この記事は太陽の特徴や太陽神アポロン、アマテラスにまつわる神話を紹介します。
太陽は私たちだけでなくすべての生命が生きていくうえで欠かせない大切な恒星ですね。
あなたもこの記事を読めば太陽の特徴や太陽神アポロン、アマテラスにまつわる神話を知ることができます。
それでは万物を生かすエネルギーを放つ太陽と太陽神について紹介しましょう。
はじめに
太陽は太古の時よりいつも変わることなく輝いています。
明治時代、女性解放運動の先駆者といわれた平塚らいてうが「元始女性は太陽であった」という文芸誌『青鞜』創刊に寄せた言葉があります。
これには、遥か太古の昔、女性は太陽のように人々を育み見守り、自ら歩み自ら輝やいていた。
これからの時代は女性もそうあるべきだ、という平塚の思想、願いであったのでしょう。
確かに…日本の太陽神「天照大神」も女性、邪馬台国の女王「卑弥呼」も太陽を崇拝していたといわれます。
日本の太陽の象徴は女性ですが、世界の太陽神の半分以上は男神。太陽は力強い“男”とするイメージがあります。
では、そんな太陽についてのお話をしましょう。
太陽はどんな星、特徴は?
太陽、英名THE SUN(サン)。太陽は地球を含むすべての太陽系天体の長。
まずは、太陽のプロフィールから紹介しましょう。
誕生は約46億年前。寿命はだいたい100億年といわれています。
人間の一生にたとえたら、ちょうど人生の半分に差し掛かり、知識も経験も充分蓄えた働き盛りです。人生の折り返し時点とも言えます。
直径は約139万㎞。(地球の約109倍)
表面温度は約6000℃。中心部は16000℃と言われています。
太陽のほとんどはヘリウムを中心としたガス!
中心核の上には放射線層、光球、そして大気である彩層、コロナなど様々な層はありますが、ほぼガスです。
重さは…あまりに途方もなく、簡単にいえば、地球の33万倍。
地球までの距離は約1億5000万㎞。
太陽まで行けるとすれば、最速の飛行機なら約17年、新幹線だと約60年…、徒歩なら2000年以上です。
この場合、個人差はありますが人生80年歩くとして…最低でも25回は生まれ変わり歩き続けない限りたどり着けません。
今後、太陽は次第に大きく膨らみ赤色巨星になり、蓄えたガスを放出し、小さな白色矮星になります。
太陽神アポロン、ヒュベリオン、ヘリオスとは?
太陽は世界中の国や各宗教で、最高位に祀られた神となっています。
多くの場合、太陽を司る神は何柱か存在します。
そして時代と共にその中から1柱、代表的な太陽神が誕生します。
ギリシャ神話の太陽神はアポロンとされていますが…。
実は最初からアポロンだったのではなく、ヒュベリオン、ヘリオス、そしてアポロンです。
アポロンの初期設定(?)に他の神の要素が融合、同一視され、現在のアポロン神となりました。
では、3柱それぞれの太陽神討論を聞いてみましょう。
ヒュベリオン
ワシがヒュベリオンじゃ。そもそも最初の太陽神はこのワシ!
当然、太陽神の名はワシの名、ヒュベリオンに決まっとるじゃろが!
ワシは、創生の女神ガイアと天空神ウラノスの息子。
神々創生スタメンの1員。まずは、太陽が無きゃ人間どころか、神話だって生まれない。
が、しかし…兄弟は怪物じゃ。
両親がワシに次いで生んだのが、キュプロスとかギガスとかヘインカトルとか…父が皆、幽閉してしもうたのは、奇妙で凶暴だし人に好かれんし、と思うてのこと!
確かに父の強引なやり方も賛否両論あり真意は別かもしれんが…。
そんな身の上では太陽神の出生としてどうか?と言うものもおるが…。神の姿なんて様々じゃ。不貞をはたらくよりよかろう。
ヘリオス
オレこそ太陽神だ。
オレは毎朝、妹の暁の女神エオスの先導で太陽の馬車で天頂に昇り下界の様々を監視して夕方地平に帰る。
夜は夜で今度は妹、月の女神セレネが代わって地上を監視。
誰が何をしても全てサラっとお見通し!
神々だって容赦はしない。デメテルの娘がハデスに誘拐されたことも、アフロディーテとアレスと浮気も全部公表!
神なのに嘘とか騙しはダメだろう?
他にも聞かれれば白黒ハッキリ太陽の下に真実を明らかにする!
…そんなオレを「チクり魔」とか言う噂が…。
噂はエスカレートし、妹セレネは月同様に様々な顔を持つので、魔女だの化け物だのと言われ、娘のキルケもイケメンを誘拐し、飽きると猛獣に変えてペットにする魔女と風評被害。
(実は100%噂とはいえないのだが…)
“魔女の妹と娘を持ったチクり魔!” そもそも父ヒュベリオンの兄弟は怪物だらけだから“化け物一家”とか。
噂だけで判断してはならん!
世界を照らし見守り、夜の神殿では他の神が傷つけば治し、人々の悩みも相談に乗る。
オレ、結構人気あるんだぞ!太陽神の名はヘリオス様だ!
アポロン
アポロンで~す。僕はゼウスとレト(ゼウスの従妹)の子。
僕は美しい容姿と肉体、完全武装で光輝きながらご誕生。
光明神って言われていました。
そもそも芸術や神。双子の女神アルテミスと共に狩猟や医術の神もやってました!
父さんが神託の神もやれって言うから、神殿で巫女を使ってお告げ屋もやりました。(ま、ほとんど巫女に任せてたけど)。
忙しい僕は、ずっと独身貴族を貫いております!
(結婚すると色々と面倒じゃない。人気は下がるし、不倫で叩かれるし。恋は止められませんからね~♡)
太陽ではヤケドはしません、しかし恋ではヤケドします。
その分、女心をよく理解しています!
(実は子どもも結構いるんだよね。恋の後始末と子ども達の尻ぬぐいで父さんに世話かけてるけど)
父ゼウスは「(アレスも相当残念だが)オマエもなかなかなものだ」とよく申します!
生まれながらに光明神の異名。そして、何より清く正しいアルテミスと双子!
太陽と月は、どこの世界でも昼と夜、陽と陰…常に相互関係。
異国の神話でも双子、兄弟、男女が多い。これは双子神の使命です!
僕が太陽、アルテミスが月。
美しい容姿と身体。光り輝く永遠の青年の名アポロンを正式な太陽神!
*( )はあくまでもアポロンの心の声です
それぞれの主張はどこか滑稽です。
3柱全ての比較的イイトコ取りし神話も合体!
そして、太陽の神にふさわしい理想的な新・太陽神アポロンが誕生しました。
特にヘリオスとアポロンの神話が被っているのは、このためです。
日本の太陽神アマテラスとは?
日本の太陽神といえば、天照大神(アマテラス)日本で一番有名な神様です。
アマテラスは伊弉諾尊(イザナギ)が黄泉の国から戻り、穢れを洗い流した時、左目から化生(誕生)しました。
右目からは月読命(ツクヨミ)、鼻からは素戔嗚尊(スサノオ)が化生し、3柱を三貴子(みはしらのうずのみこ)と言います。
三貴士は三つ子にも思われますが、双方の目から生まれたという点でツクヨミとは双子とも考えられます。
アマテラスが太陽神、ツクヨミが月神とされているのは、対になるものから生まれてきた事も大きい要因でしょう。
実はアマテラスが女神である記述はほとんどなく、日本書紀にスサノオが「お姉さんに…」といった内容の記述から、一般的にアマテラスが女神と位置づけられたようです。
しかし、アマテラス男神説という説も捨てきれません。
アマテラスが男性用の武具で武装して生まれてきた事、神話の中に男性を思わせる記述も一部に残されています。
とはいえ、邪馬台国の女王卑弥呼も女性。
大昔、女性が筆頭であっておかしくはありません。果たして真実は?
まとめ
太陽の星としての特徴やギリシャ神話の太陽神アポロン、ヒュベリオン、ヘリオス、日本神話のアマテラスにまつわる神話を紹介しました。
太陽神は紹介しましたギリシャのアポロン神をはじめ、有名どころでは、エジプトのラー、インドの三トラ、インかのインティ、北欧神話のソールやフレイなど世界各地にあります。
北欧神話のフレイに関してはアポロン同様に後に太陽神になり、女神フレイアと双子神です。
どの神話にも太陽神は何柱か存在し、その中から代表的な神が世界中に名をはせています。
もちろん、日本神話の太陽神も天照大神だけではなく、何柱かあるのですが、やはりアマテラスははその代表となっています。
科学や宇宙などの概念がない時代から、万物の源、生命の源である太陽の存在は人間の意識に自然と備わっていたのでしょう。
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