この記事は、安全地帯「碧い瞳のエリス」の歌詞の意味を考察します。
1985年に発売されたこの曲は、歌詞も玉置浩二のボーカルも心に染みわたる味わい深い名曲となっています。
それでは、安全地帯「碧い瞳のエリス」の歌詞の意味を読み解きましよう。
安全地帯「碧い瞳のエリス」はどんな曲
【碧い瞳のエリス】
アーティスト:安全地帯
作詞:松井五郎
作曲:玉置浩二
リリース: 1985年10月1日(Kitty Records)
★チャート最高順位
週間2位、1985年度年間29位(オリコン)
「碧い瞳のエリス」は1985年に発売された安全地帯の10枚目のシングルです。
大王製紙、エリスと言う生理用品のCMのタイアップとして作られ、発売後すぐに人気となりました。
オリコン・シングルチャートでは1985年度年間ランキング29位、売上枚数は29.5万枚を記録しました。
安全地帯「碧い瞳のエリス」の歌詞の意味を考察
この曲の歌詞の碧い瞳、エリスとなると森鴎外の小説「舞姫」に出てくる女性を想像します。
森鴎外の作品、舞姫のエリスも報われない恋をしていた女性ですが、その女性をイメージした曲だとも言われています。
その真相は作詞者である松井五郎のみぞ知る所なのですが・・。
はじめに、曲のタイトルや歌詞に「青」では無く「碧」の漢字を使うこの曲。
色の違いとしては青空と言うように澄んだ空のような色の事を青色と言うならば、この碧は”あおやみどり”とも読みます。
つまり、より緑色が入った色のことを言います。
緑がかった青色。宝石のような輝きと透明感があるイメージもある色。これが碧色です。
ここから歌詞の内容を読み込んでいくと、夢を叶えることが出来なかったことを海の色に例えています。
碧色の海という事は、深さも感じられますね。
夢は海の底へ沈んでしまった。このように考察できます。
それはどんな夢だったのかと言うと、彼と結ばれると言う夢。
この想いと夢は心の奥底、海の底へしまい込みます。
辛いことがあったら相談に乗るよ。なんでも話して。と彼の瞳を覗き込みながら語りかけます。
2人一緒になれなかった孤独感からせめて彼とは友人関係としてでも繋がっていたい。
彼の瞳に映る自分はまるで森鴎外の舞姫に出てくるエリスのような自分。
小説のエリスに自分を重ねているようです。
彼女は告白をすることなくこの恋は実らないと分かっているのでは無いかと思います。
それは彼が好きだという告白をすること無く心の奥にしまいこんでいる「あなたにそっと打ち明けたい」が、打ち明けることが出来ない。
恋が実らず気分転換をしたい時など女性は髪を切る事もあります。
歌詞でも髪を切る日とありますので、失恋を表していると考察できます。
また、その日は涙を呼ぶ日。
もしかしたら彼は別の女性と結婚するのでは無いか。
その日を自分の恋と決別する日なのだと考えているとしたら。そのように考えることが出来ると思います。
彼女は泣きそうな日は思い出の宝石箱を開くと、歌詞に書かれています。
幼い頃からある大事な箱。
もう大人なんだからこんなに泣いてはいけないと思いつつ、この箱を開く時は少女に戻り、涙を流すことが出来る。
この表現からも彼女がある程度の年齢、結婚も考えられる年頃なのではないかということがわかります。
今は彼を忘れることが出来ない為、「あなたに会うために生まれてきた」のにと思ってしまうのです。
思い返せば彼の声を初めて聞いた時が懐かしく感じる。
今聞く彼の声はその時より優しく暖かく聞こえるのは何故だろうか。
彼とは幼なじみとか小さい時から一緒に過ごしてきたのかもしれないとと思われます。
もしかしたら大事にしている古い宝石箱は彼から貰ったものなのかもしれませんね。
共に過ごす事を願ったけれども無理だと理解した。
この思いは言葉にせず心の奥にしまうけれども友人としてこれからもそばに居ることを願う。
そのような事を思っているなんて彼は想像しても居ないだろう。
しかしそれで良いのだと自分は考えている。
時が経てば「あなたに会うために生まれてきた」から「あなたに逢うためだけに優しくなれる」と変わるだろう。
前者は、彼との恋を実らせたかったと言う悔しさと、この後の未来を感じられない表現を感じてしまいます。
後者は、彼が居ることでこの世界を優しく生きる事が出来る、と彼女の未来を想像することが出来るものとなっています。
彼に若干依存している表現は否めないものの、前に進んでいこうと言う表現です。
さて、ここまで歌詞の考察をしてきました。
まとめると告白をせずに失恋した女性は、友人としてでも彼と共に居たいと願うと言う解釈です。
この歌詞はなかなか複雑で、聴いている人の経験や想像の仕方によって解釈が変わる事もあるかと思います。
まとめ
安全地帯「碧い瞳のエリス」の歌詞の意味を考察しました。
この曲の歌詞に森鴎外の舞姫をイメージしたエリスを投影するとすれば、失恋がキーワードとなります。
この歌詞も失恋した歌ではありますが、違う形でも彼と共に居られればいいと言う解釈をしたのはこの女性が告白をしていないという考察をしたからです。
告白をしなければ彼に本当の想いは伝わる事はないと彼女は考えたからだと思います。
初めに青色と碧色の話をしました。
彼の瞳の中にいるエリス。
より深い味わいのある碧色はまるで複雑な彼女自身の心を映したものだと思えるようです。
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