この記事は、沢田研二「危険なふたり」の歌詞の意味を考察します。
1973年に発売されたこの曲は、インパクトのあるタイトルですが、ノリのよいメロディとポップな曲調で大人気となりました。
それでは、沢田研二「危険なふたり」の歌詞の意味を読み解きましよう。
沢田研二「危険なふたり」はどんな曲
【危険なふたり】
アーティスト:沢田研二
作詞:安井かずみ
作曲:加瀬邦彦
リリース: 1973年4月21日(ポリドール)
★チャート最高順位
週間1位、1973年度年間5位(オリコン)
「危険なふたり」は、1973年4月に沢田研二の6枚目のシングルとして発売され、すぐに人気に火がつき、大ヒット。
1973年度のオリコン・シングルチャートでは年間5位、売上枚数は61.8万枚を記録しました。
沢田研二「危険なふたり」の歌詞の意味を考察
タイトルの「危険なふたり」とはどんな関係なのか・・。
主人公は年上の彼女がいる男性です。
2人は恋をしていたと過去形で書かれています。
彼女の方から別れを告げてきたようですが、男性の方は別れたくない・・、そんな歌です。
男性がこの年上の女性を本当に愛している事が分かるのが、最初に歌われる「美しすぎる」。
この表現に彼女の全てが表現されているのです。
もちろん見た目にも美人の年上女性なのでしょう。
しかし、男性は彼女の本音は別れようと言うけれども、心の中では本当は別れたくないのだと考えています。
別れようとの発言をした時、彼女は目を合わせることなく、心にも無いことを言っているのではないか。
そんな分かりやすい態度で別れを切り出すなんて、可愛いし、美しい。
また、この別れ話に繋がったのは世間がこの恋に対して異を唱えるからですが、この世間とはきっとお互いの両親たちや家族では無いでしょうか。
まだ保守的な古いしきたりなども残る1970年代・・。
年上女性と年下の男性との恋愛は将来の結婚のことを考えると家族から反対されることもあったのでしょう。
両親に挨拶をしに行って反対されたことがあったのかもしれません。
また、男性は結婚を諦めて彼から身を引こうとしている彼女の奥ゆかしさに、美しさを感じているのかもしれません。
それらを全部ひっくるめて「美しすぎる」と表現しているのではないでしょうか。
実際に歌を聴くと沢田研二が「美しすぎる」の箇所を強調して歌っているのでそのように勘ぐってしまいます。
今の20代や30代の男性は年上の女性と付き合っても良いと考えている人も多いようです。
年上の女性に対しては、甘えられそう、包容力があると思われるようです。
今、目の前にいて別れよう、と言葉にしている女性。
何気なく言っている割には彼の目には無理して見え、「大人の振り」しているように見えるのです。
そして、この恋を世間から責められてしまって疲れてしまった、そんな姿さえも彼は素敵だなぁと思ってしまうのです。
彼からしたら自分はこんなに愛しているのに、このまま振られてしまうのだろうか、という気持ち・・。
冒頭の歌詞「恋の旅をしていた」と言ったのは彼女です。
彼女が過去形で表現して、この恋を終わらせようとしている事に彼は危機を感じています。
別れたいと思っているわけではないだろう?本当の気持ちを教えて欲しい。
このような気持ちで、男性側の目線で歌われているので、(別れそうな)危険なふたり、というタイトルになっているのでしょう。
これは彼女の胸の内がしっかり掴めていない不安から来るものなのだと思います。
別れようと言った理由は親の反対にあったからなのでしょうが、本当に別れたいと考えてしまったのかは分からない。
彼女がこの恋に疲れてしまっているのも事実であり、もうこの疲労から逃れたいと考えていたのかもしれない。
だから本当のことを知りたい・・、と歌詞の最後に続くのです。
この男性にとってやはりこの女性は甘えられるし、支えになってくれていた存在なのだろうと思います。
自分がもし年上だったら、彼女にこんな思いはさせる事は無かったのに。
何故、彼女は世間の声をこんなに気にしてしまうのだろうか。
そんなにも二人の関係は脆いものだったのか、と歯がゆい想いを抱えて立ちすくんでしまいます。
この男性は心の底では、この恋は終わったなぁと思っているのでしょうけれども、なんとも言えない無念さが漂います・・。
まとめ
沢田研二「危険なふたり」の歌詞の意味を考察しました。
主人公の男性には年上の美しい彼女がいましたが、彼女の方から別れを切り出されてしまいます。
しかし、彼女の表情からは・・、何か無理をしているようにも見えてしまいます。
世間の目を気にすることにより自ら身を引こうとしている彼女の姿に男性はより魅力を感じます。
しかし、なんともしがたい状況に男性は歯がゆい気持ちで、ため息をつくのが関の山と言った感じです。
男性の切ない気持ちを沢田研二の甘くセクシーな歌声で歌い上げるこの曲は、今聴いても古臭さを感じさせずとても魅力的です・・。
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