この記事は、うみへび座の特徴や神話、見頃の時期や変光星うみへび座V星を紹介します。
うみへび座はギリシャ神話のヒュドラという怪物が天に昇り細長く横たわる星座です。
あなたもこれを読めば、うみへび座の特徴や神話、見頃の時期や変光星V星を知ることが出来ます。
うみへび座の特徴、見頃の季節は?
全天で一番大きな星座をご存じですか?
3位「おおぐま座」、2位「おとめ座」、そして1位は「うみへび座」です。
うみへび座は春の星座といわれています。
大きな星座ですが微かに赤い2等星のα星アルファイド以外は、3等星以下の暗い星です。
見つけ方のポイントは、しし座のレグルスを目印に西南に視線を下していくと、小さい星が5つ集まり5角形を作っています。
かに座の南西からもこの小さな5角形が見つかるはずです。
これが“うみへび”の頭の部分です。
ここから、おとめ座、てんびん座の方向に細長い体が続きます。
途中2等星のα星アルファルドが輝いています。
このウミヘビの心臓に当たる星で「孤独なもの」という意味があります。
周りに大きな星がなくポツンと輝く姿から付いた名前です。
アルファルド「孤独な心臓」から西に頭が、東に体が大きく伸びています。
大きな星座だけに、全体を見るにはタイミングが重要。
見頃は、4月上旬であれば21~22時頃のわずかな時間。
5月中旬までなら20時頃の南の空にうみへびの全体が現れます。
頭が出て尻尾の先端が現れるまでに約6時間近くかかるという大きな星座。
一度はタイミングを見計らい全体を見てください。
大きなうみへび座は、背中にカラスやコップ、六分儀(ろくぶんぎ)の星座を乗せています。
近くにはカニ、しし、おとめ、てんびんなど多くの星座たちも一緒です。
うみへび座のギリシャ神話は?
うみへび座は星座図をみると、まさに大蛇!といった感じに星空に横たわっています。
実はこのうみへび座はヘビではなく、頭が9つあるヒュドラという怪物です。
ギリシャ神話でヘルクレスの12の試練の1つでヘルクレスに退治されてしまった、怪物ヒュドラ(ヒドラ)。
退治された後も、その毒はヘルクレスの必殺技のアイテムとして活用されました。
死してもなお、人々に恐れられたヒュドラ。
その最期までには、どんなストーリーがあったのしょう。
うみへび座となったヒュドラは、りゅう座となったラドーンの弟。
父は怪物デュポン、母はエキドナと怪物一家に生まれたチャキチャキの怪物っ子です。
兄のラドーンとは離れていますが、星空で仲良く星座になっています。
ヒュドラと兄ラドーンの会話に耳を傾けてみましょう!
おーい、に〜ちゃ〜ん!オイラはこっちだよ!
おお、ヒュドラ〜元気か?おや、星座になって頭は1つか!
なかなかイイではないか?しかも全天で一番デカイとは吾輩も嬉しいぞ
ごめん兄ちゃん。ヘルクレスがオイラの毒で兄ちゃんまで…
オマエのせいではない。こうして我らは共に星座になったじゃないか。しかし、あんなに強いオマエが何故…。
オイラは泉の洞窟にいたんだ。
オイラが息をすると…特に咳やクシャミ、アクビやため息なんかもハ〜ってやると、臭い毒の息出るんだ。
オマエまさか歯周病?もしくはどこか病気だったのか?
失礼だなぁ、歯周病でもなければ、全く健康だよ〜。
オイラの毒の息で泉に人間が来られないし、毒に当たって死ぬ人がいるって噂になって、王様がヘラクレスに退治を命じたんだ。
話し合いもなく?ヒドイな、それは。
だが、オマエには毒の息と再生する首、メインの首は半ば不死だ!
なのにどうして…
聞いてくれよ、兄ちゃん!グズッ…。
完全防備で襲ってきたヘルクレスに、切られた首を速攻再生させて応戦したよ。
ヘラクレスもかなり手こずった。そうしたら、ヘラクレスの荷物持ちでやって来た奴の甥っ子イオラモスが…賢くてさ。
“水に棲んでるからには火に弱いんだ!切り口を僕が焼いて回るから!”とか言って、再生前の切り口を焼いて回ったんだ。
酷いだろ?その上、最後に残ったメインの首に大岩を打ち付けて、頭ガツーンされて、生き埋めだよ。さすがのオイラもジ・エンド!
それは、ひどい!!
だろ〜?その上、女神アテナがヘラクレスに妙な入れ知恵してさ。
オイラの体を解体して血や胆汁とか摘出して調合した毒は無敵だ!とか言いやがって。
オイラの体は余すことなく使われたんだ。その毒がまさか、多くの怪物仲間や兄ちゃんまでの命を取るとは…
もう気にするな、弟よ…誰も味方はいなかったのか?
いたよ!カニのカルキノス、同じ泉の住人。
オイラに加勢しようとそっとヘラクレスの足元に近づいたんだけど、即踏べりッと踏みつぶされて…。
いいやつだった。もっと仲良くなりたかったんだけど。オイラ、兄ちゃんと同じで笑えない生き物だろ?少し怖がられていて。
それなのにカルキノスはオイラの力になろうと…今、かに座となってくれたことが、せめてもの救いだよ
我々は哀しい性分だな。
吾輩も顔がコワイって、いつも熊の親子にバカにされている。
でも、今は友達もできた。
背中にカラスとかコップとか六分儀とか乗せて星の海をゆったり泳いで楽しいよ。
カルキノスもオイラの前にいてくれるし。北の空に兄ちゃんもいるし。
それにヘルクレスも結局、オイラの毒で命取りになったろ?誰かを傷つけたら、自分にも返ってくるのさ!
カラスはさておき、コップと六分儀はモノでは…。
しかし、お前が友達と言うならそうなんだろう。
友達になりたかったカニも側にいて、幸せだな
オイラ、もう孤独じゃないよ。大きさも幸せも全天で一番だぜ!
神様~ありがとう!
やっぱりオイラ、天空の余った場所の隙間埋めに作られたわけじゃないよね~?!
半規則型変光星のうみへび座V星とは?
うみへび座V星は明るさ(等級)が変化する半規則型変光星と呼ばれる変光星です。
約530日の周期で明るさが6.0等級から12.3等級へと変化していきます。
また星のステージとしては既に年老いた赤色巨星です。
2016年、NASAの望遠鏡が地球から1200光年彼方にある、うみへび座のV星から発せられた巨大なプラズマの火の玉をとらえました。
まるでSF映画の1シーンのような光景です。
この火の玉、通称「キャノンボール(大砲の弾)」。
観測・研究の結果、大きさは火星の倍もある大きさで、約8.5年に1度、おそらくさかのぼること400年間ずっと発生し続けていたといいます。
膨張した星のエネルギーがV星を公転する伴星と接触することで巨大なキャノンボールを発生させるようです。
キャノンボールの移動速度は太陽から地球までの距離をわずか30分で通過できるほど!
この先、キャノンボールはいつまで発生するのか?
すでに星の晩年を迎えた赤色巨星がどうなっていくのかは分かっていませんが、この経過も宇宙の解明に繋がっていくのでしょう。
まとめ
うみへび座の特徴や神話、見頃の時期や変光星うみへび座V星を紹介しました。
うみへび座は全天で一番大きな星座として知られますが、2等星のα星アルファイド以外は、3等星以下の暗い星からなる星座です。
ギリシャ神話ではうみへび座は海蛇ではなく、怪物ヒュドラ、ヒドラとも呼ばれ、頭が9つある怪物です。
ヒュドラは毒の息と切られても再生する首を持つ怪物ですが、英雄ヘラクレスに退治されてしまいます。
ところで、ヒドラという生物が地球上にも存在します。
ヒドラは1㎝ほどの体長で触手を持つ生き物です。
中でも淡水のヒドラは一部を切って破壊しても暫くすると再生し、群れを作らずとも単独で繁殖出来るといいます。
触手には毒を持ち、神話の中のヒュドラにソックリ!この生物「ヒドラ」の名前の由来は、神話の「ヒュドラ」だといいます。
そして、この小さな生物に人間と同じ遺伝子も多く発見されています。
宇宙だけでなく、地球の生物にもまだまだ謎がいっぱいです。
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