この記事は火星の神アレスとマルスの神話のエピソードや火星の特徴、衛星フォボスなどを紹介します。
火星は地球の外側の軌道を回る赤く見える地球型の惑星です。
あなたもこれを読めば、火星の神アレスとマルスの神話や火星の特徴、衛星フォボスなどを知ることが出来ます。
火星はどんな惑星?
火星は、太陽系4番惑星「火星」の英名はマーズ(Mars)です。
火星は、地球の外側を楕円軌道で公転している惑星で、大きさは直径約6794kmと地球の約半分。
自転は24時間37分と1日は地球に近いですが、公転は687日、地球の約2倍です。
火星は楕円軌道を回っていますが、太陽から火星までの距離は約2億3000km。
地球からの距離は約6000万km~1億km前後です。
火星は大気が薄く熱を留めておけないため、気温は低く-140℃から夏でも20℃前後です。
季節のようなものもあります。
火星の空は鉄分を含む大気の影響で赤味がかっていて、地球とは反対に朝方と夕方は空が青く見えます。
昔から地球以外に生物が生息できる星か?と注目されてきました。
1965年マリーナ4号が初めて火星を調査して以来、失敗も重ねつつも何度かの探査・研究を行ってきました。
その結果、過去に火山活動や水が存在した形跡、両極に二酸化炭素とチリで出来た氷の存在、大気と砂塵による嵐などは確認できたものの、現時点で火星には生物の痕跡はありません。
ただし、遠い昔のごく短い期間、地球のように十分な大気と水が存在していたことは確かなようです。どこかに生命の痕跡があるかどうかは…さらに詳しい調査が必要です。
火星の神アレスとマルスの神話とは?
火星の英名はマーズ(Mars)。
鉄分を含んだ赤い色が、戦や血、炎などをイメージさせることから、ギリシャ神話の軍神アレスとローマ神話の軍神マルスを融合させた神の名が付けらました。
ギリシャ神話のアレスとローマ神話マルス。
同じ戦(いくさ)の神ですが、融合された他の神とは違い、性格も威厳もほぼ反対。
アレスはマルスと融合されて超ラッキー、マルスは残念極まりないことでしょう。
そんなギリシャ神話の軍神アレスのお話を紹介します。
アレスは美しい容姿に鍛え抜かれた強靭な肉体を持ちます。
父は神々の王ゼウス、母は正妃ヘラという由緒正しい血統の軍神です。
本来ならアレスの神格も結構なハズですが、残念ながらアレスの戦勝記録はほぼありません。
加護がない、ご利益はないという残念な神ですが、親の七光りで、何とかオリンポス12神には加えられています。
戦(いくさ)と聞けば、すぐに首を突っ込みますが、頭を使わないイケイケドンドンなお人(神)柄のため、結果敗北。あまり賢い神ではなかったようです。
アレスは…そのなんだな、ちょっとアレだね!
アレはあなたの息子。そのうちきっと大成…すると、いいわねぇ?
またアレ、何かやらかした?仕事しろよ~
アレはアレなんで、仕方ないですわ!
他の神々はもちろん、両親ですらアレスのスを抜いて“アレ”呼ばわり。
ゼウスは同じ戦の神でも前妻との娘、知恵と芸術も司るアテネを大変可愛がっていたのです。
大変だ!敵軍の神はアテネだぞ!
そ~ん!こっちって…アレ(ス)!また勝手に来たよね?
負け決定!! 早く敵軍に寝返ったほうが得策だ!
人間ですらアレスをアテにしません。神だけでなく、ヒトにも知略がないので結果負けます。
知力を駆使するアテネが相手では歯が立たないのは一目瞭然。
以前、アテネに傷つけられ人一倍大声で泣き叫んだことだってあるのです。
神は神でも、ほぼ疫病神です。
そんなアレスが唯一、名を残した事件といえば、愛と美の女神アフロディーテとのゲス不倫です。
アフロディーテは、両親を同じくする兄ヘイパイトスの妻でした。
ヘイパイトスは、空気読めずに気の利かない“ブーちゃん”でした。
ウチの奥さん、いつも機嫌悪いなぁ~
訳あって無理矢理ヘイパトスに嫁がされたアフロディーテは、気が利かない不細工な夫など最初から居ないも同然、無視。
アフロディーテは内面より外面第一主義、恋の相手など自由自在。
さっさと近場の超イケメンに目をつけました。それが義弟のアレスです。
アレスもその容姿と父譲りの女好きで今まで数々の恋愛沙汰を起こし、何人か子どもも成しましたが、その多くが間男(夫のある女が他の男とひそかに通ずること)です。
そもそも本人は“間男”の意味すら知りません。
その中で一番盛り上がっちゃったのが、性愛も司るアフロディーテ。
2柱はせっせと恋愛ゲームを楽しみます。
呑気で鈍感なヘイパイトスはある日、妻と実弟の不倫の噂を耳にします。
これには、さすがのヘイパイトスもビックリ!
不倫現場を押さえようと、出かけたフリをして不倫アラート(みたいなもの)を仕掛け妻の部屋を陰から監視。
あの人、出かけたわ。アレス!早くぅ~♡
じゃ~ん!間男さんだぞ~♡ (自分で言うか?)
と、2柱がイチャイチャし始めた、そのとき!
不倫アラート?のサイレンが鳴り、隠れていたヘイパイトスと家臣が乱入。
アレスは現行犯逮捕、そのまま情けない姿で多くの神々の面前で事情聴取。
アレスとアフロディーテには共に裁かれてしまいます。
子どもまでいたの?3人?え、4人?マジで?!
やっぱり、アレはやるよね~。
…と、神々にとっては想定内でした。
そんなトホホ過ぎるアレスとは逆に、ローマの軍神マルスは英雄です。
建国以前より元々は農耕の神として崇拝され、古代ローマ建国王の父という逸話もあります。
3月「March」はマルスの名前から付けたといいます。
古代ローマでは3月は節目。農耕が始まり、国を守るための軍隊が始動する大切な月です。
マルスは勇敢な男性、憧れの男性の象徴であり、国や農耕を護る、まさに偉大な神。
ローマ人には「マルクス」「マリウス」などマルスにあやかった名前も多いのです。
俺たち名前も似てるね!最後“ス”だし~
え?あ~(コイツ、噂通り相当な…アレだな)
衛星フォボスとダイモスとは?
火星にはフォボスとダイモスという衛星が2つあります。
フォボスとダイモスとはアレスとアフロディーテの息子の名で恐怖や敗走、混乱という意味。
2つとも月よりずっと小さくジャガイモのようなイビツな形をしています。
フォボスの大きさは約27㎞。地球の月と比べると近くにあっても月の1/3程度。
ダイモスは15㎞程と小さく、さらに遠くにあるので、フォボスのオマケのように見えるでしょう。
内側のフォボスは火星から6000㎞と大変近い軌道を廻り、超スピードで西から昇り約11時間で再び姿を現します。
ダイモスは非常にゆっくり東から昇り西に沈み、次の登場までに5日程度かかります。
火星の近くを超スピードで回るフォボスは、火星の潮汐力で刻々と火星に引きつけられています。
いずれ、火星に墜落するか?直前で破壊されると予測されます。その後フォボスの破片は火星の軌道上に残り、火星の輪となるとか…と、言っても3000万年以上先の話ですが…。
もしもその頃、火星に住む生命がいたら、空から月が降ってくるなんて!名前通り“恐怖”です。
まとめ
火星の神アレスとマルスの神話のエピソードや火星の特徴、衛星フォボスなどを紹介しました。
アレスとマルスの2柱の軍神の名を掲げた火星ですが…、マルスだけなら自慢ですが、アレスは軍神というより「トホホな神」でした。
アレスとアフロディーテの子供は衛星の名にもなったフォボスとダイモス、調和の女神ハルモニアの3柱です。
そして魚座にも登場するエロース(キューピッド)も一説ではアレスの子といわれています。
しかし、残念なのはヘイパイトス!鈍感とはいえアナタもアナタですよ。
奥さんの様子に「気づけよ!」と突っ込みたくなります。
現時点で火星には生物はなく、移住なども難しいとされていますが、それでも太陽系の惑星の中で生命の存在、移住の可能性が一番高い惑星といわれています。
今後の調査・研究の報告が気になりますね。
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