この記事はパッションフルーツの育て方、地植え・鉢植え、剪定と肥料を紹介します。
パッションフルーツはブラジル原産で、時計の文字盤に似た美しい花、甘みと芳香のある果実が魅力です。
パッションフルーツの育て方、地植え・鉢植え、剪定と肥料を知り、育ててみませんか。
あなたもこれを読めば、パッションフルーツの育て方が分かり、果樹栽培の楽しさに気づいていただけることでしょう。
パッションフルーツの基本情報、品種は?
基本情報
園芸分類 | 果樹(トケイソウ科) |
形態・樹高 | つる性・0.5~3m |
結実まで | 庭植え 1~2年 、鉢植え 1~2年 |
栽培適地 | 南関東地方以西では暖地栽培が可能。一般的には鉢植え。 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | ふつう |
受粉樹 | 品種によって必要 |
特性・難易度 | 常緑性・栽培は普通レベルで中級者向け |
パッションフルーツはブラジル原産の果樹です。日本では沖縄県や奄美諸島、小笠原諸島などで栽培されています。
熱帯果実ですが、ある程度耐寒性があることから日本でも南関東地方以西の地域で栽培が可能です。花が時計の文字盤に似ていることからトケイソウといわれます。
主な品種
主な品種の特徴は以下のとおりです。
品種名 | 特徴 |
エドゥリス | 最も一般的な品種。紫色種と黄色種があり、紫色種は1本で実をつけ、育てやすい。黄色腫は受粉樹が必要。 |
サマークイーン | 交雑種。赤みがかった紫色の小実がつく。甘みが強い。1本でも実がつく。 |
ルビースター | 交雑種。赤みがかった紫色で育てやすい。甘みと酸味のバランスが良い。1本でも実がつく。 |
レッドマンモス | 果皮が濃い赤紫色で100g近い大玉種。1本でも実がつく。 |
新ブラック | 果皮が濃い紫色になる大玉種。育てやすく1本でも実がつく。 |
ゴールデンジャイアント | 果皮が黄色の大玉種。1本では実がつきにくいので異なる品種と人工授粉する。 |
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パッションフルーツの栄養は?
パッションフルーツにはビタミンC、ビタミンB2が多く含まれています。
ビタミンCには美肌づくりや、鉄分の吸収を良くして貧血を予防する働きがあります。
ビタミンB2は脂質の代謝をうながす、動脈硬化や老化を進行させる過酸化脂質を分解する、皮膚・爪などの成長をうながすなどの効果があります。
その他、β-カロチン、カリウム、マグネシウムも含まれます。
β-カロチンは、体内でビタミンAに変換されて視力の低下を防いだり、抗酸化作用により遺伝子の損傷を抑制してガンの予防にも良いとされます。
カリウムはナトリウムの排出をうながすことで血圧上昇を抑えて高血圧予防に効果があり、マグネシウムは約300種類の酵素の働きを保つのに必要な栄養素で体内の新陳代謝全般に重要な役割を担っています。
このようにパッションフルーツには健康に良い成分が含まれています。
パッションフルーツの栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、果実管理、施肥、収穫について説明していきます。
パッションフルーツの植え付けは?(鉢植え、地植え)
植え付け 3〜4月
一般的には温度管理のしやすさから鉢植えが向いています。
5〜7号(18~24cm)の鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土に苗を植え、日当たりの良い場所で管理します。
つる性のため、支柱を立てます。
1~2年に1回、一回り大きな鉢に植え替えます。
地植えの場合は、日当たりや水はけの良い場所に植え付け、フェンスや棚に蔓を這わせます。
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パッションフルーツの仕立て方、剪定は?
実のつき方
実のつき方は、主枝の葉のつけ根から伸びる枝(新梢)の中間に花芽がついて結実します。
収穫後に切り返すと再び新梢が伸びて2回目の収穫ができます。
秋に2回目の実を収穫するには20℃以上の温度が必要です。
仕立て方
つる性なので、あんどん支柱か、トレリス、又はネットなどを設置して主枝を誘引します。
主枝をまっすぐ上に伸ばし、わきから伸びる枝を横か下に伸ばすと花芽がつきやすくなります。
地植えが可能な地域では垣根仕立てにしても良いです。
剪定の時期・方法、誘引
剪定は3~4月に行います。
主枝が支柱の上に達したら摘芯して枝を発生させます。
伸びた枝を横か下に誘引し、下垂させた場合は地上30cmで摘芯します。
一度果実をつけたつるには実がつかないので、収穫後に葉を3枚(3節)残して切り返し、新しい枝に更新します。
パッションフルーツの開花・人工授粉、摘果、収穫は?
開花・人工受粉 4〜6月
1本で結実しない黄色種は異なる品種の花粉で、花粉の働きがよい午前中に筆を使い雄しべから雌しべに花粉がつくように花の中をかき回して人工授粉をします。
1本でも結実する紫色種も同じ株の花粉で人工受粉するのが確実です。
摘果 6月
果実が多いときは、小さいものや形の悪いものを取り除き、1枚に5〜6果を目安に残すようにします。
収穫 7〜9月
果実は受粉後、2ヶ月くらいが収穫の目安となります。
軽く持ち上げてとれる程度に熟したら収穫します。
常温で追熟させ、果皮にしわが出て香りが強くなってきたら食べ頃です。
冷やしてから果実を2つに割り、スプーンですくって種ごと食べます。
又は、ジュースやジャム、ゼリーにしても良いです。
パッションフルーツの肥料、水やり、温度管理は?
肥料
樹勢が旺盛なので肥料の吸収が多くなります。
4月、6月、9月に化成肥料を与えます。
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水やり
成長が早いので比較的水分を多く必要とします。
鉢土が乾いてから水やりを行います。
果実がなっている期間は特に十分に与えるようにします。
温度管理
生育適温は20〜30℃です。生育期の4〜10月は屋外で日光によく当てて木を充実させます。
20℃以下になると結実率が低くなり、雨に当たると病気にかかりやすくなります。
冬は室内の日当たりのよい場所に置き、5℃以下にしないようにします。
パッションフルーツ栽培の病気や害虫は?
パッションフルーツは育てやすく病気や害虫の心配が少ないですが、以下の病害虫が発生することがあります。
アブラムシ
4~6月に発生します。葉や枝の樹液を吸い、葉が萎縮したり巻いたりして生育しなくなります。
早期に発見し、ブラシでこすりとったり、牛乳を散布します。
被害を受けた枝葉は切り取り処分します。
ハダニ
7~9月の高温時に発生します。葉の裏に寄生し樹液を吸い木を弱らせます。
水やりのたびに葉裏を洗い流すようにします。
カイガラムシ
4~5月に多く発生しますが、年間を通して発生します。貝殻のような殻をかぶり集団発生します。
樹液などを吸い、すす病を起こしたり枝を枯れさせたりします。ブラシなどでこすり落とします。
まとめ
パッションフルーツの育て方、地植え・鉢植え、剪定、肥料や病気・害虫についてまとめました。
パッションフルーツはブラジル原産で、時計の文字盤に似た美しい花、甘みと芳香のある果実が魅力です。
そのまま食べても良いですし、ジュースやジャム、ゼリーにしても美味しいです。
パッションフルーツの果実は美味しいうえに、ビタミンC、ビタミンB2、β-カロチン、カリウム、マグネシウムなどの健康に良い栄養素も多く含まれます。
あなたもパッションフルーツを育てて新鮮で美味しい果実を味わってみませんか。
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