この記事は、Wink「寂しい熱帯魚」の歌詞の意味を考察します。
この曲は 1989年に発売され、淡々と歌う2人の姿と独特な振り付けは当時「大魔神ポーズ」と呼ばれ、大いに流行りました。
それでは、Wink「寂しい熱帯魚」の歌詞の意味を読み解いていきましょう。
Wink「寂しい熱帯魚」はどんな曲
【寂しい熱帯魚】
アーティスト:Wink
作詞:及川眠子
作曲:尾関昌也
編曲:船山基紀
リリース: 1989年7月5日(ポリスター)
★チャート最高順位
週間1位、1989年度年間7位(オリコン)
Winkは1988年4月にデビューした鈴木早智子、相田翔子の女性2人組グループです。
「寂しい熱帯魚」は1989年7月にWinkの5枚目のシングルとして発売されました。
この曲は同年4月にパナソニック・ヘッドホンステレオのCMでWinkがワンフレーズを歌ったことから生まれたようです。
発売後すぐに人気に火がつき、オリコンのシングルチャートで週間1位を記録。
1979年度の年間ランキングでも7位となり、売上枚数は55.9万枚を記録するヒット曲となりました。
Wink「寂しい熱帯魚」の歌詞の意味を考察
それでは、なぜ淋しい熱帯魚というタイトルなのかを、歌詞の内容から考察していきましょう。
主人公の女性は、彼の優しい眼差しを思い浮かべながら、もしかしたら来てくれるかもしれない、「幻でもいい」のでとプールサイドで待っています。
胸がズキズキと震える彼女の淋しさが伝わってきます。
「星屑で髪を飾り」きっと夜になるまで待っていたのでしょう。
彼には仕事で遅くなり、デートに行けなくなった、とそんな理由を言われたのでしょう。
それでも来てくれるかも知れない。という想いが彼女をここに留まらせます。
「Heart on wave」ここのサビの部分はハローウェーと歌われ有名なサビの箇所ですが、英語でこのような言葉はありません。
ハートは心、waveは波という意味があります。
この後に「愛が揺れる」と書いてありますので、揺れる心、と言ったところでしょうか。
あなたが来ないのは分かっている。
遊びなのかもしれないけど、わたしがあなたを好きな事を冗談にしないで欲しい。
このような恋愛はきっと幸せになれない。それも何となく分かっているから・・。
なので、愛が揺れるのです。
「stop」これ以上好きになってはいけない、と。
淋しさと、彼との愛の間でゆらゆら揺れる表現が切ないサビです。
愛するあなたに可愛いと言ってもらいたくて着てきた花柄の水着。
1人で居ると目立つくらいには派手だったかも。
「Love me」私を愛して欲しい。
もしかしたら彼には別の女性がいるのかもしれません。
気を引くような目立つ水着で、私を見て、愛して欲しい。
待ち焦がれた心は「ジリジリ」熱く、プールに入ってしまうと彼がもし来た時に気が付かないから入らない。
でも、目立つ水着も待ち焦がれた心も隠したくてプールに入ります。
きっと彼はもう来ないから・・。
「あなたの理想(ゆめ)には追いつけなくて」とは何でしょうか。
歌詞を見ていくとこの女性は彼が来なくても待ち続けるほど彼を愛しています。
しかし、彼は「私の思慕(おも)いを冗談のように受け流すのです」
きっと彼はこの女性とは本気で付き合う気持ちでは無いのでしょう。
遊びで付き合っているだけ。何となく分かっているから心(愛)も揺れるし、これ以上好きになってはいけないと思うのです。
あなたの理想とは遊びで付き合っている状態を続ける事。
彼女も分かっているから追いつけないのでしょうと考察します。
でも、諦めて別れる事が出来ない。
苦しいけど彼の事が好きで、どうして私の心は「あなたじゃなきゃダメなの」と言っているのか。
分かっているけど諦められない心をゆらゆら夢心地で泳ぐように表現しています。
さて、冒頭に熱帯魚と言うタイトルがあるのはなぜなのかと書きました。
熱帯魚は、カラフルな色や変わった姿、キレイな見た目が人気の水槽で飼う魚です。
たくさんの種類の熱帯魚と混泳もされたりします。
彼女は彼からすると自分の水槽で泳がせている熱帯魚のひとり。
時々見つけては愛でるような愛情のもの。
私を愛して欲しいと水槽の中から彼を見つめても、優しい彼の眼差しは気が向いた時しか自分に向けられず、彼女は彼を待つことしか出来ないのです。
また、熱帯魚という言葉は夏の季語ともなっています。
そう読み解けば、歌詞の中のプールサイドや目立つ花柄の水着も、ユラユラ水の中に居るような表現は、まるで水槽の中の熱帯魚を思わせませんか?
また、作詞の及川眠子さんも、「寂しい」ではなく「淋しい」を使ったのも熱帯魚にちなんで・(さんずい)を使用した、とも言われています。
このように、哀しい恋愛を水槽の中の熱帯魚に重ねたのだろうと考察します。
まとめ
Wink「寂しい熱帯魚」の歌詞の意味を考察しました。
深く歌詞を見ていくと哀しい恋愛を歌っているこの曲ですが、Winkの2人が淡々と無表情で人形のように歌うので感情が伝わってきません。
踊りも、独特なのでそちらについ目が行ってしまいがちです。
でも、もし感情をもっと乗せてしまっていたら歌詞の方に目がいき、アイドルとしての歌の共感が出来なかったかも知れません。
このバランスが良かったのでしょうか。当時は小学生にも人気でした。
改めて聴くと以前とは違った意味でこの曲に興味を覚えます・・。
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