この記事は土星の素顔、守護神サトゥルヌスとクロノス、土星の環や衛星などを紹介します。
土星は美しい環を持つ惑星ですね。神秘的で引き込まれるような魅力があります。
あなたもこれを読めば、土星の主神サトゥルヌスとクロノスの神話や土星の環と衛星を知ることができます。
それでは神秘的で素敵な土星にまつわる主神の神話や神秘的な環や衛星の魅力をお伝えいたします。
土星はどんな惑星?
土星は、太陽系6番目の惑星、英名「サターン(Saturn)」。
土星は、太陽系で木星に次ぐ大きな惑星で、惑星を取り巻く環(わ)が特徴です。
太陽からの距離…約14億3000万㎞
地球からの距離…約12億8000万㎞(最小)
半径(赤道)…60.268㎞
衛星は現時点で確認されている数は82個。
公転周期は地球を基準にすると約29年半、楕円軌道を廻ります。
自転周期は10時間半、ただし木星同様に緯度によって若干異なります。
大きさは地球の約9倍にも関わらず、質量は大きさのわりに軽いため猛スピードで自転しています。
土星は木星同様に主に水素とヘリウムから構成されるガス惑星です。
私たちが見ているのはモヤとアンモニアの雲で出来た表面、その下には硫化水素などの雲、水の雲があり、さらに奥には金属水素のマントル、そしてその奥に岩石と氷の核があります。
地表のようなものはありませんが四季もあり、両極にオーロラも発生します。
一見穏やかそうに見えますが、土星の表面温度は平均約-180℃。大気による嵐は地球の嵐など比べ物になりません。
土星の主神サトゥルヌス、クロノスの神話とは?
土星の英名はサターン(Saturn)。
この名は、ギリシャ神話のクロノス(ゼウスの父)と同一視されたローマ神話の主神サトゥルヌス(Saturnus)の名前が由来です。
サトゥルヌスは元々ローマの農耕神で人間に農耕技術を伝え、ローマの黄金時代を築いた最高神。
同一視されているクロノスは身の安全のために、我が子たちを飲み込んだものの、最終的には息子ゼウスたちにより失脚させられました。残虐性や身勝手さもイメージさせられますね。
一方、サトゥルヌスは本来は残虐性は少ないのですが、神話では同一視されたクロノスの影響が色濃く語られています。
では、同一視されているサトゥルヌスとクロノスを別々の土星の神に見立てて2神の“よもやま話”に耳を傾けてみましょう。
ワシら土星の守護神じゃん。
でもさ、土星ってサタンとか言われて悪魔呼ばわり!勘弁してよ。
だいたい、サトゥルヌス、なんて名前が良くないよ!悪魔なんて、ワシら本当はスゴイ神様なのに!
またれよ!我とサタンは全く違う!
後の世でキリスト教の悪魔はサタン(Satan)。
我はサトゥルヌス(Saturnus)。綴りが違う!
我のサトゥルヌス(Saturnus)が土星のサターン(Saturn)になったのだ。
悪魔呼ばわりしないでくれたまえ!!欧米人でも発音が似てるため間違える者もいるらしいが、特に日本語のカタカナ書き換えられると間違われやすい。
だが、サタンとサターンは全く別物だ!
そーいえば、ワシ~前からちょっと悪魔呼ばわりされとったけど…。
そう、その件で我こそ文句があって来た。
クロノスは自分の子、食べただろ?その神話、最悪だ!
食ってないって。飲み込んだだけ。噛んでないし!
ちゃんと身体の中でちゃんと育ってたし!
腹に入れた事には変わりなかろう?
保身のために我が子を食うなんて…
おかげで後の世で画家のルーベンスとかゴヤとかが“我が子を食らうサトゥルヌス”というあり得ない絵を描き、今でも美術館に飾っとるわ!
我が子食ったのは我じゃない。お主だよ、クロノス!!
見た!アレはウケた~。ルーベンスはお爺ちゃんが子どもを齧ってるコワイ絵…それから、ゴヤの描いたサトゥルヌスのあの表情!
もうコワイを通り越して超笑った。オバケ屋敷かオカルト映画の看板みたいだ。
リアルで上手過ぎるから神話に信ぴょう性が増すよ。
しかも、サタンとか言われてるし!
そもそも、クロノスが我が子を食ったことは、親として、人(神)道的にも許せん!それが、我の神話になっている事も!
ま、悪いとは思ってるけどさ、ワシら今では一心同体。
悪魔みたいな名前だったことも許すから、チャラってことで!
ヌス
いや、これを貸し借りとするなら…我は“貸”の方が多いぞ、クロノス!
ゼウスに追放され、冥土に閉じ込められたお主を脱出させ、イタリアにかくまってやったのは誰だ?我の名を語り人々に崇拝されたのは誰だ?
あ~あれは感謝してるよ~!でも、ローマ神話の神々もワシらギリシャ神話の神々のおかげで随分メジャーになったじゃないの~。
さらにだ!なんだ?お主の孫。アレスとか言ったな、ウチの優秀な軍神マルスによくも汚名を!それから他の神もだ、節度を持て!…(云々)
サトゥルヌスのクロノスへのお説教まだまだ続きます…。
クロノスを調べると時空神、時の神とありますが、こちらは大昔の物語で創作された神。
クロノス(Κρόνος)と時空神クロノス(Χρόνος)はKとXの一字違い。
農耕神であるサトゥルヌスが持つ作物を刈る大鎌は豊穣の象徴であると共に、時(1年)を告げる収穫期や季節をイメージさせるため“時の神”の誕生に至ったとか…。
我が子を食らったクロノスは、サトゥルヌと同一視したおかげで、神話の部分では随分とお得だったかもしれません。
土星の環と衛星の神秘とは?
土星といえば、惑星を取り巻く環が目印。1610年、ガリレオが発見した土星の環は3本。
はじめ、環とは思わず「あの星には耳がある」と言ったとか。
それから数百年、次々と環が発見されリングA~Gと名付けられています。
ガリレオが見つけたのはA~C。一番外側にあるのがAリング。
内側にB、C…実はその内側にもDがあり、Aの外側にも環が見つかり2019年までに確認された環は7つ。
環の幅は100㎞~数万㎞のものまでありますが…土星の大きさから考えると、どれもとても薄いものです。
実は、この環は意外と最近出来たもの。とはいえ、人類からすれば遥か大昔…地球に恐竜がいた頃に出来たのではないか?とも言われます。
この美しいリングは、土星に接近した冥王星程の大きな星や小さな微惑星などが衝突し砕け散った岩石や氷で形成しているようです。
環はゆっくりと時間をかけて土星から離れるように広がり、いつか消えてしまうそうです。
環を形成していた細かい岩石や氷は土星の影響が弱まると、それぞれの重力でぶつかり合い、また1つの衛星となる事もあるようです。
環を失ったとしても、まだまだ衛星が増える可能性が十分あります。
2018年、土星の衛星は79個と確認されていましたが、探査機の映像などから2019年までに合計82個!と発表されました。太陽系で1番月の数が多い惑星です。
まとめ
土星の素顔と、土星の守護神である神サトゥルヌと同一視されたクロノスのお話、土星の環や衛星などを紹介しました。
サトゥルヌは土曜日(SATURDAY)の語源にもなっています。
また、ローマに伝わるサトゥルヌのお祭りはクリスマスやイースターというキリスト教のお祭りの元ともなりました。
サトゥルヌは数々の功績を残していますが…クロノスのおかげで少々、残念な逸話も伝わってしまいました。
夜空に土星を見つけたら、そんな土星の月だらけの空と消えゆく環の姿、2柱の守護神を思い浮かべて下さい。
さて、恐竜が見たであろう太古の夜空の土星は、今よりもっと大きく輝いていたそうです…。
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