この記事はサルナシの育て方、地植え・鉢植え、肥料や剪定、病気と害虫を紹介します。
サルナシはキウイフルーツに似た小型の果実で、甘酸っぱい爽やかな味が魅力です。
あなたもサルナシの育て方、地植え・鉢植え、肥料や剪定、病気と害虫を知り、育ててみませんか。
これを読めば、サルナシの育て方が分かり、果樹栽培の楽しさに気づいていただけることでしょう。
サルナシの基本情報、主な品種は?
まずは基本情報です。
基本情報
園芸分類 | 果樹(マタタビ科) |
形態・樹高 | つる性なので仕立て方による |
結実まで | 地植え 2~3年 、鉢植え 2~3年 |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや強い |
受粉樹 | 雌雄異株の品種は雄木が必要、雌雄同株の品種は不要。 |
特性・難易度 | 落葉性・初心者でも育てやすい |
サルナシはマタタビ科の植物でマタタビやキウイフルーツなどの仲間です。
サルナシの名前は、形がナシに似ていてサルが好物だというのが由来です。
果実は長さ3cmほどでキウイフルーツよりは小さく、ミニトマトを長くしたような形です。
果皮にはあまり毛がないため、皮ごと食べられます。
育て方はキウイフルーツと同様ですか、キウイフルーツよりも手間がかからず、初心者でも育てやすい果樹です。
海外では、ベビーキウイやキウイベリーと呼ばれ、栄養価が非常に高いフルーツとして有名です。
味はキウイフルーツよりも香りが強く、微かな酸味と甘みがあり、キウイフルーツを濃縮したような味です。
主な品種
サルナシの主な品種の特徴は以下のとおりです。
サルナシは雌雄異株の品種と雌雄同株の品種があります。
雌雄異株の品種は実をならせるには雌雄の2本が必要になります。
品種名 | 特徴 |
光香(みつこう) | 雌雄同株なので1本で結実する。果重約12gで甘みが強く、酸味は中程度。9月下旬に成熟し、追肥は簡単にできる。 |
峰香(ほうこう) | 雌雄異株。果重約11g。果汁が多く、生食に向いている。10月上旬に成熟する。特有の香りが強い。 |
蛇喰(じゃばみ) | 山形県西川町蛇喰に自生していた在来種。雌株。果重約5g程度で果実が小さく、糖度も高くないが実つきがよい。 |
昭和系 | 香川県農業試験場の収集・保存系統。雌株。果重約13g。果実は緑色で甘みが強い。追熟も簡単にできる。着果数と多い。 |
月山系 | 香川県農業試験場の収集・保存系統。雌株。果重約8g。甘みが強く、酸味もある。毛はあまりない。 |
淡路系 | 香川県農業試験場の収集・保存系統。雄株。開花期は早い。 |
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サルナシの栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、果実管理、施肥、収穫について説明していきます。
サルナシの植え付けは?
地植え 11月中旬~12月上旬(温暖地)、3月(寒冷地)
温暖地では11月中旬〜12月上旬の秋植え、寒冷地では3月の春植えにします。
サルナシの根は浅く乾燥に弱いので、排水性がよく、風が強く当たらない場所に植え付けます。
サルナシは雌雄異株といって雌木と雄木が別なので、雌木と開花期の近い雄木を近くに植える必要があります。雌雄同株という1本でも実がなる品種もあります。
サルナシとキウイフルーツは交配がか可能なのでキウイフルーツと混植してもよいです。
まず雌木を植え付け、雄木を離して植えます。場所に余裕がない場合は雄木を鉢植え栽培します。
鉢植え 11月中旬~12月上旬(温暖地)、3月(寒冷地)
栽培の方法は基本的に地植えと同じです。
7号(21cm~)以上の鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土に苗を植え、日当たりの良い場所で管理します。
つる性のため、垣根仕立てか、あんどん仕立てにします。
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サルナシの仕立て方、剪定は?
実のつき方
実のつき方は、キウイフルーツと同様に前年枝の先端に葉芽、中間に花芽(混合花芽)がつきます。
花芽から伸びた新しい枝のつけ根から4~11節目のところに実がつきます。
仕立て方
つる性の果樹なので、棚仕立てが向いています。
場所が取れない場合や手軽に栽培したい場合にはТバー仕立てなどが適しています。
剪定 12月下旬~2月
毎年、冬季に剪定を行ない、枝を整理します。
主枝から出る亜主枝を左右交互に出るようにしながら重なり合った枝や車枝など不要な枝を整理していきます。
新梢は先端を切り返して、実をつける側枝を出させます。
芽の近くで切るのではなく、芽と芽の間を切る中間剪定を行います。
芽のすぐ近くで切ると枯れこむことがあるので注意します。
サルナシの開花・人工受粉 5月中旬〜6月下旬
5月中旬〜6月下旬頃に開花します。
雌木と雄木と近くに植えれば、昆虫により受粉しますが、より安定させるためには人工受粉を行ないます。
人工受粉は雄花の花粉を筆などで雌花の雌しべにつけます。
サルナシの果実管理 6月〜7月下旬
よい果実を育てるために、実がつきすぎている場合は摘果を行ないます。
時期は6月〜7月下旬頃です。
実は結果枝の節ごとに3果ずつ、つくので1果づつ残して実を摘み取ります。
小さいものや形が悪いもの、傷があるもの、病害にあっているものを優先して取り除きます。
サルナシの収穫 9月下旬~11月上旬
いよいよ楽しみな収穫です。
キウイフルーツ同様に収集後に追熟させる必要がある品種が多いですが、樹上で完熟する品種もあります。追熟が必要な品種は、収穫後に2週間ほどおきます。
生食する以外に果実酒やジャム、ゼリーにしても美味しいです。
サルナシの肥料、水やりは?
肥料
元肥 11~12月
11~12月に油かす、牛ふん、堆肥などの有機質肥料を与えます。
追肥 6月
果実を成長させるため6月に化成肥料を与えます。
鉢植え栽培の場合は3月、6月、10月に玉肥を数個与えます。
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水やり
地植えの場合、品種や土質にもよりますが、夏場に日照りが続くような場合は水やりが必要です。
鉢植えの場合には、鉢土の表面が乾いたら、鉢底の穴から流れ出るくらいたっぷり与えます。
特に夏場の水切れには注意します。株元を堆肥やわらなどでマルチングしておくと効果的です。
サルナシの病気や害虫は?
サルナシは育てやすく病気や害虫の心配が少ないですが、以下の病害虫が発生することがあります。
うどんこ病
6月下旬~7月上旬に、葉、果実、新梢に白いカビがあらわれます。
木酢液などをふりかけ予防するか、被害部を取り除きます。
剪定を行い日当たりと風通しを良くして防ぎます。
アブラムシ
新芽が伸び出すころ発生し、葉が萎縮して巻き込みます。
葉の裏側にいることが多いので葉の裏側も良くチェックします。
早期に発見し、水で吹き飛ばすか、捕殺します。多発する場合は殺虫剤の散布も検討します。
コウモリガ
6~7月に発生して幼虫が幹や枝を食害して樹が枯れる。
糞が食害された部分から出るので、それを探して穴に針金などを入れて刺殺します。
まとめ
サルナシの育て方、地植え・鉢植え、剪定、肥料や病気、害虫についてまとめました。
サルナシはキウイフルーツに似た小型の果実で、甘酸っぱい爽やかな味が魅力です。
サルナシはマタタビ科の植物でマタタビやキウイフルーツなどの仲間です。
果実の形がナシに似ていてサルが好物だというのが名前の由来です。
サルナシは雌雄異株といって雌木と雄木が別なので、雌木と開花期の近い雄木を近くに植える必要がありますが、雌雄同株という1本でも実がなる品種もあります。
果実は、ビタミンC、ビタミンE、βカロテンなど健康に良い栄養素を多く含みます。
そのまま食べても、果実酒やジャム、ゼリーにしたりなどいろいろと楽しめます。
サルナシは手軽に育てられ、果実は美味しく栄養も豊富です。
あなたもサルナシを育て、美味しい果実を味わってみませんか。
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