この記事は、はしだのりひことクライマックス「花嫁」の歌詞の意味を考察します。
1971年に発売されヒットしたこの曲は、結婚式ソングの定番の一つとして当時は絶大な人気がありました。
それでは、はしだのりひことクライマックス「花嫁」の歌詞の意味を読み解きましよう。
はしだのりひことクライマックス「花嫁」はどんな曲
【花嫁】
アーティスト:はしだのりひことクライマックス
作詞: 北山修
作曲: 端田宣彦・坂庭省悟
リリース:1971年1月10日(東芝音楽工業)
★チャート最高順位
週間1位、1971年度年間7位(オリコン)
「花嫁」は1971年1月に発売された、はしだのりひことクライマックスのファーストシングルです。
メンバーははしだのりひこ、藤沢ミエ、中嶋陽二、坂庭省悟の4人のフォークグループです。
発売後、人気となりオリコン・シングルチャートでは1971年度年間ランキング7位、売上枚数は60.5万枚を記録しました。
はしだのりひことクライマックス「花嫁」の歌詞の意味を考察
この曲は結婚式ソングとしても有名ですが、歌詞の内容は駆け落ちをテーマにしています。
当時ならではの「夜汽車」というフレーズ、駆け落ちと言うテーマにもかかわらず明るいイメージのこの曲の歌詞を考察してみたいと思います。
「花嫁は」から始まるこの歌。
冒頭に駆け落ちをテーマにしていると書きましたが、それがよく分かる箇所が「夜汽車」です。
新幹線が普及した現代ではもう日常的に使われるものではなくなりましたが、当時は夜行列車と言って日をまたいで夜中に移動して目的地に着く、という列車がありました。
この事から、夜汽車に乗るということはこの花嫁が夜通し列車を走らせて着くところに嫁いでいく。
そして、歌詞からはかなり遠い海辺の町と言う事が分かります。
今後、どんなことがあっても帰らないし、帰れないという決意。
そこから駆け落ちなのだと分かりますね。
歌詞の中で少しだけネガティブそうに聞こえるのは、「帰れない」言う箇所と「何もかも捨てた」所でしょうか。
故郷ですから家族、友人との別れは未練が無いわけではないのでしょう。
もちろん皆が祝福してくれればこんな事はしなかったのに・・。
そう思っているところがあるのかも知れないと思います。
夜行列車に女性が1人乗るということはよっぽどのことがなければ、当時でもなかったことでしょう。
悲壮感さえ漂いそうな状況ですが、そうしたことを感じさせないのは、メロディも明るく、曲調も花嫁を載せた夜汽車がスイスイと走っていくようなリズム良い感じだからでしょう。
荷物は少なく、持ち物もほとんど無い女性は、花嫁衣装も無く、代わりに持ってきたのは野菊の花束。
これは歌詞の中で唯一花嫁として印象付けるものです。
ブーケとして花嫁自身が摘んで作ったものだと思われます。
道端に咲いていた花しか用意できなかった。とも考えられますが、野菊の花言葉は「清爽」です。
清く爽やかなこと。さっぱりして気持ち良いこと。と言う意味があります。
この意味も含めて考察すると周囲から反対されたこの結婚ですが、それでも命を燃やすほどの恋を実らせようと家を出た。
今の気持ちはとても爽やか・・。
また、清爽には活力とエネルギーを与えるという意味、心のわだかまりがスッキリ無くなると言う意味もあります。
家を出て彼の元へ行く女性は家族から開放された爽快感とこれからの希望に溢れている、そのように感じます。
野菊の花言葉も合わせて考察すると、「命かけて燃えた恋」まるで生まれ変わったかのように爽やかで絶対に幸せになるんだという強い希望を表しているのでしょう。
そしてこの歌詞には私という一人称が使われていないので第三者目線で歌っているようにも聞こえます。
まるで物語を読んでいるかのような感じですね。
あくまで「花嫁」のことを歌っていますが、「あの人」とも書かれていること。
語尾が女性的な書き方なので花嫁自身の歌とも取れますが、ここから考えられることは花嫁の身近な協力者が居たかもしれない。
何もかも捨てて故郷を離れる花嫁ですが、応援してくれた人が居たのかもという事です。
それは家族の中で反対してない母親や妹、姉が居たかも知れないし、友人かもしれない。
夜行列車をこっそり見送ってくれた人が歌ったものだとしたら・・。
こっそり見送ってくれた存在の後押しに勇気づけられ、男性の元へ向かう。
見送られた「花嫁」にとってとても幸せなことでしょう。
そんな第三者としての存在が想像できます。
この曲を嫁ぐ花嫁を祝う友人、知人の立場で聴くと何とも応援したくなり感情移入しやすいですね。
このあたりが結婚式ソングとして歌われる理由のひとつなのでしょう。
まとめ
はしだのりひことクライマックス「花嫁」の歌詞の意味を考察しました。
生まれ故郷を離れ、ひとり夜汽車に乗って、彼の待つ遠い海辺の町へと向かう主人公の女性。
野菊の花束を持ち、「命かけて燃えた恋」の成就のために・・。。
形の上では駆け落ちですが、彼女の心はすっきり、清々としています。
思わず頑張ってねと応援したくなるような内容です。
現代は交通手段や通信なども発達し、このような状況も少なくなってしまったような感じがします。
古き良き昭和の歌、懐かしく響くこの曲ですが、歌詞の中の「命かけて燃えた恋が結ばれる」。
この想いは今の若い人達にも通じる普遍的なものですね・・。
今、聴いても本当に良い曲だなぁと改めて思わせてくれる一曲です。
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