この記事はジューンベリーの育て方、地植え・鉢植え、剪定と肥料について紹介します。
ジューンべリーは可憐な花、赤い果実、新緑、紅葉、美しい樹形と四季に応じて楽しめます。
あなたもジューンベリーの育て方、地植え・鉢植え、剪定と肥料を知って育ててみませんか。
これを読めば、あなたもジューンベリーの育て方が分かり、家庭で果樹を育て、新鮮な果実を食する楽しみなどにお気づきいただけることでしょう。
ジューンベリーの基本情報・主な品種は?
まずは基本情報を見てみましょう。
基本情報
園芸分類 | 果樹・庭木(バラ科) |
形態・樹高 | 小高木 ・ 2~5m |
結実までの目安 | 庭植え 3~4年 、鉢植え 2~3年 |
栽培適地 | 東北地方以南 |
耐寒性 | 強い |
受粉樹 | 不要 |
特性・難易度 | 落葉性・初心者でも育てやすい |
ジューンベリーは1本でも実がつく自家結実性です。
主な品種と特徴
主な品種と特徴は以下のとおりです。
品種名 | 特徴 |
スノーフレーク | 大輪種。成長が早いが樹勢は強すぎなく、株仕立てに向く。 |
ネルソン | 遅咲き性で果実が大きくて甘い。矮性品種で樹勢は強くなく、小さな庭に向く。 |
オベリスク | 果実が大きく、実つきが良い。対暑性、病害虫に強く育てやすい。 |
バレリーナ | 大実品種。成長が早く花つき、実つきが良い。ひこばえが出やすく株仕立てに向く。 |
オータム・ブリリアン | 直立性で1本仕立てに向く。高木になりやすい。果実は小さめ。紅葉が美しい。 |
ロビン・ヒル | 紅色の蕾から薄ピンク色の花が咲き、咲き進むと白になる。高木になりやすい。 |
ジューンベリーは、北アメリカを原産とするバラ科ザイフリボク属の落葉植物です。
6月になると赤い果実をつけるのでジューンベリーと名付けられました。
ジューンベリーは、その美しい樹姿、春には白い花を咲かせ、初夏には赤い果実がなり、秋には美しい紅葉になるなど、四季を通じて楽しめることから、家のシンボルツリーとしても人気があります。
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ジューンベリーの栄養成分と効能
ジューンベリーの赤い果実には健康に良いさまざまな効果があります。
果実にはアントシアニン、食物繊維、マンガン、カルシウム、ビタミンB6などの栄養素が豊富に含まれています。
アントシアニンには抗酸化作用があり、体内に発生した老化の原因となる活性酸素の働きを取り除く作用があります。
マンガンやカルシウムは骨や歯の健康を保つ働きがあります。
ビタミンB6はタンパク質、脂質の新陳代謝を行う栄養素で皮膚や粘膜の健康に重要なはたらきをもたらします。
このようにジューンベリーの果実は可愛らしいだけでなく、健康に良い栄養素がたくさん含まれています。
ジューンベリーの栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、施肥、収穫について説明していきます。
ジューンベリーの植え付け(地植え、鉢植え)は?
地植え 12~3月
植え付けの時期は12~3月が適しています。
乾燥を嫌うので強い西日が当たる場所は避けます。日当たりが良い場所か、半日陰の場所に植えます。
直径40cm×深さ40cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土、油かすなどを混ぜて埋め戻し植え付けます。
苗木は深植えにならないようにします。
地上より60~70cmのところで切り返し、風が吹いた時に苗木が倒れないように支柱を立て固定します。植え付け後は、十分に水を与えます。
鉢植え 12~3月
栽培の方法は、基本的には庭植えの場合と同様です。
ポット苗よりも1~2号大きいサイズの鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土を使用します。
まず、鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れ、鉢の半分位の深さまで土を入れます。
次に植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけます。
棒などて突いて隙間などがないようにします。
乾燥を嫌うので水切れに注意します。特に夏は朝夕2回水やりを行います。
風が吹いた時に苗木が倒れないように支柱を立てを固定します。
施肥は、有機質肥料やぼかし肥料を与えます。
樹形は、根元からたくさん枝が出る自然樹形の株仕立て、主幹から出る枝を円錐形に仕立てる変則主幹型仕立てが向いています。
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植え替え 12~3月
鉢植えの場合は鉢の中で根が詰まってしまうのを防ぎ、通気を良くするために行います。
鉢の大きさや成長の度合いにもよりますが、2年に1回程度は必要です。
また、鉢植えから地植えにする植え替えする時も植え付けと同様に12~3月が適しています。
ジューンベリーの仕立て方、剪定の時期と方法は?
実のつき方
ジューンベリーの果実は、前年に伸びた枝の先端付近に花芽(混合花芽)がつき、翌春にそこから伸びた新梢のつけ根に花をつけ、果実になります。
仕立て方
樹形は開心自然形仕立てや変則主幹形仕立てまたは、株仕立てが適しています。
開心自然形仕立てとは、主幹を短くして主枝を2~4本配置した樹形です。
変則主幹形仕立てとは、主幹から出る枝を円錐状に仕立てる樹形です。
高さを抑えるため、2mくらいで主幹を切り詰めます。
株仕立てとは、根元からたくさん枝が出る自然な形の樹形です。
いずれも自然な形に近いので仕立てやすく、樹の生育も良く果実の収穫も多くなります。
剪定 12~3月
休眠期の12月〜3月に剪定を行い、樹形を整えます。
ジューンベリーは株立ち性ですが、放任すると高木となり、混み合うので剪定で樹形を整えます。
株元のひこばえは、1本仕立ての場合はすべて切り取り、株仕立ての場合は充実した幹3〜4本を残して余分なひこばえは切り取ります。
樹高を抑えたい場合は樹冠が整うよう切り返しますが、あまり全体を強く切り返すと先端の花芽も切り取ってしまい、あまり実がつかなくなります。
ただし、幼木は先端を切り落として花芽を減らすと早く株が充実します。
通常は不要な枝の間引き剪定を主体に行います。
ジューンベリーの開花・受粉は?
開花・受粉 4月中旬~5月中旬
4月頃、白い花を咲かせます。
自家結実性なので、通常は人工受粉の必要はありません。
雨が多かったり、昆虫が少ない場合には、実付きが悪くなるので筆などでなでて人工授粉すると確実です。
ジューンベリーの収穫は?
いよいよ楽しみな収穫の時期です。
収穫 5月下旬~6月中旬
小さなサクランボのような果実が実ります。
果実は日持ちしないので収穫後すぐに生食するか、加熱してタネと皮をこし、ジャムやソースなどに加工します。果実酒にするのもおすすめです。
ジューンベリーの果実の赤い時期は酸味と甘みのバランスがよく、生で食べる場合は果実の赤いうちがおすすめです。
果実は完熟すると黒紫色になり、甘みが強くなりますが酸味はほとんどなくなります。
収穫の時期は鳥が果実を狙っているので防ぐには、樹を防鳥ネットで覆うと良いです。
ジューンベリーの肥料の与え方、水やりは?
肥料の与え方
元肥
元肥は、12〜1月に堆肥や油かすなどの肥料の効きが緩やかで、一定期間効果が続く有機質肥料を与えます。
追肥・礼肥
3月と8月に化成肥料を与えます。
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水やり
適度な湿り気を保つことが必要です。
植え付け直後は根付くまでしっかりと水やりを行います。
根付いた後は、地植えの場合、夏場や特に乾燥しているとき以外は必要ありません。
ジューンベリー栽培での病気や害虫は?
特別に問題となる病害虫はありません。
比較的病害虫に強く、暑さにも寒さにも強く丈夫なので家庭果樹向きです。
まとめ
ジューンベリーの育て方、鉢植え、地植え、剪定、開花、授粉、収穫、肥料、水やり、病害虫などについてまとめました。
ジューンべリーは赤い果実、新緑、紅葉、美しい樹形と四季に応じて楽しめます。
果樹としての魅力に加えて、その美しい姿から家のシンボルツリーとしても人気があります。
ジューンベリーの栽培をとおして自然とふれあい、四季の変化を身近に感じることもできます。
あなたもジューンベリーを育て、美しい姿を身近で愛でたり、栄養価の高い新鮮な果実を味わってみませんか。
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