この記事は、レベッカ「フレンズ」の歌詞の意味を考察します。
1985年に発売されたこの曲は、エネルギッシュなバンド演奏とNOKKOの情感豊かに歌い上げる歌唱が相まって、多くの人々に人気となりました。
それでは、レベッカ「フレンズ」の歌詞の意味を読み解きます。
レベッカ「フレンズ」はどんな曲
【フレンズ】
アーティスト:レベッカ
作詞:NOKKO
作曲:土橋安騎夫
リリース:1985年10月21日 ( CBSソニー/FITZBEAT)
★チャート最高順位
週間3位、1986年度年間30位(オリコン)
「フレンズ」は1985年10月にレベッカの4枚目のシングルとして発売されました。
テレビドラマ『ハーフポテトな俺たち』のテーマソングにも起用され、レベッカを代表する曲のひとつとなっています。
1986年度のオリコン・シングルチャートでは年間ランキング30位、販売枚数は25.0万枚を記録しました。
レベッカ「フレンズ」の歌詞の意味を考察
この曲の歌詞はレベッカのボーカルで作詞を手がけたNOKKOが中学生の頃の初恋の記憶をもとに作られたと言われています。
内容は、主人公の女性が幼なじみの男性への気持ちが恋へと変わったことにより、友達関係が終わってしまい、元に戻れなくなったことへの戸惑いや一抹の寂しさなどを表しているものです。
なぜそのようになってしまったのか?
タイトルの「フレンズ」という複数形の表現は、主人公の女性と相手の男性との友達関係、および相手の男性にとっての主人公の女性との友達関係を表しているため、複数形としているのではと思いました。
歌詞には「どこで壊れたの oh フレンズ」というフレーズがあります。
自分達の友達としての関係はどこで壊れてしまったのだろうか、という意味で捉えると分かりやすいのではないでしょうか。
幼い頃から一緒に遊んでいた関係も、思春期を迎える頃には友情から恋という感情に変わりました。
初めての恋というものは未知の世界に足を踏み入れるようなもので相手との距離感もうまく掴めません。
今まで普通に遊んでいた距離感すらも分からなくなってしまうほど互いに意識してしまいます。
2人がキスをしてしまった日、母親の顔も見れなくなると歌詞にあります。
それは、なにか悪いことをしてしまったかのような気分になってしまうくらい戸惑う感情だったものと思います。
一度、友情が恋という感情に変わると、もう友達としての関係に戻ることは難しいのでしょう。
仮に友達に戻ったとしてもずっと一緒に居たい、離れたくないという気持が高まるのを抑えることが出来ないでしょう。
また、今までは気にしなかったようなこと、例えば相手が他の女性と話をしている、更には他の男性の友人とばかり話をしている時間さえも嫌だ、という嫉妬や束縛といった感情も出てきてしまうかもしれません。
結果として彼女は友達としても、恋人としても一緒にいられる状態を失ってしまうのでは無いかと怖くなってしまうのです。
友達から恋に変わってしまった経験を持つ人はそうしたことに共感できることでしょう。
歌詞に出てくる秘密基地で将来の夢を話し合ったことや、あなたが落ち込んだ時は悲しい顔を見ていると自分も悲しくなるから歌って励ましたりしたこと。
あんなにそばに居られたのに、今ではその距離感が掴めない。
この女性は今まで彼に対して簡単に出来たことや、言えたことが意識し過ぎて出来なくなってしまった。
そして恋をしてしまったために相手に頼して嫉妬や束縛の気持ちが湧き上がってしまう。
もし、今の関係すらも壊れてしまったら・・。
そんな想いが伝わってきます。
彼と指が触れるだけでまるで時が止まったかのように感じてしまうくらい意識している。
それはもう友情では無いですね。歌詞の内容からも主人公の女性は相手の男性を恋の相手として意識してしまい、今までのような距離感が取れなくなってしまっているようです。
こんな思いをするくらいならずっと友達のままでいたかった。
いっそのこと以前のような友達のままなら今も気にせず一緒に居られたのに、と主人公の女性の後悔している様子も浮かびます。
しかし、友達としてでも一緒に居たいと考えていることが、この感情はもはや友情ではなく恋なのです。
ポイントは恋と友情との間の距離感です。
思春期を迎えた2人の関係が変わり恋愛経験の不足から彼女は今までのように接することが出来なくなり、彼との距離感がつかめずどうすれば良いのか分からなくなっている。
そのような気持ちが歌詞には書かれています。
青春時代に多くの方が経験するであろうこの気持ちをテーマにしたからこそ、時代を超えて、どの世代でも受け入れられられる名曲なのだと思います。
まとめ
レベッカ「フレンズ」の歌詞の意味を考察しました。
思春期の友達関係の男女が相手を互いに異性として意識して恋の気持ちが芽生えることで互いの関係がぎくしゃくしてしまう。
主人公の女性も相手の男性との距離感が上手く掴めずにこれまでのようにフランクに相手に接したり、話しかけることが出来なくなります。
また、相手の男性に嫉妬や束縛の気持ちも湧き上がってしまい、こんなことなら昔のままの状態でいた方が楽だったと思いますが、もう時計の針を元に戻すことは出来ません。
あとは自分の気持ちに素直になり、勇気を持ってこの通過儀礼を乗り切るしかありません。
主人公の女性もこれから大人になるにつれて幾つかの試練があるかもしれませんが、怖がらないで乗り越えていって欲しいですね。
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