この記事はブラックベリーの育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料について紹介します。
ブラックべリーは1本でも実をつけ、場所もとらず病害虫にも強い家庭栽培向けの果樹です。
あなたもブラックベリーの育て方、地植え・鉢植え、剪定や肥料を知って育ててみませんか。
あなたもこれを読めば、ブラックベリーの育て方が分かり、栽培をとおして自然とふれあう楽しさなどにお気づきいただけることでしょう。
ブラックベリーの基本情報・主な品種は?
まずは基本情報を見てみましょう。
基本情報
園芸分類 | 果樹 (バラ科) |
形態・樹高 | 小低木 ・ 1〜1.5m |
結実までの目安 | 庭植え 2年 、鉢植え 2年 |
栽培適地 | 関東地方以西の地域 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | ふつう |
耐陰性 | やや強い |
受粉樹 | 不要 |
特性・難易度 | 落緑性・初心者でも育てやすい |
ブラックベリーは1本でも実がなる自家結実性がある果樹です。
ブラックベリーの主な品種と特徴
ブラックベリーの主な品種の特徴は以下のとおりです。
品種名 | 特徴 |
ソーンフリー | 果実は黒色。実つきが良くたくさん実をつける。とげがなく栽培しやすい。ほふく性。 |
ポイセンベリー | 果実は赤紫色。実が大きく、酸味が強い。とげありととげなしの2つの系統がある。ほふく性。 |
ブラックサテン | 果実は黒色。香りが良く果実は大きい。とげなし。半直立性で樹勢が強い。 |
ブラックキャップ | 果実は黒色。病気に強く、栽培は容易。とげが多い。半直立性。 |
オラリー | 果実は黒色。実は大きく、たくさんなる。とげがある。ほふく性。 |
ラズベリーとは異なり、1年に1度、収穫できる一季なりの品種しかありません。
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ブラックベリーの果実に含まれる栄養は?
ブラックベリーの果実は、アントシアニンなどのポリフェノールとビタミンEを豊富に含んでいます。
これらは高い抗酸化作用があり、成人病予防をはじめ老化防止、アンチエイジングの効果があります。ストレスや美肌にも良いビタミンCも含まれています。
ペクチンという食物繊維も豊富に含んでおり、腸内環境を整え、便秘の予防や生活習慣病の予防効果があります。
また、強い酸味のクエン酸も含み、体内の酸性物質を減少させたり、疲労回復の効果があります。
このようにブラックベリーの果実には健康に大切な栄養素が含まれています。
ブラックベリーの栽培カレンダー
年間の栽培カレンダーです。
次に栽培カレンダーにもとづいて、植付から剪定、開花、施肥、収穫について説明していきます。
ブラックベリーの植え付け(地植え、鉢植え)は?
まずは、植え付けについてです。
庭植え 3月(寒冷地)、11月(温暖地)
土壌への適用性が高いので土壌は選びません。
寒冷地では3月、温暖地では11月に植え付けます。
直径40cm×深さ40cmほどの植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土を混ぜ、さらに、その半分に油かす、牛ふんなどの有機質肥料をまぜ、先にその土を埋め戻します。
その上に腐葉土だけをまぜた土を盛り、苗木を植え付けます。
夏の乾燥に弱いので株元を稲わらや木材チップなどでおおうと乾燥や雑草の防止になります。
樹勢が強く旺盛に茂るので、フェンスやオベリスク、アーチなどの構造物に誘引します。
鉢植え 3月(寒冷地)、11月(温暖地)
栽培の方法は、基本的には庭植えの場合と同様です。
苗木は7~8号(直径21~24cm)位の鉢を使用します。
用土は果樹用の培養土に緩効性の固形肥料を混ぜて使用します。
まず、鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れ、鉢の半分位の深さまで土を入れます。
次に植木の根を放射状に広げて穴の中央に植え、残りの土をかけます。
棒などて突いて隙間などがないようにします。
水やりは、土の表面が乾燥したらたっぷり与えます。
施肥は、3月と収穫直後に玉肥を数個、鉢のふちに与えます。
つる性のものはあんどん仕立てや棒に巻きつける棒仕立て、直立性のものは株仕立てなどにします。
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植え替え 3月(寒冷地)、11月(温暖地)
鉢植えの場合は鉢の中で根が詰まってしまうのを防ぎ、通気を良くするために行います。
鉢の大きさや成長の度合いにもよりますが、2年に1回程度は必要です。
また、鉢植えから地植えにする植え替えする時も植え付けと同様です。
ブラックベリーの仕立て方、剪定の時期と方法は?
仕立て方
樹形は品種によって、枝が上に伸び上がる直立性、アーチ状に曲がる半直立性、地面をはうように伸びるほふく性の3つがあります。
株元から次々に新しい枝が発生して自然と株立ちとなります。
樹形は、自然の樹形を生かした株仕立てや、垣根にからませる垣根仕立て、支柱にからませる棒仕立てなどが適しています。
整枝剪定 夏季剪定5月中旬~6月、冬季剪定12月~3月
ブラックベリーの実の付き方は、前年に伸びた枝の先端部に花芽がつきます。
春にその花芽から伸びた新梢の先端に開花し、結実します。
結実した枝は、収穫後の冬に枯れます。
剪定は夏季剪定と冬季剪定を行ないます。
夏季剪定は、1年目の新しく伸びた枝の先端を切り返して分枝させます。分枝することにより、翌年に実をつける枝が増えて収穫量がアップします。
弱々しい枝は株元から切り取って日当たりと風当たりを良くします。
冬季剪定では、果実のついた枝は冬までに枯れ込むので株元から切り取ります。
新しく伸びた枝は先端を軽く切り返し、充実した花芽をつけさせ、結実する果実の量を増やします。枯れ込みがあれば株元から切り取ります。
ブラックベリーの肥料の与え方、水やりは?
肥料の与え方
元肥は、春先の3月に堆肥や油かすなどの肥料の効きが緩やかで、一定期間効果が続く有機質肥料を与えます。
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水やり
植え付け後は根付きを良くするために十分に水やりを行ないます。
その後も土が乾燥しないように定期的に水やりを行ないます。
特に夏場の日照りの続く日は気をつけてください。
ブラックベリーの開花は?
開花 4月
白またはピンクの清楚な花が咲きます。
自家受粉するので、他品種を植えなくても1本で結実します。
ブラックベリーの収穫は?
いよいよ楽しみな収穫の時期です。
収穫 7月下旬~8月中旬
濃く色づいたものから順に収穫していきます。
ラズベリーとは異なり、ブラックベリーは熟しても果実とヘタが離れませんので、ヘタをつけたまま果梗の部分より摘み取ります。
枝にとげがあるので収穫時は手袋をしたほうが良いです。
果実は生食のほか、ジュース、果実酒、菓子の材料に利用します。
収穫後は傷みやすいので冷蔵、冷凍保存するか、早めにジャムなどに加工します。
ブラックベリーの栽培での病気や害虫は?
ブラックベリーは一般的には病害虫に強く、家庭での栽培が容易な果樹です。
実が熟す時期に雨が多いと灰色かび病が発生することがあります。
予防するには雨よけをするか、果実が熟したらすぐに収穫します。
コガネムシ、コウモリガにも気をつけます。
灰色かび病
梅雨時期に雨が多いと発生し、果実が腐ります。
予防するには花が終わった頃に薬剤を散布します。
コガネムシ
葉を食害します。見つけしだい捕殺します。
幼虫が筒の中にいる場合は薬剤を散布します。
コウモリガ
6月下旬~7月に幼虫が幹や枝に入り込み内部を食害します。
食害部を見つけて薬剤を散布します。
株の周りの雑草をとりのぞき、株元をわらや腐葉土でおおっておくと防ぐことができます。
まとめ
ブラックベリーの育て方、地植え、鉢植え、剪定、開花、収穫、肥料、水やり、病害虫などについてまとめました。
ブラックベリーは、1本で実がなり、病害虫にも強く、コンパクトで家庭栽培に向いている果樹です。
果実には、アントシアニンなどのポリフェノールとビタミンEが豊富に含まれ、成人病予防や老化防止に効果があり、ストレスや美肌に良いビタミンCも含まれます。
ペクチンという食物繊維は腸内環境を整え、強い酸味のクエン酸には疲労回復などの効果もあり、健康に良い成分を多く含む果実です。
ブラックベリーは、春に可憐な白やピンクの花が咲いて、実がなり、夏に赤い実が黒に色づいて収穫の時期となります。
家庭栽培ならでの採れたての美味しい果実を味わうことができます。
あなたもブラックベリーを育て、自然とのふれあいや可愛らしい花や果実を愛でたり、健康に良く美味しい果実を味わってみませんか。
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