この記事は、山下久美子「赤道小町ドキッ」の歌詞の意味を考察します。
1982年に発売されたこの曲は、ノリの良いサウンド、彼女の元気あふれる歌唱に多くの方が魅了されました。
それでは、山下久美子「赤道小町ドキッ」の歌詞の意味を読み解いていきましょう。
山下久美子「赤道小町ドキッ」はどんな曲
【赤道小町ドキッ】
アーティスト:山下久美子
作詞:松本隆
作曲:細野晴臣
リリース:1982年4月1日(日本コロムビア)
★チャート最高順位
週間2位、1982年度年間22位(オリコン)
「赤道小町ドキッ」は1982年4月に山下久美子の6枚目のシングルとして発売されました。
同年夏期カネボウ化粧品のキャンペーンイメージソングに採用され、山下久美子の初の大ヒットとなりました。
明るく弾けるような曲調のテクノサウンドと、ハスキーボイスがパワフルで夏にピッタリの曲です。
1982年度オリコン・シングルチャートでは年間ランキング22位、売上枚数は40.8万枚を記録しました。
山下久美子「赤道小町ドキッ」の歌詞の意味を考察
タイトルにある小町という名前は、小野小町という平安時代の女流歌人のことです。
彼女が美しい女性であったことから、美しいと評判の女性を表す言葉として使われます。
そして赤道は、地球の中心を通り、自転する軸に垂直な平面が、地表と交わる線のことで、経緯0度を表します。
また、赤道は地球の中央になるので、太陽の光をたくさん浴びることで気候が熱い地域となります。
このことからタイトルの「赤道小町」を想像すると、日焼けした素肌が魅力的で、注目を浴びるような美しい女性なのでしょう。
そんな夏と太陽に愛された女性に心を奪われた男性の心情を表した歌詞となっています。
主人公の男性は、赤道小町の女性に声をかけたり近づきたいと思ってもなかなか行動に移せないで、どうしようかと考えています。
女性は男性のことなど気にもしませんが、彼の方は目が合っただけで心臓が痛いほどドキドキしてしまいます。
歌詞は非常にテンポの良いものとなっていて、ドキドキ、ギザギザなどの擬音語(ぎおんご)や擬態語(ぎたいご)も多く使われています。
男性は彼女を目の前にするとまるでロボットになったかのように、ギクシャクしてしまうように感じます。
男性側は女性に声をかけよう、一緒に過ごしたいと考えるのですが、考えすぎて行動に移せない。
よほど彼女という存在に痺れてしまったのだと思います。
ヒューズが燃え尽きてしまうほどの高電圧の強い衝撃を受けて、一目惚れしてしまったのでしょう。
そんなアツい状況の中、彼女はプールに飛び込みます。
いや、それは男性が見た幻だったのか。
先程までの暑さを強調する歌詞の中、突然出てくる「青いプール」、残像という時が止まったかのような表現。
この曲を使ったカネボウ化粧品のCMでは「ひんやりサンデュー」という夏季限定で清涼感のある化粧品を宣伝していました。
CMのテーマは、火照った体を冷やす化粧水です。
「青いプール」と火照った体を冷やす化粧水とは良くマッチしていますね。
そして、歌詞はここから女性の美しさにのぼせてしまった男性がクールダウンしていきます。
突然、彼は彼女と自分が釣り合うのか、と考えてしまいます。
声をかけたとして誘いに乗ってくれるのか、きっと断られてしまうだろう・・
さっきは彼女と一緒に過ごせるかもしれないなんて、と考えたけれども鼻で笑われて終わるかもしれない。
先ほどの興奮していた心臓とは反対に、今度は不安から心臓がドキドキ。
あれほど興奮していた気持ちは冷静になり、今度は注意警報の非常ベルが鳴ります。
声をかけるのはやめた方がいい、危険だ。
痛い目を見るのは自分だよ、と言っているかのようです。
先ほどまでの妄想がガラガラと音を立てて崩れていきます。
気持ちが急速に冷めて現実に戻る男性が、まるでロボットが機能停止していくように表現されています。
初めは妄想で思考回路が爆発しそうでしたが、今は急速に思考がダウンしてしまっています。
歌詞を考察してみると、はじめの「ハートは 破けそうさ」というサビは彼女に惚れて、アツくなりそうだ、という意味です。
後半のサビでは同じ内容でも、冷静になって彼女に関わったら自分が痛い目を見そうだ、と言っているようです。
主人公の男性は、赤道小町の女性に出合い、一目惚れをして興奮しますが、彼女にアプローチする行動には移せません。
そうこうするうちに彼は、どう考えて見ても彼女と自分とはつり合いが取れない・・、と我に返ります。
結局、身動きが取れないままにこの恋は終わってしまいそうな雰囲気です。
結局、主人公の男性にとっては残念な話になってしまいそうです。
せめて、一度は彼女に声をかけて自分という存在がいることを知ってもらいたかったです。
しかし、それが出来ないということは主人公の男性が意気地がないか、または赤道小町の女性が声をかけられない程、美しく輝いて神々しかったのでしょう。
主人公の男性のメンツのためにも後者ということにしておきましょう。
まとめ
山下久美子「赤道小町ドキッ」の歌詞の意味を考察しました。
主人公の男性は、赤道小町の女性に出合い、ドキッと一目惚れをして興奮しますが、行動には移せないうちに冷静になり、つり合いが取れない、ダメだろうと諦めてしまう話でした。
もったいない話だなぁと思いながら、この曲をもう一度聞いてみました。
この曲の持つ明るさ、パワフルさを改めて感じ取ることが出来ました。
やはり彼女は軟弱な男性では難しいのかもしれません・・。
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