ちあきなおみ「喝采」の歌詞の意味を考察!ドラマチックな歌詞の魅力

昭和歌謡
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この記事は、ちあきなおみ「喝采」の歌詞の意味を考察します。
1972年第14回日本レコード大賞の大賞受賞曲のちあきなおみ「喝采」。

歌詞もメロディーもそれを歌い上げるちあきなおみの歌唱力もどれも素晴らしいです。
まさに誰もが認める昭和歌謡の名曲中の名曲です。

そんな、ちあきなおみ「喝采」の歌詞の意味を読み解いていきます。

ちあきなおみ「喝采」とはどんな曲?

【喝采】

アーティスト:ちあきなおみ

作詞:吉田旺

作曲:中村泰士

リリース: 1972年9月10日( 日本コロムビア)

★第14回日本レコード大賞・大賞受賞(1972年)

ちあきなおみ「喝采」は 1972年9月に発売された13枚目のシングル曲です。

発売直後からヒットし、翌年にかけてオリコン集計で80万枚のセールス、通算では130万枚を記録しました。

1972年の第14回日本レコード大賞では見事に大賞を受賞しました。

ちあきなおみは、1992年に芸能活動を休止しています。

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ちあきなおみ「喝采」の歌詞の意味を考察

昭和を代表する名曲「喝采」は、まるで一つの映画を観たかのような楽曲です。

実際にこの曲と同じ体験をしたことがある人は数少ないはずなのに、聴く者すべての心にその情景がありありと実体験のように映し出される、そんな名曲です。

 

主人公の女性は、歌手です。

スポットライトを浴び、恋愛歌を歌っています。

そんな彼女に電報が届きます。

手に取ってみると「黒いふちどり」がしてありました。

それは、かつての恋人の訃報を報せるものでした。

 

彼女には3年前の記憶が鮮明に蘇ります。

歌手になるという夢を叶えるため、上京することを決めた彼女。

恋人は最後まで反対し引き留めますが、彼女の決意は固く、彼の手を振り解き、ひとり東京へ向かう汽車に乗ったのでした。

 

彼女は歌手として成功し、3年の間、彼と連絡を取り合うことも、故郷に帰ることもありませんでした。

この曲に出てくる故郷は、キリスト教徒の多い九州の地方都市ではないでしょうか。

実際に、この曲の作詞家である吉田旺氏は、自身の故郷である福岡県をイメージしてこの曲を作ったそうです。

 

彼女はこの町で生まれ、この町で育ちます。

いつ見ても、どこへ行っても代わり映えがしないこの町。

ここではないどこかへ行きたい。

彼女はこのまま一生ここで暮らすことを望んではいませんでした。

 

海で隔てられた九州の地というのは、物理的にも精神的にも容易に他所へ飛び出せないような、ある種の閉塞感があるのかもしれません。

 

歌が好きだった彼女は、東京で行われたオーディションに参加し、有名な作詞家にその才能を見出されます。

そして、もしも本気で歌手を目指す気があるのなら、自分が指導をしても良いと言われます。

彼女はきっと、人生が開けたように感じたでしょう。

 

恋人との堅実な生活よりも、自分の可能性に賭けて、夢に向かって生きることを選択したのです。

 

喪服姿の彼女が3年ぶりに降り立ったのは、彼と別れたあの駅でした。

天気の良い午後だというのに、人もまばらなさびれた町です。

その景色は、3年前と何も変わっていません。

どの道を通ったか、たどり着いた教会の前で、彼女はしばらく立ち尽くしていました。

彼女はただただ茫然自失として、祈りの言葉もお悔やみの言葉も見つからずにいました。

 

彼との再会がこんな形になるなんて考えてもいませんでした。

自分と別れたあと、どんな暮らしをしていたのか。

新しい幸せを見つけたのか。

自分を恨んではいなかったか。

自分の歌を聴くことはあったのか。

別れたあとの彼のことは何も知りません。

古い教会の外壁には、蔦が張り付いています。

どれくらいの時間立ち尽くしていたでしょうか。

気づけば頭上にあった太陽の位置は少し低くなり、教会の壁に映る影の長さが変わっています。

 

教会の待合室には、数人の参列者が座っています。

彼について話せるような共通の知り合いはいません。

彼女はひとり座っています。

 

暗く静かな待合室には、ラジオか有線か、音楽が流れています。

うつむく彼女の耳に、彼女の歌が流れてくるのでした。

 

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そして彼女はまた、華やかなステージへと戻ります。

眩しいスポットライトを浴びながら、今日も恋の歌を歌っています。

 

上京してからの3年間で、彼女は誰もが名前を知る歌手になりました。

それこそ寝る時間もないほどに忙殺される日々を過ごしています。

彼女の歌う恋愛歌に、人々は自分の恋愛を重ね共感し、感動します。

 

人から見れば、恋の歌を歌う彼女は、きっと恋愛の何たるかを知っているかのようでしょう。

でも実際には、自分の夢のために、愛してくれた男性を捨てたのです。

恋を選択しなかった彼女が、恋の歌を歌っているのはどこかアイロニックです。

 

待合室に流れる彼女の恋の歌は、なんとも無機質で、その歌詞ひとつひとつは心に留まらず、自分の横をすり抜けるかのように通り過ぎていきました。

 

この曲は、歌詞の中で明暗のコントラストが随所に使われています。

『教会の白い壁』と『喪服のわたし』

『スポットライトを浴びるステージ』と『教会の暗い待合室』

そして『恋の歌』と『死』。

 

彼女が浴びるスポットライトが眩しければ眩しいほど、そして観客からの喝采が大きければ大きいほど、聴く者にとっては、彼女の喪失感や孤独感、自責の念が際立って感じられるのです。

それはなんと切なく哀しいことでしょうか。

 

それでも彼女は歌い続けるのです。

歌い続けることは、彼女ができる唯一の彼への罪滅ぼしであり、そしてまた、彼女の十字架なのかもしれません。

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まとめ

ちあきなおみ「喝采」の歌詞の意味を考察しました。

聴くたび、なんとドラマチックな曲かと思います。

恋人のいる故郷を後にして、歌手を目指して旅立った「わたし」はスポットライトを浴びて歌を歌えるようになったけれども同時に大切なものも失ってしまった。

そして彼のためにせめてできることが、歌を歌い続けることだと…。

女性というのは時に利己的です。
自分を捨てた男には不幸であってほしい。

しかし、自分が捨てた男には、どうか幸せであってほしい。それが免罪符となるから。

この曲からは、自ら別れを告げたかつての恋人の死という不幸が、どこか因果なものに感じられ、彼女の心のうちにある整理できようもない宿命的な感情がありありと伝わってきます。

ちあきなおみがこの「喝采」で第14回日本レコード大賞を受賞したのは1972年のこと。
受賞時の彼女は涙を堪えながら、見事にこの曲を演じきりました。まさに歌う女優です。

 

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