この記事はアケビの育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料、病害虫について紹介します。
アケビは日本の山野に自生する野性的なつる性果樹です。果実のほか春の新芽も山菜として魅力です。
あなたもアケビの育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料、病害虫を知り、育ててみませんか。
これを読めばアケビの育て方が分かり、家庭で果樹を栽培する楽しさに気づいていただけることでしょう。
アケビの基本情報、主な品種や栄養素は?
まずは基本情報を見てみましょう。
基本情報
園芸分類 | 果樹 (アケビ科) |
形態・樹高 | つる性・1m以上 |
結実まで | 庭植え 3~4年 、鉢植え 2~3年 |
栽培適地 | 東北地方以南の地域 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | やや強い |
受粉樹 | 必要 |
特性・難易度 | 落葉性・初心者でも育てやすい |
アケビの主な品種と特徴
アケビは東アジア原産で日本各地の山野に自生しています。
主な品種と特徴は以下のとおりです。
品種名 | 特徴 |
紫宝 | 三つ葉系。早生。中果。果皮は淡い青紫色。実つきが良い。うどんこ病にやや強い。 |
蔵王紫峰 | 三つ葉系。中手。中果。果皮は淡い青紫色。うどんこ病にやや強い。 |
ジャンボアケビ | 三つ葉系。中手。通常の2〜3倍の大果。果皮は赤紫色。受粉樹は五葉系がよい。 |
紫幸 | 三つ葉。中手。大果。厚みのある濃い紫の果皮は調理して食べると美味しい。 |
五葉アケビ | 五葉系。中手。三つ葉系の受粉樹に重宝する。三つ葉系と人工受粉する。 |
バナナあけび | 五葉系。中手。バナナに似た黄色い実がつく。果皮も食べられる。受粉樹はみ三つ葉系がよい。 |
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アケビの栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、果実管理、施肥、収穫について説明していきます。
アケビの植え付け(地植え、鉢植え)は?
地植え 12~3月
植え付けは、12~3月が適しています。日当たりが適度に良い場所に苗木を植え付けます。
直径40cm×深さ40cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土などの有機質肥料を混ぜます。
その土の半分に油かす、鶏ふんを混ぜて埋め戻し、その上から残りの土を入れて深植えにならないように植え付けます。水鉢をつくり、たっぷりと水を与えます。
アケビは受粉樹が必要なので、2品種以上で栽培するようにします。
鉢植え 12~3月
基本的には地植えの場合と同様です。
苗木は7~8号(直径21~24cm)位の鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土を使用します。
鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れ、鉢の半分位の深さまで土を入れます。
次に植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけ、支柱を立てを固定します。
日当たりと風通しのよい場所におき、冬は霜を避けて軒下か室内におきます。
あんどん支柱か、トレリス支柱に誘引します。夏の西日を避け、水切れさせないように管理します。
植え替え 12~3月
鉢植えの場合は鉢の中で根が詰まってしまうのを防ぎ、通気を良くするために行います。
鉢の大きさや成長の度合いにもよりますが、2年に1回程度は必要です。
また、鉢植えから地植えにする植え替えする時も植え付けと同様の時期が適しています。
アケビの仕立て方は?
実のつき方
果実は、前年に伸びたつるの中間付近に花芽(混合花芽)がつき、そこから伸びた新しいつるにつきます。
花芽は先端にはできず、基部から数節先にできます。先端の巻いているつるは切り戻します。
つるを短く切り返して花芽を落とすと実がつかなくなります。
仕立て方
アケビの仕立て方は、地植えでは棚仕立て、アーチ仕立て、垣根仕立てが良いです。
棚仕立てでは、植え付け後、主枝候補の2~3本のつるを伸ばし上に上げます。
不要な芽は早めに書き取り、太く長いつるを棚上で四方に配置してそれぞれを主枝とします。主枝が弱ったら新しいつるに更新します。
狭い場所では鉢栽培がおすすめです。
アケビの剪定は?
夏季剪定 6月
夏季剪定は、枯れたつるや混みあったつるを間引いて日当たりと風通しを良くします。
枯れたつるは元から切り取ります。日当たりと風通しを良くすることでうどんこ病を予防します。
冬季剪定 12~1月
冬季剪定は枯れたつるや混みあったつるを間引きます。
花芽を残して先端の巻きづるを切り返します。
アケビの人工受粉、摘実は?
人工受粉 4月
アケビは1本の木に雌花と雄花を咲かせます。
アケビは雄花が咲きにくく1本では実つが悪いため、異なる品種の花粉をつけて人工受粉をするとよいです。
人工受粉は、雄しべの先がねばねばしている状態のときに筆などを使って花粉を雌しべにつけて行います。
摘果 5月上旬~中旬
アケビは摘果を行わなくても大丈夫ですが、開花の1か月後に、1房につき1〜2果に摘果をすると大きな実が収穫できます。
次は、いよいよ楽しみな収穫の時期です。
アケビの収穫は?
収穫 8月下旬~10月
アケビは実が割れたら収穫の目安です。
果実が大きく割れてから収穫すると傷がつきやすく、見た目も悪くなるので果皮に弾力が出て縦に割れ始めたら収穫します。
アケビの果皮は、炒めものや漬物、天ぷらなどに利用できます。
生食の場合は、種ごと口に入れて種を出すのがよいです。
裏ごしして種を取り除き、冷凍してシャーベットにしても美味しいです。
アケビの肥料、水やりは?
肥料の与え方と水やりについては以下のとおりです。
肥料の与え方
元肥 3月
3月に、鶏ふんなどの肥料の効きが緩やかで、一定期間効果が続く有機質肥料を株元から少し離れたところにまき、軽くすきこみます。
追肥 6月
化成肥料を株元の周囲にまき、軽くすきこみます。
養分が不足すると雌花ができにくくなりますが、6〜7月にチッソ肥料を与えると枝ばかり伸びて実着きが悪くなるので注意します。
礼肥 11月上~中旬
収穫後に化成肥料を追肥と同じように与えます。
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水やり
アケビは地表近くに根を張り、太い根から伸びる細根が少ないため、乾燥を嫌います。
地植えの場合は、生育期に雨が少ない場合は水やりをし、夏の乾燥を避けるために腐葉土やわらなどを株先な敷くとよいです。
通常は特に必要ありませんが、夏場に日照りが続くときは水やりを行ないます。
鉢植えの場合も生育期の水切れに注意します。鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
アケビの病気や害虫は?
病気はうどんこ病、黒点病、害虫はアブラムシ、カイガラムシに気をつけます。
うどんこ病
梅雨時期に枝葉や果実にうどん粉をまいたような胞子が発生し、葉が枯れます。
感染した部分を取り除くか薬剤を散布します。剪定で日当たりや風通しを良くします。
黒点病
5~9月頃にかけて葉、枝、果実に小さい黒い斑点があらわれます。
病原菌は枯れ枝で越冬します。伝染源となる枯れ枝をとりのぞき、焼却処分します。
アブラムシ
新芽が伸び出すころ発生し、葉が萎縮して巻き込みます。
葉の裏側にいることが多いので葉の裏側も良くチェックします。
早期に発見し、水で吹き飛ばすか、捕殺します。多発する場合は殺虫剤の散布も検討します。
カイガラムシ
貝殻のような殻をかぶり枝葉に集団寄生する白い虫で、樹液などを吸いすす病を起こしたり枝を枯れさせたりします。
ブラシなどでこすり落とします。
まとめ
アケビの育て方、地植え、鉢植え、剪定、果実管理、肥料、水やり、病気と害虫などについてまとめました。
アケビは日本の山野に自生する果樹です。果実を食するはか、果皮や茎、葉なども食したり、薬として利用されます。
また、アケビには体に良いビタミンC、カリウム、アントシアニン、食物繊維などの栄養素が多く含まれています。
病害虫の被害も多くはなく、比較的育てやすい果実です。
果実も甘く美味しく、樹姿も美しいので古くから食用や観賞用に親しまれてきました。
あなたもアケビを育て、自分の手で育てた美味しい果実や健康に良い山菜を味わってみませんか。
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