鉢植えの場合は鉢の中で根が詰まってしまうのを防ぎ、通気を良くするために行います。
鉢の大きさや成長の度合いにもよりますが、2年に1回程度は必要です。
また、鉢植えから地植えにする植え替えする時も植え付けと同様に12~3月が適しています。
ザクロの仕立て方、剪定の時期と方法は?
仕立て方
樹形は変則主幹形などが適しています。
幹高を好みの高さに切り詰めて、そこから2、3本の主枝を周りに広げて樹形を作るのが、一般的です。
実のつき方は、前年に伸びた枝の先端部とそれに続く2~3芽が混合花芽(葉と花が同じ芽から出る)になり、春にその混合花芽から伸びた新しい梢の先端に花が咲いて、結実します。
剪定 12~2月
短い新梢の先端部分に花芽がつくので、切り返し剪定をするときは花芽を切り落とさないように注意します。
剪定方法は、混み合った枝、主枝から真上に強く伸びる枝などを間引きます。
花芽のつきづらい長く伸びた枝は切り返します。
「ひこばえ」といって根元から勢いよく発生してくる枝は元から切ります。
ザクロの開花・人工受粉、摘果は?
開花・人工受粉・摘果 5月下旬~7月上旬
ザクロは花も美しく、観賞用の品種もあります。自家受粉で1本で受粉します。
開花期が梅雨の時期と重なるため、花粉が雨で重くなって落下しやすくなり、実つきが悪くなる場合があります。
その場合には、筆先で花の中心を軽くこすり、人工受粉を行います。
摘果は、1つの箇所から複数の果実が育っている場合にのみ行います。
ザクロの収穫は?
いよいよ楽しみな収穫の時期です。
収穫 9月下旬~10月
果実が赤く色づいたら収穫の時期です。
日本ザクロは熟すると裂果します。裂けたところから雨水が入ると腐敗するので早めに収穫するか、小さい底のないポリ袋をかぶせます。
果実は生食するほか、ジュースや果実酒、ジャムなどにするのもおすすめです。
日本産の「大美ザクロ」は果実酒に向いています。
ザクロの肥料の与え方、水やりは?
肥料の与え方
元肥 12~1月
元肥は堆肥や油かすなどの肥料の効きが緩やかで、一定期間効果が続く有機質肥料を与えます。
追肥 3月
追肥は、速効性の化成肥料を与えます。
果実がつき始めてから与えると枝が伸びすぎ、果実がつきにくくなります。
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水やり
植え付け直後は根付くまでしっかりと水やりを行います。
株が若いうちは夏場に水やりをすると生育が良くなります。
ザクロは乾燥に強いこともあり、地植えの場合には根付いてからは通常、水やりの必要はありません。
ザクロの栽培での病気や害虫は?
ザクロは、特に問題となる病害虫はほとんどありません。
まれに、カイガラムシやハマキムシ、コウモリガが葉や枝につくことがあります。
カイガラムシ
枝葉に集団寄生する白い虫で、すす病を起こしたり枝を枯れさせたりします。ブラシでこすりとります。
ハマキムシ
葉先を巻いて幼虫が生息する。葉や芽、つぼみ、果実を食べる。捕殺するか、袋かけをして防ぐ。
コウモリガ
6~7月に発生し、幼虫が幹や枝を食害する。食害部を見つけて捕殺する。
まとめ
ザクロの育て方、鉢植え、地植え、剪定、肥料、収穫、肥料、水やり、病害虫などについてまとめました。
ザクロは、丈夫で病害虫の心配もあまりなく、育てやすい果樹です。
ザクロの果実は一般には流通しておらず、採れたての新鮮な果実を食べれるのは家庭栽培ならでの楽しみです。
ジュースや果実酒、ジャムにすることもできます。
春から初夏にかけて美しい花が咲き、その後に果実が実り、秋には果実が色づいてきて収穫の時期を迎えます。
ザクロを育てる楽しみ、花を愛でる楽しみ、果実を食する楽みなど。
ザクロの栽培をとおして自然とふれあったり、季節の変化を敏感に感じることもできます。
あなたもザクロの木を育ててみませんか。
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