欧陽韮韮「雨の御堂筋」の歌詞の意味を考察!ベンチャーズの調べが心にしみる

昭和歌謡
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この記事は、欧陽韮韮「雨の御堂筋」の歌詞の意味を考察します。

1971年発売のこの曲は、ベンチャーズ作曲の情緒あふれるサウンドに彼女のダイナミックな歌唱が相まって大人気となりました。

それでは、欧陽韮韮「雨の御堂筋」の歌詞の意味を読み解いていきます。

欧陽韮韮「雨の御堂筋」はどんな曲

【雨の御堂筋】

アーティスト:欧陽韮韮

作詞: 林春生

作曲: ザ・ベンチャーズ

リリース:1971年9月5日(東芝音楽工業)

★チャート最高順位
週間1位、1971年度年間18位、1972年度年間12位(オリコン)

「雨の御堂筋」は1971年9月に、アメリカのロックバンド、ベンチャーズの作品を台湾出身の歌手、欧陽韮韮がコラボレーションして発売された曲です。

ベンチャーズは親日家であり、「京都の恋」など、日本を題材にした名曲を生み出しましたが、この曲もいたるところに、大阪の名所が登場します。

昭和歌謡ならではの哀愁ただようマイナー調のなかにも、歯切れのよいロックチューンに仕上がっているのは、ニューミュージックが台頭する、1970年代という時代を表しているかのようです。

この曲は発売後、人気となり累計のシングル売上は約136万枚を記録しました。

 

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欧陽韮韮「雨の御堂筋」の歌詞の意味を考察

あなたは、大阪という街にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

メディアなどでとりあげられる、気取りのない人情味のある町、といったイメージが強いかもしれません。

 

大阪は、例えるなら幕の内弁当のような1日あれば、地下鉄で一周できてしまうような小さな街です。

しかし、そのなかに瓦屋根が連なる昔ながらの下町や、未来都市のような高層ビル。

戦前のクラシックな風景を彷彿とさせる歴史的建造物が立ち並ぶ、個性豊かな魅力がぎゅっと凝縮された街です。

 

そのなかでも御堂筋は、街の中枢である梅田から難波を貫く、大阪の大動脈ともいえる大通りです。

道路沿いには、堂々とした風格のある銀杏(イチョウ)の木が植えられ、年季の入ったビル群と好対照を成しています。

 

昼夜問わず、人々で賑わう御堂筋ですが、さすがに冷たい小雨の降る夜は、歩く人もまばらになります。

通りを彩る雨傘は、まるでフランス映画『シェルブールの雨傘』のオープニングのようです。

 

道を歩く人々は、皆、足早に家路を急ぎ、凍えながらとぼとぼと歩く女性には目もくれません。

彼女の頬を伝う涙は、雨粒と一緒に流されていきます。

 

だから、なおさら、誰も彼女に声をかけようとはしないのです。

まるで彼女の喉から漏れる嗚咽も、雨音が洗い流してくれると信じているかのように。

 

 

雨音は次第に強さを増していきます。

彼女がまとう羊皮のコートは、水気で焦げ茶色に変色し、ずっしりと重く、不快な感触を与えます。

脱ぎ捨てられるなら、脱ぎ捨ててしまいたい。

少しは気持ちも楽になるかしら。

赤いパンプスもすでにぐしょぐしょで、つま先の感覚はすでに無くなっていました。

ヘッドライトに背中を照らされながら、彼女はパンプスを片手にぶらさげ、また歩き始めました。

 

視線の先にあるのは、本町のトレードマークでもある卸問屋の並びです。

「船場に着物の卸が入った大きなビルがあるやんか。あの辺で見かけるわ。…少し痩せはったよ」

バーのママの呟きが、今も耳から離れません。

 

 

なんで本町なんか。

飲むんだったら、もうちょっと南に下れば難波の繁華街に出られるのにさ。

 

だってさ、家賃だってバカにならないのに。

衣服問屋に縁があるわけでもあるまいし。

ああ、そっか。女と暮らしてるんだ…。

 

私が探していたと知ったら、どんな顔をするだろう。

バカみたい。

あたしの「出て行って」なんて本音じゃないの、わかってるじゃないのさ…。

 

 

季節は年の暮れ。

大阪駅のある梅田から本町までは、歩いて40分ほどかかります。

ビル街の真ん中で、そう都合よく、男が暮らすアパートが見つかるわけもありません。

裸の銀杏並木は、夜の闇に黒々と浮かび上がり、見慣れた景色も、心なしか、おどろおどろしく思えてきます。

 

「御堂筋を歩くなら、やっぱり秋やなぁ。見てみ、ほら、銀杏がお日さんみたいな色してはる。あんたに見せたかってん」

 

彼の、やわらかく、はんなりとした訛りが耳に蘇ってきました。

彼女はその声に、ハッとします。

ああ、だから本町か。

本町、かつての船場は商人の町。

『大阪の台所』と呼ばれ、立派な大店が軒を連ねる街でした。

船場の商人が使う言葉は、おっとり柔和で優しい響きです。

 

「女みたいな喋り方するのね」

 

彼女がからかうと「あんたが、がさつなだけやろ。これだから東京の女は、よう好かん」と、むくれていた彼の、ほの白い顔。

 

彼女が飲みに誘うと、決まって「僕は、ええねん。堪忍」と苦笑いして首を振り、彼女が出かけるときは、おまじないのように「おはよう、おかえり」と送り出してくれた彼。

 

あなた、自分の元いた場所に帰ったのね。

私と出会う前のあなたに、戻ったのね…。

 

 

そう思えば、通りのそこここに、彼の気配が染み付いているような気がします。

 

大丸の建物が見えてきました。

レンガ造りの大丸は、今も昔も心斎橋のシンボルです。

 

心斎橋に入れば、街はネオンで輝き、たちまち華やかになります。

 

黒光りする歩道に、ぼんやりと街の明かりが反射しているのに気づき、ようやく彼女は顔をあげました。

冷たさが骨の髄まで染み入るようです。

 

このままじゃ凍え死んじまうわ。

熱燗でも飲んで、体をあたためよう。

そうよ。

 

大阪は、傷ついた女には、お節介なくらい優しい街だもの。

きっと誰かが、タオルの一枚くらい貸してくれるわ…。

 

 

笑顔の裏で、彼は何を思い、彼女のもとを去っていったのでしょうか。

確かなのは、かつての彼も、この御堂筋のアスファルトを踏みしめていたことだけです。

その時の彼は、彼女がついぞ知ることのない顔をしていたのでしょう。

 

戦前の大阪は、その繁栄ぶりから『大大阪』と呼ばれていましたが、モダンでクラシックな大阪の顔も、地元の人しか知らない貴重な表情かもしれません…。

 

まとめ

欧陽韮韮「雨の御堂筋」の歌詞の意味を考察しました。

大阪市を代表するメインストリートの御堂筋。

大阪の中心地の梅田から淀屋橋、本町、心斎橋を経て、難波へと続きます。

大阪の街を支える主要道路であるとともにイチョウなどの街路樹も美しく、年末の時期にはイルミネーションも飾られ、さらに魅力が増します。

 

歌詞の中の主人公の女性は、雨の降る夜、別れた恋人を探しに傘もささずに、泣きながら、あてもなく御堂筋を南へと歩を進めます。

彼の面影を偲びながら…。

歌詞だけを読むと主人公の女性の寂しく悲しそうな心の声が聞こえてくるような気がしてしまいます。

しかし、実際にこの曲を聴くと印象は違ってきます。

大阪の街の情緒を感じさせるメロディと欧陽韮韮のパワフルな歌唱からは、そうしたことには決して負けずに、前を向いて力強く生きていこうとする女性のイメージが浮かびます。

そうしたギャップのようなものもこの曲の魅力のひとつだと思います。

 

 

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