石川さゆり「天城越え」の歌詞の意味を考察!背徳の香りも魅力

昭和歌謡
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この記事は、石川さゆり「天城越え」の歌詞の意味を考察します。

1986年に発売されたこの曲は、伊豆の天城山を舞台にメラメラと燃える愛の炎を情感豊かに歌いあげ、彼女の代表曲のひとつになりました。

それでは、石川さゆり「天城越え」の歌詞の意味を読み解きます。

 

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石川さゆり「天城越え」はどんな曲

【天城越え】

アーティスト:石川さゆり

作詞: 吉岡治

作曲: 弦哲也

リリース: 1986年7月21日(日本コロムビア)

「天城越え」は1986年7月に石川さゆりのシングルとしてリリースされました。

同年末に行われた第28回レコード大賞の金賞に輝く名曲です。

この曲の歌詞を見た石川は当初、難易度の高さに戸惑ったそうです。

しかし、真摯に向き合い、歌詞を丁寧にすくい取り、抜群の歌唱で歌いあげました。

 

石川さゆり「天城越え」の歌詞の意味を考察

この曲のタイトルの「天城越え」。

伊豆と賀茂の境にある天城峠は、川端康成「踊り子」、松本清張「天城越え」などの文学作品の舞台になりました。

大自然に恵まれた、名高い温泉郷でもあり、多くの観光客がこの地を訪れます。

 

この曲の主人公の女性もその一人です。

愛する人の手を引いて、深い山間の里にある、古い小さな宿を訪れたのでした。

 

縁側の窓を開け放し、清流のせせらぎや小鳥のささやきにじっと耳を澄ませていると、雑多な都会に戻るのが億劫になってきます。

隣に腰かけた、彼の上着の襟元に頬を近づけると、柔らかな白檀の香りがしました。

 

先ほどまで、部屋に香を焚き締めていたからでしょう。

今度は、彼女は紬の着物の袖を鼻先に近づけました。

やはり、うっすらと白檀の香りがします。

 

私たちだけの香りね

男はそれには答えずに、上着の襟を気ぜわしく直しました。

もともと綺麗好きで神経質なところのある男です。

上着の下のシャツはいつも皺がなく、まっさらでした。

 

キビタキが鮮やかな黄色の腹をみせて、鳴き声するどく飛んでいきます。

誰にも汚されたくないわ。誰にも触らせたくない。

この香りが人除けになればいいのに。

 

今、先ほどまでの静かな心持ちが嘘のように、赤い炎がゆらりと立ち上がりました。

彼は、彼女の睨みつけるような視線を知ってか知らずか、素知らぬ顔で外の景色を見つめています。

 

彼がさらさらと流れる渓流なら、彼女はその脇に咲く、真っ赤に燃える躑躅(つつじ)のような女です。

相性が合わないのは、最初から分かり切っていたことでした。

しかし、人というものは、自分に無いものを持っている人間に惹かれてしまうものです。

 

主人公の彼女もまた、生涯、寄り添うことはできなくても、せめて心に一生残る思い出が欲しくて、無理を言っては、こうして数々の景勝地を旅したのです。

しかし、そのたびに些細なことでぶつかりあっては、「あんたを捨ててやる」と口走り、放っておかれては子供のように泣きじゃくり。

胸に刺さった硝子の破片は、数が増えていくだけです。

そのたびに、主人公の女性は、穏やかなぬくもりを求めました。

 

付け焼刃の優しさでは、心の傷が言えないことは百も承知なのに、そうでもしなければ、自分が惨めでやりきれなかったのです。

 

泣いたら、体が冷えたわ

彼女の震えて掠れた声に、男は後ろから、黙って彼女の肩を抱きました。

これまで、何度このような喧嘩を繰り返してきたでしょう。

 

全てを捨てる覚悟で彼を愛して、尽くしてきたつもりだった。

しかし、この男は「その愛が、僕には重い」と言う。

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全く、人を愛しぬくことは、けものみちを歩むようなものだ。

幾重にも曲がりくねったつづら折りを、延々と、愛という光を頼りに歩き続けるようなもの。

 

外の青紅葉が、ごうっと突然の風にゆさぶられ、うなりをあげます。

いつのまにか、小鳥のさえずりも鳴りを潜めました。

これが真っ赤な紅葉だったら、どれだけ映えたかしら。

 

彼女は、幼いころから秋が大好きでした。

山が燃えれば血が沸き立つ。紅葉を散らす風に心が躍る。

秋が寂しい季節と言ったのは、どこの誰だろう。

 

窓の外では、太陽を雲が覆い隠し、やがてポツポツと雫が落ち始めたかと思うと、勢いよく木の葉を叩き始めました。

男は静かに障子戸を閉めました。

 

季節外れのしぐれとは、このことだな

男は、彼女の肩に手を置くと、遠い目をして呟きました。

 

なあ、どうしたら、俺たちは幸せになれるのかね。

どうしたら、お前は満足してくれる?

 

もう諦めたわ。幸せになれなくったっていい、あんたさえいてくれたら良いの

共に地獄に落ちましょう。きっと美しい所よ。燃え盛る紅葉のように。

秋になったら、またここに来ましょうね。必ずよ、約束よ

哀願するような女の誘いに、男は答えませんでした。

 

滝の麓の山村が、一面、赤く色づくころ、果たして二人はどうしているのでしょうか。

それは誰にもわかりません。

男女の恋というものは、山の神様でもどうにもできないものなのです。

 

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まとめ

石川さゆり「天城越え」の歌詞の意味を考察しました。

何やら訳アリのような男女のカップル。

愛が成就することは無いよう感じがします。

それでも互いに惹かれており、逢瀬を重ねますが、上手くはいかないようです。

 

女性は幸せになれなくてもいいので共に地獄に落ちましょうと男性に死をほのめかす言葉を投げます。

あたかもそのことが二人にとっても「天城越え」のようです。

歌詞だけ読むと何やら背徳の香りもしてきますが…。

石川さゆりの素晴らしい歌唱により、言わずと知れた人々を感動させる名曲になっていますね。

 

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