この記事は、工藤静香「恋一夜」の歌詞の意味を考察します。
1988年に発売されたこの曲は、思わず切なくなってしまう歌詞を工藤静香が繊細、かつ情熱的に歌い上げ、人気となりました。
そんな、工藤静香「恋一夜」の歌詞の意味を読み解いていきましょう。
工藤静香「恋一夜」はどんな曲
【恋一夜】
アーティスト:工藤静香
作詞:松井五郎
作曲:後藤次利
リリース: 1988年12月28日(ポニーキャニオン)
★チャート最高順位
週間1位、1989年度年間6位(オリコン)
「恋一夜」は1988年12月に発売された工藤静香の8枚目のシングルです。
作詞は松井五郎、作曲はベーシストとしても有名な後藤次利が手がけました。
発売後、1989年度オリコン・シングルチャートでは年間ランキング6位、売上枚数は61.7万枚を記録しました。
工藤静香「恋一夜」の歌詞の意味を考察
色っぽく切ない歌詞ですが、恋の辛さを歌ったこの曲は、大人になってからこそより理解できるような気がします。
主人公の女性は、なぜこんなに不安を感じているのでしょうか。
彼と思いが通じあって付き合う事になったはずなのに・・。
彼と一夜を過ごすことになった女性。
普段見せない一面を彼に見せることに。
髪が濡れた状態であることからきっとメイクも落としていたかもしれません。
女性にとってメイクは世の中で生きていくための仮面のように心を守るもの。
全てをさらけ出して彼と向き合うこの瞬間です。
彼が受け入れてくれるのか、とても不安だったでしょう。
そもそも本当に彼は自分を好きでいてくれているのか。
このままずっと一緒に居てくれるのかなど付き合っていて思うことがあります。
幸せな状態の時、このまま幸せで大丈夫なのか、何かあるのでは無いかと、ふと不安になったことがありませんか?
彼女は彼と付き合っていることにとても幸せを感じているのです。
特に今夜、彼と朝まで過ごすことは彼女にとって本当に幸せな事なのでしょう。
そこでふと出来た不安・・。
これが歌詞の大事な所です。
歌詞の内容から不倫をしている男女のように思えるかもしれませんが、そうではなく彼女は(幸せになる事が恐い)のです。
元々人間には上手く行っている時でも不安を感じるように出来ている、とも言われています。
心理学では幸せ恐怖症と言う言葉があるとか。
つまり彼女は「こんなに幸せでいいのだろうか」と思っていると考察出来ますね。
何故このように不安になってしまうかというと、大人になるにつれて学習する人生の経験値から出てくるものです。
女性にはフラれた経験もあったかもしれません。
過去に体だけのお付き合いになってしまった男性がいたのかもしれません。
こう書いたのは歌詞の中に「燃え尽きる愛がかならずある」と書かれていること。
彼女は人生の中で辛い恋愛経験をしたのだと思われます。
それが(今回もそうなるかもしれない)という不安に繋がります。
メイクも取って全てさらけ出してしまった私をどう思うだろうか。
彼に嫌われたくない。などと考えてしまったのだと考えます。
考えても答えはすぐに出るものではありません。
サビの部分にそんな不安が書かれています。
好きになりすぎてフラれた時に傷つかないようにこれ以上、好きになってはいけないとも考えていることが分かります。
歌詞の中で矛盾した考えが彼女の中で悶々と葛藤しています。
幸せすぎても、不幸になっても涙は出るものです。
幸せすぎて怖い。(幸せ恐怖症)
このような状態になっているという事ですね。
しかし、それでも彼女は歌詞の中で強くなろうとしています。
彼とずっと一緒に居られるように、どこまで彼を信じられるか。
歌詞の中に書かれている「痛み」とは彼女がフラれる痛みでは無く、この不安から来る自分の弱さを痛みに例えているとここでは考察します。
なぜなら、「まだ深い愛がかならずある」と書かれていること。
先に書いた歌詞と反対の表現です。
書いてある場所としては反対になりますが、彼女は不安過ぎて矛盾した感情が出ています。
後半では強くなりたい。と感じていることから彼こそは私を本当に幸せにしてくれると信じている。
だから強くなる(彼を信じてみよう)と解釈します。
冒頭に、大人になってこそより理解できる歌詞と書きました。
特に女性はこのように(今幸せだけどこの先不幸な事が起こらないだろうか)、このように思う人が少なくないと思います。
もちろん男性でもこのように思うことがあるでしょう。
それは自分自身の人生の経験値がそう思わせるもの。
歌の中の女性に共感し、自分の恋愛に重ね合わせて聴くとより印象深い曲となりますね・・。
まとめ
工藤静香「恋一夜」の歌詞の意味を考察しました。
主人公の女性が恋が進展するにつれて幸せを感じる反面、このまま本当に上手くいくのか、相手に素をさらすことになり嫌われないかという不安な気持ちなどが、巧みに表現されています。
歌詞を読むと主人公の女性の切ない心情が伝わってくるようです。
当時この歌を歌った工藤静香は当時18歳、19歳という年齢でした。
今から思うと難しい内容の恋の曲をよく歌いこなされていたと驚いてしまいます。
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