この記事は、ピンク・レディー「渚のシンドバッド」の歌詞の意味を考察します。
1977年6月に発売のこの曲は、曲と共に特徴のある振り付けも魅力的で、多くの方が真似をしました。
それでは、ピンク・レディー「渚のシンドバッド」の歌詞の意味を読み解きましょう。
ピンク・レディー「渚のシンドバッド」はどんな曲
【渚のシンドバッド】
アーティスト:ピンク・レディー
作詞:阿久悠
作曲:都倉俊一
リリース: 1977年6月10日( VICTOR)
★チャート最高順位
週間1位、1977年度年間1位(オリコン)
「渚のシンドバッド」は、1977年6月に発売されたピンク・レディーの4枚目のシングルです。
作詞・作曲は彼女らの多くのヒット曲を手がけた阿久悠、都倉俊一のコンビです。
オリコン・シングルチャートでは1977年度の年間ランキング1位、売上枚数は94.0万枚を記録しました。
ピンク・レディー「渚のシンドバッド」の歌詞の意味を考察
この曲の歌詞には「シンドバッド」と呼ばれる浮気な男性が登場します。
先ずは、シンドバッドとは何者なのかを調べてみます。
シンドバッドとは、千夜一夜物語(アラビアンナイト)に出てくる主人公の1人で、アラビア語で「インドの風」という意味があるそうです。
イスラムの商人で船で7回の勇敢な大冒険をする人物として書かれています。
さて、歌詞の中のシンドバッドは浮気者。
場面は海水浴場。ここでは船乗りではなく波乗り。
あらゆる美女に声をかけます。まるで風のようにあちらこちらと回る男性。
かなりフットワーク軽い男性のようです。
そんな中、主人公の女性にもまるで服の販売員みたいに「ビキニがとってもお似合いです」と肩を抱いてきます。
女性は、馴れ馴れしいわ!とは言ってはいますが・・。
冒頭の歌詞からすると、本当は声をかけて欲しくて、彼の行動を気にしてずっと見ていたのではないかと思われます。
軽くキスされたのかしっかりキスされたのかは書かれてませんが、「シンドバッド」と呼ぶ男性は逞しく、イケメンでセクシーで巧みに唇を奪って主人公の女性にキスをしたようです。
千夜一夜物語のシンドバッドはひとつのところに留まらず、7つの冒険をしました。
彼女は勇敢で逞しいミステリアスなおとぎ話の主人公と目の前の浮気な波乗りを重ね合わます。
「シンドバッド」と呼んだのは、千夜一夜物語(アラビアンナイト)のエキゾチックな雰囲気を彼に重ねた、彼女独自の表現ですね。
キスをしただけで「いちころでダウン」した彼女は噂は知っていてキスをしたという事にもなります。
嫌なら話もしないですし、早業だろうと拒否しますよね。
浮気な彼に一夜限りの関係を期待してしまうのかもしれません。
そんな彼の波乗りテクニックは、かなりの腕前です。
噂になるほどの男性はイケメンで、なおかつ波乗りも上手でないとここまで渚で人気者にはならないでしょう。
見ている人々が拍手をします。
「キッスの嵐」ありますが、ここはこのシンドバッドに向けて女性達がキスをせがむのだと解釈します。
またはシンドバッドに向けて投げキッスをしているでしょうか。
彼はあちらこちらのパラソルの下にいる女性達にウインクで返します。
そして主人公の女性に近づきこう囁きます。
「夜ふけになったらあなたの部屋へしのんでいくよ」
キッスの嵐をそう解釈すると、今日は君が俺の特別な人なんだ。
と言わんばかりのセリフになると思います。
彼女も、彼のひと夏の武勇伝のひとつになるだけだと分かっていると思いますが・・、それは割り切っているのでしょう。
彼の噂も知っているし女性を口説くテクニックも本気じゃないと分かっているから腹がたつのだと思います。
波乗りも、女性を口説くテクニックもあざやかなのです。
しかし、そんなテクニックや、雰囲気はわかっていても「あなたにおぼれてしまう」彼女なのでした。
それにしても、シンドバッドは泥棒では無いのですが、女性の心を盗んでしまうことろはやはり、泥棒といえそうですね。
千夜一夜物語の中にある「アリババと40人の盗賊」や「アラジンと魔法のランプ」などのイメージも含め、彼の名前に「シンドバッド」を使ったとも考えられます。
「渚のアリババ」「渚のアラジン」では何となく曲が流行らなそうですよね。
シンドバッドの勇敢で逞しいイメージ、千夜一夜物語(アラビアンナイト)のミステリアスかつ、エキゾチックな雰囲気などをまとめて、「渚のシンドバッド」というタイトルにしたのだと考察します。
おとぎ話のシンドバッドは冒険譚を故郷に帰り語る、というお話です。
彼女もまた千夜一夜、「シンドバッド」とのひと夏の武勇伝となるのでしょうか・・。
まとめ
ピンク・レディー「渚のシンドバッド」の歌詞の意味を考察しました。
夏の海、浮気な男性「シンドバッド」の本性を知っていてもつい心惹かれていってしまう主人公の女性の心情を描いた内容でした。
「渚のシンドバッド」は、同じく後に発売された「UFO」と共に大ヒットした上に振り付けが有名な曲です。
ハイヒールで踊るセクシー2人は素敵ですが、真似しようと思っても雰囲気を出すのはなかなか難しいですね。
彼女達の振り付けも歌も当時は、多くの人が覚えたものでした・・。
改めて聴いてみると、とても元気をもらえる曲であると感じました。
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