この記事は、近藤真彦「情熱熱風せれなーで」の歌詞の意味を考察します。
1982年発売のこの曲は、マッチの他の曲とは異なり、ソフトで穏やかな歌声が素敵で、今聴いてもその魅力は変わりません。
そんな、近藤真彦「情熱熱風せれなーで」の歌詞の意味を読み解いていきます。
近藤真彦「情熱熱風せれなーで」はどんな曲
【情熱熱風せれなーで】
アーティスト:近藤真彦
作詞:伊達歩
作曲:筒美京平
リリース: 1982年1月7日(RCA / RVC)
★チャート最高順位
週間1位、1982年度年間9位(オリコン)
「情熱熱風せれなーで」という曲は1982年に近藤真彦の5枚目シングルとして発売されました。
これ以前の「ギンギラギンにさりげなく」やこの次の曲「振られてBANZAI」のようなマッチの情熱的にストレートに歌う曲調とは少し異なり、穏やかな雰囲気でロングセラーとなりました。
オリコン・シングルチャートでは1982年度年間ランキング9位、売上枚数は55.5万枚を記録しました。
近藤真彦「情熱熱風せれなーで」の歌詞の意味を考察
「名前さえ知らないのにお前に恋したのさ」静かに始まるこの歌詞。
曲調も派手ではなく揺れて弾むような感じです。
まるでドキドキしている恋心を表しているようですね。
昼も夜も彼女の事を考えてドキドキハラハラ。
夜は眠れません。しかしいつの間にか眠った彼は夢の中でも彼女の夢を見ます。
恋人同士のように月明かりの中歩く2人。
彼女と視線を合わせることが出来ない彼はつい、胸の辺りに視線が行ってしまいます。
彼女は「もう、どこ見てるの?」とばかりに彼をのぞき込みます。
その視線が近くて動けなくなります。
彼女の顔が近づいてきたところで…目が覚めます。
「さめてドキドキ夢は接吻気分」
夢でも彼女を前にして動けなくなるほど内気、弱気になってしまうのに。
夢の中の彼女は積極的なのが妄想。
10代の可愛らしい所が見えるところですね。
名前も知らないということは話しかける接点も無く、一目惚れということです。
なので後ろ姿を見ることの方が多いのだろうと思います。
彼の心を掴んだのは彼女の「ポニーテール」。
ポニーテールは当時のアイドルもよくしていた髪型と思います。
清楚さと女性の可愛らしさの出る髪型のひとつですよね。
彼女の事を夢にまで見てしまう彼の恋。
ある日は急な雨の中彼女を見かけて濡れた服と走る彼女にまた心ときめきます。
告白しよう!と思うのですが、いざ彼女を見かけるとまた彼女の後ろ姿を見つめるだけ…、声をかけられません。
そんな自分に「どうかしてる狂ったぜ」と嘆きます。
こんなのは自分じゃない。もっと情熱的に、この熱い思いを伝えられるはず。
といった所でしょう。
またある日、私服の彼女を見かけます。
ギンガムのシャツ(ワンピースかも?)のボタン2つ外して緩く着ているところもセクシー。
特に赤いヒールの靴に目を奪われてハートを直撃したようです。
普段見ない彼女の私服姿にはかなり心踊ったのでしょう。
そんな彼女を抱きしめられたら…、「俺はサヨナラ気分」。
ここでのサヨナラ気分とは、彼女にフラれるようなものではありません。
気持ちが昇天するとか、野球のサヨナラホームラン(勝った)のように恋人に出来たら俺嬉しい。という表現なのだろうと思います。
「ときめきはMoonlight kiss」
「ひらめきはMorning kiss」
1番の「さめてドキドキ接吻気分」から続くこの表現、お休みのキスとおはようのキス。
ときめきと、ここでのひらめきは「閃き」ではなくひらひらと揺れ動く事だと思います。
「雨に濡れた姿」も、「風を抱いた」姿も、「波と踊ろう」。
全ては彼女の「ポニーテール」が動く様を見て、セクシーだと感じているのだと考察します。
夢の中に「出ておいで。お前だけ恋のシートに乗せるよ」。
今日も「おいで この胸に」。
歌詞の中では実際に彼女に会うとどうやら声をかけられないので夢の中では恋人同士気分でデートに連れて行っちゃう。というような表現だと思います。
タイトルにもある「せれなーで」、これは日本では小夜曲。
ロミオとジュリエットのように夜、男性が女性の家の前で愛の歌を歌い告白する。
ここから来ています。
「ムーンライトに歌う恋の痛み」
歌詞の中の男性は「情熱的に、熱い思いを」伝えたい所なのですが、上手くいっていません。
夢の中では恋人同士。
なのに現実では声も掛けられない。
なんて弱気な俺なんだ。
先にもそのように書きましたがそのあたりが「せれなーで」と平仮名にされているひとつの理由かも知れないと思います。
「聞いておくれよ俺のポニーテール」
名前も知らない彼女。
名前は知らないけど、ポニーテールが良く似合うのは知ってる。
「揺れてハラハラ」というのは彼女の揺れるポニーテールの後ろ姿に心惹かれる所と
自分の恋心を表しているのです。
このようにこの「情熱熱風せれなーで」はポニーテールの良く似合う女性に恋をしたという歌詞ですが、曲調も揺れるようなテンポで10代の男性の眠れないほどの恋心。
夢の中では恋人同士なのに現実では名前も聞けないほどの純情さと妄想。
そんな10代の可愛らしい一面を平仮名で「せれなーで」と歌うので、ロングヒットしたのだろうと考察します。
女性は好かれている事、告白されようとしていることなど知らないだろうと思いますが、このように情熱的に想われているのはとても羨ましいですね。
まとめ
近藤真彦「情熱熱風せれなーで」の歌詞の意味を考察しました。
改めて歌詞をじっくりと読み返すと遠い昔の10代の頃が思い出されるようです。
気になる女の子がいても彼女を目の前にするとなかなか思うようにはいかないものですね・・。
気持ちは高揚するのに行動が伴わない、そんなじれったい男の子の気持ちを近藤真彦が上手く表現していると思いました。
あなたも久しぶりにこの曲を聴かれてみられてはいかがでしょうか。
【関連記事】
近藤真彦「ハイティーン・ブギ」の歌詞の意味を考察!
田原俊彦「哀愁でいと」の歌詞の意味を考察!小林和子の日本語詞が魅力
日本ぶろぐ村