河合奈保子「けんかをやめて」の歌詞の意味を考察!揺れる乙女心 | カモシカおやじの趣味ブログ

河合奈保子「けんかをやめて」の歌詞の意味を考察!揺れる乙女心 

昭和歌謡
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この記事は、 河合奈保子「けんかをやめて」の歌詞の意味を考察します。

1982年に発売されたこの曲は、二人の男友達を天秤にかけ、揺れる乙女心を歌い、人気となりました。

それでは、河合奈保子「けんかをやめて」の歌詞の意味を読み解きましょう。

 

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河合奈保子「けんかをやめて」はどんな曲

【けんかをやめて】

アーティスト:河合奈保子

作詞・作曲: 竹内まりや

リリース: 1982年9月1日(日本コロムビア)

★チャート最高順位
週間5位、1982年度年間64位(オリコン)

「けんかをやめて」は1982年9月に河合奈保子の10枚目のシングルとして発売されました。

作詞を担当したのは、稀代のヒットメーカー、シンガーソングライターの竹内まりやです。

洋楽のポップスに影響を受けた竹内は、あどけない可愛らしさが残る河合に、ほんの出来心から男子たちを両天秤にかける少女の心情を託しました。

嫌味になりがちな内容ですが、竹内の卓越した言葉使い、河合の歌声から滲み出る純粋な人柄により、すっきりとした味わいになっています。

 

河合奈保子「けんかをやめて」の歌詞の意味を考察

「男性はロマンチスト、女性はリアリスト」とはよく聞く言葉ですが、例え幼くても、女性はやはりしたたかです。

『この人と一緒になって10年、20年先まで、安定した生活が送れるのか、私を幸せにするに相応しい器を持っている人なのか』厳しく確かめているのです。

 

そのためには、こうして、水と油のような二人を、両天秤にかけることもためらいません。

寧ろ、恋は盲目の名の通り、突っ走って相手の本性もよく知らずに結婚してしまってからでは、後悔しても遅いのです。

 

だから、彼女の中では罪悪感というよりも「私は賢くやっている」という自負が勝っています。

私は恋に溺れて自分を見失うような女じゃないのよ。

私は、そんじょそこらの女の子とは格が違うんだから。

 

もっとも、そこには、二人の男性から求愛されたことによる虚栄心も、大いに含まれているのですが。

それは、取り巻きの男の子の数を競う女の子たちへの嫉妬心をのぞかせていることからも明らかです。

例え、自分のプライドが認められなくても「あの子たちより、私は魅力が無いのかも」そういった劣等感もあったのでしょう。

まったく、鼻持ちならない、小生意気な娘ですが…、10代の女の子なんて、皆そんなものです。

わがままで自意識過剰で、視野が狭く、それでいてガラスのように繊細で、あちらこちらへと揺れ動く、せわしない心を持て余してしまっているのです。

 

そして、多かれ少なかれ、それは自我が芽生えた少女たちがいつかは通る道です。

そう考えると、背伸びをして小悪魔を気取っている彼女には、どこか憎めない魅力があります。

 

少女という生き物は、その清らかなイメージに相反するように、黒い欲求を秘めているものです。

まだまだ未熟で、視野が狭く、子供ゆえに浅はかで残酷。

自分の価値観が、この世の全てだと思っている。

こうして転び、痛い思いを繰り返すことで、初めて自分の驕りに気づかされるのです。

 

 

この少年たちも、彼女に弄ばされてると気づいても、ライバルに怒りが向いている分、精神的な幼さでは五十歩百歩といったところでしょうか。

しかし、過ちというものは、若いうちにたくさんしておくべきです。

 

10代の体が持つ、新陳代謝の早さは目を見張るもの。

多少の擦り傷や火傷なら、1週間もしないうちに、綺麗に元通りになっています。

これがあと10年も経てば、生涯、消えない痣になっていたことでしょう。

 

彼女が大人の階段を昇ったことが分かるのは、「私が本当の愛を知るまで、そっとしておいて」という呟きです。

自分が招いたとはいえ、彼女を奪うために、殴り合いの喧嘩を始めた少年たちに幻滅してしまったのかもしれません。

 

私はモノじゃないわ。あんたたちのトロフィーじゃないのよ。

そう思った瞬間、自分も、彼らの心を女友達に見せびらかすアクセサリーとしてしか見ていなかったことに気づいたのです。

今まで想像もしなかった男の子の闘争心の激しさに圧倒され、その単純さに呆れもします。

そんな事態を招いてしまったのが自分の浅はかさである、という自己嫌悪。

 

そして、こんなにも、愛され求められていたという事実に気づいたときの、微かな優越感。

私、悪い子だわ。

そう思うと、不思議なことに、すーっと、心が落ち着きました。

 

彼女は踵を返すと、校舎に向かって歩き出します。

「何処に行くんだよ!」

掴みあう男子たちの大声に耳も貸さずに。

いつの間にか、集まりはじめた野次馬たちのはやし立てる声に耳を塞いで。

騒ぎに気づいて駆けつけてきた先生の制止の声も気づかない振りをして。

 

あたしのことなんかほっといて。かまわないでよ。

あたし、悪い子だから。

あんたたち、お子様の心を弄ぶ悪い子だから。

ああ、あたし、明日からどんな顔して学校に行けばいいんだろう。

ああ、やだやだ、皆きらいだ。

野蛮な男の子も、鼻につく女の子たちも、正論しか言わない先生も親も、学校も、皆、皆、大っ嫌い!

 

大丈夫、いつかはきっと苦笑いしながら思い出話として語れる日がやってきます。

彼女が、本当の大人の女性になった暁には…。

 

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まとめ

河合奈保子「けんかをやめて」の歌詞の意味を考察しました。

二人の少年を好きになり、それぞれに思わせぶりな態度をとってしまい、結果として彼らの心をもてあそんでしまった主人公の少女。

少女がそうした態度をとる背景には、女友だち同士の自分がいかにモテるかを競うライバル心などもあったようです。

 

少女のそんな思惑も知らず、少年たちは怒りの矛先を少女には向けず、少年たち同士でけんかを始めてしまう始末…。

そんな少年たちを見て、少女は私のために争わないで、けんかをやめてと言葉を繰り返すのです。

何か、少年たちがいじらしく、少し憐れな感じがしてきました。

 

少女が二人の少年のことを好きになり、その結果、少年たちがけんかを始めてしまったことは当人たちにとっては重大な事件でしょう。

しかし、大人になって振り返れば、思わずクスッとしてしまう甘い思い出なのかもしれませんね…。

 

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