この記事はヤマモモの木の育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料について紹介します。
ヤマモモの木は昔から身近な家庭果樹として親しまれています。
樹形や葉と赤い果実の色合いも美しいです。
あなたもヤマモモの木の育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料を知り、育ててみませんか。
これを読めばヤマモモの木の育て方が分かり、家庭で果樹を栽培する楽しさに気づいていただけることでしょう。
ヤマモモの木の基本情報・主な品種は?
まずは基本情報を見てみましょう。
基本情報
園芸分類 | 果樹 (ヤマモモ科) |
形態・樹高 | 高木 ・ 3~4m |
結実まで | 庭植え 4~5年 、鉢植え 3~4年 |
栽培適地 | 関東南部以西の太平洋側の暖地 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
受粉樹 | 必要 |
特性・難易度 | 落葉性・初心者でも育てやすい |
ヤマモモの木の主な品種と特徴
ヤマモモの木の主な品種と特徴は以下のとおりです。
品種名 | 特徴 |
瑞光 | 大果。中晩生種。酸味が強いので果実酒に最適。毎年良く結実する。 |
森口 | 大果。中生種。酸味は少ない。毎年よく結実する。早期結実性がある。 |
秀光 | 大果。中生種。酸味が少なく、甘く食味が優れている。早期結実性がある。 |
阿波錦 | 大果。晩生種。果実の表面にコブがあり、オニダンゴという別名がある。隔年結果しやすいので摘果したほうがよい。 |
亀蔵 | 中果。晩生種。甘味が強い。毎年よく結実する。日持ちが良い。早期結実性がある。 |
ヤマモモの木は植え付け後の肥料や管理などの手間が少なく、病害虫にも強いことから初心者にも育てやすい果樹です。
種をまいて育てる実生苗では実がなるまでに15~20年かかるので、苗木を植えるのが一般的です。
人気がある品種は、果実の大きい「瑞光」「森口」や甘くて美味しい「秀光」などです。
ヤマモモの木は雄木と雌木があり、両方ないと受粉できず、実がなりません。
雌木、雄木をそれぞれ育てるか、雌木を入手して木が成長したら雄木の枝を接ぎ木する方法があります。
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ヤマモモの栄養成分と効能
ヤマモモの果実にはクエン酸やブドウ糖、アントシアニン、β-カロテン、ビタミンB群などの栄養成分が含まれています。
クエン酸は疲労回復の効果があります。ブドウ糖は、体への吸収が良く素早くエネルギーになるため、疲労回復を高めます。
アントシアニンは強力な抗酸化作用があり、老化を予防したり、血圧を下げ、毛細血管を保護するなど生活習慣病を予防する働きがあります
β-カロテンも含まれ、強い抗酸化作用や細胞修復作用があり、生活習慣病を予防する働きがあります。
ビタミンB群も含まれ、三大栄養素の代謝に関わり、疲労回復や新陳代謝を促し美容と健康にも役立ちます。
このようにヤマモモの果実には健康に良い栄養成分が含まれています。
ヤマモモの木の栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、施肥、収穫について説明していきます。
ヤマモモの木の植え付け(地植え、鉢植え)は?
地植え 3月下旬~4月
植え付けは、地植え、鉢植えとも3月下旬~4月に植え付けます。
直径40cm×深さ40cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土などの有機質肥料を混ぜます。
その土の半分に油かす、鶏ふんを混ぜて埋め戻し、その上から残りの土を入れます。
支柱を立て固定し、地上より50~60cmのところで切り返し、水鉢をつくり水を与えます。
鉢植え 3月下旬~4月
基本的には地植えの場合と同様です。
苗木は8~10号(直径24~30cm)位の大きめの鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土を使用します。
鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れ、鉢の半分位の深さまで土を入れます。
次に植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけ、支柱を立てを固定します。
病害虫に強く、施肥もほぼ必要ないので鉢植えでも育てやすい果樹です。
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植え替え
鉢植えの場合は鉢の中で根が詰まるのを防ぎ、通気を良くするために行います。
鉢の大きさや成長の度合いにもよりますが、2年に1回程度は必要です。
また、鉢植えから地植えにする植え替えする時も植え付けと同様の時期が適しています。
ヤマモモの木の仕立て方、剪定は?
実のつき方
ヤマモモは、春夏秋の年3回に新梢(春枝、夏枝、秋枝)が伸びます。
主に春に伸びた新梢(春枝)の葉腋(葉が茎につく内側)に花芽がつき、翌春に開花して実がなります。
栄養状態が良い場合は、夏以後に伸びる枝にも花芽がつきます。
仕立て方
仕立て方は、主幹を短くして主枝を2~3本配置した関心自然形仕立てが適しています。
コンパクトに仕立てるには、立枝を誘引して下げ、枝は横へと伸びるようします。
樹高は2.5m位を限度とし、主幹を切りつめ、高さを維持します。
剪定の仕方
剪定 2月~3月
ヤマモモの木は、春に伸びた枝の先端に花芽がつき、それが翌春に咲いて実をつけます。
隔年結果の傾向があるので、木全体のバランスを見て、内向きの枝や交差する枝、混み合う枝を間引いて花芽を切り落とし、着果数を制限することで予防します。
ヤマモモの木の開花・受粉は?
開花・受粉 4月中旬~下旬
開花時に雄木がそばにあれば、人工受粉の必要はありません。
山地に自生しているような地域の場合、雄木の花粉は数Kmほど風に飛んで受粉します。
雄木の枝を雌木に接木しておくと受粉が確実になります。
摘果は地植えではとくに必要ありません。
鉢植えではたくさん実がついた場合は摘果します。
次は、いよいよ楽しみな収穫の時期です。
ヤマモモの木の収穫は?
収穫 6月下旬~7月上旬
果実が緑色から赤色になり、暗い紫色になったら収穫します。
完熟前に収穫すると酸味が強いので、よく熟してから収穫します。
熟期にばらつきがあるので熟したものから数回に分けて収穫します。
生食するほか、砂糖漬け、塩漬け、ジャムなどにも加工できます。
果実酒にしても鮮やかな紅色のヤマモモ酒が楽しめます。
ヤマモモの木の肥料、水やりは?
肥料の与え方と水やりについては以下のとおりです。
肥料の与え方
根に空中の窒素を固定する根粒菌がつき、養分を補給するので特に肥料は必要はありません。
根粒菌を活発にするためには、地中の通気性や水はけをよくします。
水やり
植え付け後は、根付くまではたっぷりと水をあたえます。
根付いた後は、通常は特に水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水をやります。
ヤマモモの木の病気や害虫は?
病害虫は特に問題になるものはありません。
まとめ
ヤマモモの木の育て方、地植え、鉢植え、剪定、肥料、水やり、病害虫などについてまとめました。
ヤマモモの木は昔から身近な家庭果樹として親しまれてきました。
植え付け後の肥料や管理などの手間が少なく、病害虫にも強いことから初心者にも育てやすい果樹です。
収穫後は生食するほか、果実酒、砂糖漬け、塩漬け、ジャムなどにする楽しみもあります。
あなたもヤマモモの木を育て、自分の手で育てた美味しい果実を味わってみませんか。
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