布施明「君はバラより美しい」の歌詞の意味を考察!魅惑の変化とは? | カモシカおやじの趣味ブログ

布施明「君はバラより美しい」の歌詞の意味を考察!魅惑の変化とは?

昭和歌謡

この記事は、 布施明「君はバラより美しい」の歌詞の意味を考察します。

1979年に発売されたこの曲は、洗練されたルックスと伸びやかでダイナミックな歌唱が多くの人々の心をつかみ、人気となりました。

それでは、布施明「君はバラより美しい」の歌詞の意味を読み解きます。

布施明「君はバラより美しい」はどんな曲

【君はバラより美しい】

アーティスト:布施明

作詞:門谷憲二

作曲:ミッキー吉野

リリース: 1979年1月17日(キングレコード)

★チャート最高順位
週間8位、1979年度年間40位(オリコン)

「君はバラより美しい」は1979年1月に布施明の42枚目のシングルとして発売されました。

1979年度春の化粧品のキャンペーンソングとして使用され、花咲き乱れる季節と新しいメイクに心浮き立つ女心を、軽快なメロディで表現しています。

オリコンのシングル販売枚数は31.0万枚を記録しました。

 

布施明「君はバラより美しい」の歌詞の意味を考察

『恋する女性は美しい』とは、古今東西で言われ続けてきた格言です。

確かに恋に落ちた女性は、瞳がきらきら輝き、肌も潤いが出て、幸せそうなオーラに満ちています。

 

しかし、それも数か月間のホルモンという魔法の力。

月日が経つにつれ、ときめきは薄れ、『平凡な日常、平凡な私』に元どおり。

ごくまれに、魔法の力に頼らずに自力で内側から輝くような美しさを手に入れる女性がいます。

その秘訣とは何でしょうか。

この歌のヒロインから、その秘密を探ってみましょう。

 

主人公の男性が彼女に声をかけたのは、ほんの気まぐれのつもりでした。

それと、わずかな同情。

それぐらい俯(うつむ)く彼女の姿は惨めでした。

それなのに肩を抱き寄せずにはいられない、儚げな色香に満ちていたのです。

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彼女との思い出もごく淡いものでした。

たいした会話も弾まず、ぎこちない、小鳥がついばむような口づけを数回、交わしただけで、二人は別れました。

 

それでも、時折見せる、はにかむような笑顔が忘れられず、電話をかけたのはつい先日のことです。

受話器の向こうの彼女の声に、彼の不義理を責めるような響きは微塵もありませんでした。

 

安堵と同時に、ほんの少しの罪悪感を抱えた彼が、待ち合わせ場所にあらわれた彼女の姿を見て、思わず目を見張ったのは、この歌詞が示す通りです。

珊瑚色の袖なしのワンピースに、麦藁帽を被った彼女は、眩しい太陽を背にして、きらきらと輝いていました。

彼の目を通した彼女の姿は、翳りを捨て去り、蝶が羽化するように生まれ変わったようです。

 

それは、単なる少女から大人の女性への成長というよりも、彼女自身が、「私は私よ」という自分のアイデンティティを取り戻した、と考えることもできます。

その自信が、見た目にも表れているのでしょう。

顔も体つきも、最後に会った時から、すこし、ふっくらしたようです。

 

「どうしたの?」

「別に。可愛くなったな、って」

 

その言葉に、彼女は、一瞬はにかんだ笑みを浮かべると、彼を追い越し、すたすたと歩き出しました。

「おい、待てよ」

「い・や・よ!」

その声は、明るく弾んでいました。

 

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時折、スカートの裾をくるっと翻らせ、まるで母猫のあとをついていく子猫を見つめるような眼差しを向けてきます。

やがて、サンダルのかかとを軽く鳴らすと、彼女はいたずらっぽい笑みを浮かべて、走り出しました。

 

「おいおい、待てったら!」

主人公は、慌てて彼女を追いかけます。

 

彼女はどんどんスピードを上げて軽やかに走ります。

しかし、彼も負けてはいません。

「捕まえた!」

「きゃっ!」

 

彼の腕が彼女の体に触れた途端、彼女はバランスを崩しました。

後ろに倒れこんだ彼女を、しっかりと抱きとめます。

ようやく彼の腕の中から解放され、彼女は、体を折り曲げ、肩を上下させると、横目でちらりと彼を見て、かすれた声で言いました。

「本当はね、うんと綺麗になって見返して、後悔させてやるつもりだったの。

私のこと、ほったらかしにしてたこと」

 

ズボンについた土ぼこりを払いながら、彼が答えます。

「その企みなら、まんまとしてやられたよ。俺が馬鹿だった」

 

その言葉に、彼女は真っすぐに背筋を伸ばすと、彼の目を見据えて言いました。

「でもね、そんなこと、どうでもよくなったわ。だって、あなた、今すごく良い顔をしてるんだもの。少年の顔よ。」

 

「僕が?」

呆気にとられた顔の彼に、彼女は微笑みながら続けます。

 

「そう。初めて恋をしたばかりの男の子みたい。そんなあなたを見てたら、仕返しなんてどうでも よ くなったわ」

そう言って、彼女は麦藁帽のつばをくいっと上げました。

 

そして軽く睨むと…

「でも、やっぱり許してあげない。」

 

そう言うと、踵を返して、また走り出しました。

「こら、待てっ!」

追いかける彼の頬にも、こらえきれない喜びが滲み出ています。

まるで大輪のバラが咲いたようだ。君のことは全てお見通しのつもりでいたのに、そんな華やかな笑顔になるのか。

 

そう思い、彼は大きく被りをふりました。

 

いいや、君の笑顔は、澄まし顔で気取っているバラよりも、ずっと、ずっと綺麗だよ

彼の心は今や、完全に彼女の虜です。

 

そう、大人の女性は、男性には分からない幾つもの引き出しを持っているのです。

そのミステリアスな魅力が、どれだけ科学が発展しても、太古の神秘が解明されても、「女性だけは永遠に分からない」と、男性たちに言わしめる理由なのでしょう…。

 

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まとめ

布施明「君はバラより美しい」の歌詞の意味を考察しました。

主人公の男性が久しぶりにある女性に会いますが、あまりにも美しく変わったその姿に驚かされます。

男性はこれまで、その女性には特別な興味はなかったようですが…。

再会を機にその女性に心を奪われてしまい、君は薔薇より美しいとの言葉を発するのでした。

どうやら2人の関係は序盤は女性は劣勢でしたが、後半は巧みな戦術で形勢を逆転したようです。

男性はもう白旗を上げざるをえませんでした。

 

この曲は春の化粧品のCMソングに使用されたこともあり、聴く人を明るく元気にさせてくれる名曲ですね。

 

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