この記事は、サザンオールスターズ「いとしのエリー」の歌詞の意味を考察します。
1979年に発売されたこの曲は、数ある彼らのヒット曲の中でも人気のバラード曲です。
それでは、サザンオールスターズ「いとしのエリー」の歌詞の意味を読み解いていきましょう。
サザンオールスターズ「いとしのエリー」はどんな曲
【いとしのエリー】
アーティスト:サザンオールスターズ
作詞・作曲:桑田佳祐
リリース: 1979年3月25日(Invitation)
★チャート最高順位 週間2位、1979年度年間11位(オリコン)
「いとしのエリー」は1979年3月に発売されたサザンオールスターズの3枚目のシングルです。
当時、サザンオールスターズは明るいコミックバンドとして知られていましたが、この曲のヒットをきっかけにスターへと向かっていきます。
1979年度のオリコン年間シングルチャートは11位、売上枚数は69.3万枚を記録しました。
サザンオールスターズ「いとしのエリー」の歌詞の意味を考察
「いとしのエリー」の歌詞は、聴き手によって様々な解釈がある歌詞ですが…。
主人公の男性は相手の女性に対して自分のそばにいて欲しい、戻ってきて欲しいと思っているということは相違ないものと思います。
彼女を泣かせたり、冷たくしたりした事があった。
それでも俺は彼女がそばにいて欲しいと思っている。
君が俺にとっての最後の女性だと言えるくらい好きなんだ。
この最後の女性というのは、これまで主人公の男性が他の女性とも複数付き合ってきた中で、あなたとは本気で結婚したいほど好きだ、という意味です。
こんなセリフを男性から言われたら女性としては幸せですね…。
しかしこの後の歌詞では、もし彼女がこの恋に冷めてしまっていたら?
あんなに楽しく会話してた事も思い出になってしまうだろうか。
彼女は俺の顔を見てまた笑ってくれるだろうか?
素っ気なく笑わない顔を自分に向けられるのは辛いと思ってしまうが、そうしたら自業自得だよな。
そのくらい自分は彼女に酷いことをしてしまったんだろう。
この恋は終わってしまうかもしれない。と男性は考えています。
そうです、この歌は彼女に振られてしまうかもしれない歌なのです。
また、あの時の無邪気な顔で笑ってくれないだろうか。
あんまりいい男ではなかったかもしれないけど彼女の前ではかっこいい俺で居たいんだよ。
隣に彼女が居ないのを改めて感じるとひとりが辛いと感じてしまう。
こんな日は夕日が目に染みて涙を誘う気がする。
普段そばに居ることが当たり前だった人が居なくなると急に寂しさを感じますよね。
このまま彼女が自分のそばに戻ってこなかったとしても、彼女の優しさや素敵な思い出は忘れず生きていこう。
そのように考えている男性はかなり気落ちしています…。
戻って来てくれるかも知れないという期待と、もし戻ってこなかったとしてもいい思い出にしようという諦めの気持ち。
「みぞれ混じりの心」
まるで雪と雨が混じったみぞれが降るかのように彼女のことを想い、心が乱れていることがよく分かる表現です。
甘く素敵なメロディと共に歌われるこの歌詞ですが、男性の落ち込む様子が女性の心をキュンとさせるような感じです。
作詞をした桑田佳祐が、原由子に対して(ごめんね)という気持ちを表現したものとされているエピソードがリアルに伝わってくるような気がします。
歌詞の中で男性が「もどかしさもあなたにゃ程よくいいね」と言っています。
この箇所は歌詞の冒頭の彼女に泣かせたり冷たくしたりした自分の態度に反省したから出てくる言葉なのでしょう。
この今の状況をもどかしく感じているのは男性です。
自分が今までしたことの結果、彼女に振られてしまうのは自業自得です。
そんなもどかしく、自分がやきもきしているのをエリーが知ったらどう思うだろうか。
(当然よ!)と言いそうだな。と彼は思っていることでしょう。
そしてポイントとしては彼は、後悔先に立たずで、もうすでに取り返しがつかない状態にあること。
そして彼は涙を流しそうになるほど落ち込んでいるのです。
その表現を夕日が涙を誘う「誘い涙の日が落ちる」と表しています。
泣きそうなほどの言葉を残して去っていった彼女の「泣かせ文句」。
この表現は冒頭の歌詞と重なります。泣かせたり、冷たくしたりした事があった。
そして彼はそれでもお互いを思う気持ちがあればいいと思っていましたが、彼女は居なくなってしまいました。
もっと早く、彼女は自分にとって結婚したいと考えている女性だと言葉にしなかったのか。と後悔しているのです。
こんな事すら言え無いからこの恋は終わってしまう…。
不器用な男が愛を語るのは彼女が去ったあとだった、というものなのです。
男性、女性のどちらも心を寄せることが出来る歌詞だと思いました。
まとめ
サザンオールスターズ「いとしのエリー」の歌詞の意味を考察しました。
主人公の男性が好きな女性に対して、意に反して酷いことをしてしまいます。
彼女はそんな彼に対して愛想がつきて、離れていきます。
男性は、失ってみて改めて彼女の大切さと、本当に好きだったことに気がつきます。
しかし、悔やんでみても彼女はもう元には戻らないだろう、でもなんとかやり直したい…。
男性の後悔と悶々とした葛藤が延々と続きます。
不器用な彼の切々とした訴えが、人々の共感を生む内容となっています。
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