薬師丸ひろ子「メインテーマ」の歌詞の意味を考察!角川映画の主題歌 | カモシカおやじの趣味ブログ

薬師丸ひろ子「メインテーマ」の歌詞の意味を考察!角川映画の主題歌

昭和歌謡
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この記事は、薬師丸ひろ子「メインテーマ」の 歌詞の意味を考察します。

彼女は1980年代に「セーラー服と機関銃」を皮切りに多くの映画に主演。

主題歌を歌う女優・歌手としてヒットを生み出しました。

そんな薬師丸ひろ子「メインテーマ」の歌詞の意味を読み解いていきます。

 

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薬師丸ひろ子「メインテーマ」はどんな曲

【メインテーマ】

アーティスト:薬師丸ひろ子

作詞:松本 隆 

作曲:南 佳孝

リリース:1984年5月16日 (東芝EMI)

★チャート最高順位
週間2位(オリコン)、1984年度年間13 位(オリコン)

「メイン・テーマは、1984年5月に発売された薬師丸ひろ子の3枚目のシングルです。

彼女が出演の角川映画「メイン・テーマ」の主題歌になっています。

シングルの累計売上は累計51.2万枚ものヒットを記録しています。

 

薬師丸ひろ子「メインテーマ」の歌詞の意味を考察

自分が求めて愛した人と、唇を重ねた瞬間、ふと心に空っ風が吹き込むような、虚しさに襲われるのはなぜだろう。

そんな時に少女は、今の二人には何の意味も持たないものに心を泳がせる。

それは、ヘッドライトの向こう側で、小さく飛沫をあげる波だったり。

窓から吹き込む潮の匂いだったりするのだ。

 

幸福はいつも、光が眩しいほど濃い影を連れてくる。

まだ何も知らない子供でなければ、恋の喜びは、色褪せ、失うことの切なさ、哀しみと背中合わせであることに気づいているはずだ。

その哀しみを直視すれば、あっけなく砕けてしまう様な恋だから少女はわざと目をそらす。

視線をそらした先の、蝶のような波しぶきは、いつか愛した人がいなくなっても網膜に焼き付いているだろう。

 

そう思えるぐらいに少女は冷静だ。

だから、彼に甘い言葉は求めない。

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息を潜めて、こみあげてくる思いを飲み込むのだ。

もし私がこの台詞を口にしたら、彼はどんな顔をするだろうか?

「あなたを愛してるのは、あなたは私を決して愛さないからよ」

今しがたの口づけのように、私達の関係もあっけなく終わるだろうか。

 

孤独を味わい噛み砕くことは、少女が大人になるための通過儀礼のようなものだ。

私を愛して。そして突き放して、傷つけて。

矛盾する思いは、束の間、少女を幼い子供に戻す。

私を抱きしめて。私を離さないで。

 

彼が応えないことも分かっている。

だから少女は、男の溜息を無視することが出来ない。

子供じみたいたずらで、彼の眉根を寄せさせる。

悲しく、ささやかな抵抗だ。

 

 

口づけのあと、男が煙草に火をつけることが何を意味するのか、少女にはよく分かっている。

代わり映えの無い日常に戻ろうとする無意識の仕草。

その中に少女の存在は無い。

だから、少女は束の間、男から身を離す。

 

温もりを求めて手を振り払われるよりも、一人で寂しさを噛みしめた方が、傷口は小さくて済むからだ。

「深入りするなよ」男の忠告は、生温い優しさでくるんだ、ずるさがある。

今、こうして二人が唇を重ねているのは、本来、交わらないはずの二つの人生が、もののはずみで重なった焦点だ。

男は少女が、自分と同じ匂いをさせていることに気づいている。

 

満たされない寂しさを抱え、ふれあいを求めているのに、あたたかな心に触れようものなら背を向けて、拒んでしまう。

そんな娘に同情した。それは自分がとうの昔に捨てた感情でもあった。

失ったものへの懐かしさだったのかもしれない。

 

だから抱き寄せ口づけた。それだけのことだ。

胸にぽかりとあいた哀しみを持つ二人が、寄り添っても空白は埋まらない。

波打ち際を歩く少女は、暗い夜空に吸い込まれ姿もおぼろげだ。

その腕を取れば、終わりが透けて見えている恋に無駄な期待をさせるだろう。

 

ただ唯一、彼の目論見が外れていたのは、少女は最初からそんなものなど求めていない、ということだ。

愛が何なのかなんて分からない、分かりたくもない。

ただ潮風をいっぱいに吸い込んだ胸の中は、ひりひりと焼きついて傷を負っている。

この傷は麻薬だ。

 

涙はとめどなく流れるのに、唇を重ねても虚しいだけなのに、心に刻まれた切り傷は甘く愛しい。

彼のうわべの優しさを信じるほど、子供でも無い。

やりきれない歯がゆさ、寂しさは少女の心の底に沈み、凪いだ海のように静かだ。

いけないことをしている自覚はある。

心は、ぽつり、ぽつりと黒い染みを浮き上がらせているのに、少女の肌はなめらかさを増し、瞳は猫のように光を放つ。

 

手鏡を覗き込まなくても分かっている。

心に傷が増えるほど、傷跡が黒い染みに変われば変わるほど、少女は透明感を増していく。

物心ついたころから、爪先立ちで蜘蛛の糸をわたるように、汚れないように傷つかないように生きてきたつもりだった。

目に見えない壊れやすい、大切な何かを抱きかかえるようにして生きてきたつもりだった。

 

今、腕の中にあるのは夜風の冷たさに震える、頼りない体だけだ。

体も心も凍えて、冷え切っているのに、とめどなく流れる涙だけが熱い。

彼に出会うまで何も知らなかった訳じゃない。

背伸びをした訳でもなかった。

 

少女が生きてきた20年は決して短い時間ではない。

自分の気持ちに嘘をついて、何事もなかったかのように笑顔を作ることも学んできたはずだ。

それなのに、今の自分はまるで生まれたての赤ん坊に戻ったように、無防備な存在になってしまった。

もうすぐ彼はしびれを切らして、車から降りてくるだろう。

 

この曲のタイトルは「メイン・テーマ」だ。

でも一見、二人の恋に主軸になるものは見当たらない。

交わるはずのない線が一瞬、交差しただけだ。

しかし、その交差した一瞬のきらめきは、少女において充分に主軸になるものなのかもしれない。

 

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まとめ

薬師丸ひろ子「メインテーマ」の 歌詞の意味を考察しました。

「メインテーマ」は改めて聴くと本当に透き通るような声で心が洗われるように感じます。

薬師丸ひろ子は女優としてスタートした当初は歌は歌わないため、「歌わないアイドル」と言われていたようです。

しかし、本当は驚くほどの美声で角川映画の「セーラー服と機関銃」、「探偵物語」、「メイン・テーマ」、「Woman “Wの悲劇”より」などの主題歌を歌い大ヒットさせ、その後も活動を続けています。

 

女優としても歌手としても本当に素晴らしいですね。

これからも活動を見守りたいと思います。

 

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