かみのけ座の神話が分かる！星座の特徴、かみのけ座銀河団とは？

この記事はかみのけ座の神話のあらすじ、星座の特徴、かみのけ座銀河団を紹介します。

かみのけ座は、雲のように星が集まった姿を髪の毛に見立てた珍しい星座です。

あなたもこれを読めば、かみのけ座の神話のあらすじ、星座の特徴、かみのけ座銀河団をて知ることができます。

かみのけ座はどんな星座、星座の特徴は？

かみのけ座は春の星座です。

他の星座のように星を繋いだ領域の中に星団や星雲があるのではなく、星団や星雲が密集した空間の中に幾つかの恒星が存在している珍しい星座です。

うしかい座、りょうけん座、しし座、乙女座に囲まれ、うしかい座のアルクトゥルスと獅子座のデネボラの間、りょうけん座寄りに位置しています。

ボワッと雲のように星が集まった場所が“かみのけ座”です。

 

 

星座図で確認するとα、β、γ星３つの星が「く」の字のように記されています。

これら全て4等星以下。この全体的にボワっとした空間を古代の人は髪の毛をイメージしたのでしょう。

春の夕暮れ、かみのけ座はすでに天頂近くに向かっています。

 

紀元前から「ベレニケの髪の毛座」とされ、α星のディアディムには“ベレニケの王冠”という意味があります。

ところで、ベレニケって誰でしょうか、気になりますね？

 

かみのけ座のギリシャ神話は？

かみのけ座の髪の毛の主ベレニケは古代エジプト王プトレマイオス３世の王妃、実在の人物といわれています。

戦（いくさ）に出た夫の無事の帰還を祈り、神に女の命ともいえる美しい髪を捧げ、夫を救ったという夫婦愛の物語です。

…というのでは、なんの変哲もない星座の神話ですので、ベレニケの心情も交えて、ご紹介しましょう。

 

古代エジプト王プトレマイオス３世は家臣や民にも信頼が厚い賢王とたたえられ、妻は賢く機転も利く上にスタイル抜群、髪は絹糸のようにしなやかな絶世の美女。

２人は大変仲睦まじく、国は安泰のように見えましたが、今、最大の悩みは、シリアとの戦争。

戦況は五分五分、そんな中でベレニケと過ごす時間が王の唯一の癒しでした。

 

ベレニケをそばに置き、その髪を撫でる事が王の至福…。

最初は気を良くして甘えていたベレニケでしたが、戻る度に髪、髪いわれ、朝昼晩と髪を触れられ、トイレまでついて来られたら…さすがに少々ウンザリです。

 

 

…と時々、心で悪態をついてストレス解消していました。

 

暫くするとまた、王は戦に赴きました。

戦場は死と背中合わせ、ベレニケは心配でたまりませんが、出発してしまったら…
案外、ホッと一息。

大丈夫、王は強運。今までだって元気に帰ってきたのですから…

 

…と、ベレニケは夫の帰還を疑いもせず、のんびり束の間の自由を満喫します。

ある夜、ベレニケが大きなベッドを独り占めし、くつろいでいると急ぎの伝令が来ました。

 

 

まさか！どんなに苦戦しても王の安否不明など今まで一度もありません。

ベレニケは居ても経ってもいられず、一番近い愛の女神アフロディーテの神殿へ馬を飛ばし、祈りを捧げます。

 

 

夜明け前、祈り続けたベレニケの頭の中に声が響いてきました。

 

 

ここでベレニケの賢い頭は高速回転。一瞬のうちに状況を吟味します。

 

 

ベレニケはその場で短剣を抜き、バッサリと自慢の髪の毛を切り、祭壇に捧げました。

神殿の前で待っていた側近はショートヘアのベレニケにビックリ！

 

数日後、反撃に成功した王は、わずかな兵を引き連れ勝利の凱旋（がいせん）をしました。

 

王はベレニケの髪で疲れを癒すことを支えに戻ってきたのです。

ベレニケは事の次第を王に伝えました。

 

２人はすぐに神殿へお礼参りに向かいました。

…ところが、祭壇に供えたはずのベレニケの髪の毛がありません。

家臣全員で探しましたがありません。

 

とうとう、盗んだ犯人捜しが始まってしまいます。

特に坊主頭の家臣は容疑者の最有力候補です。

 

 

 

夜遅くまで犯人は断定せず、天文学者コノンは「コレはマズい、死人が出る」と苦肉の策を思いつきました。

 

暗い夜空にボンヤリ雲のように輝く空間…髪の毛に違いありません。

 

 

こうして、ベレニケの愛が女神の心を動かし、王を救ったと証明されました。

コノンの急場しのぎだったのか？本当に女神がベレニケの髪を天に上げたのか？

まぁ、ここではきっと後者の方という事で…

 

かみのけ座銀河団とは？

かみのけ座は、銀河の集団がたくさん集まった場所にあります。

かみのけ座を中心に1000個以上の系外銀河（我々の銀河の外にある銀河）が大集合、これが「かみのけ座銀河団」です。

 

 

太陽系からは３億光年以上離れていますが、その間に大きな天体もなく外側の宇宙を観測しやすい位置にあります。

惑星や太陽も自転するのと同様に銀河も自転しています。

どうやら、天の川銀河の自転軸がかみのけ座方向に向いているため、さえぎる天体が少ないのです。

 

外の銀河が観測するには絶好のポジション！

長年、観測・研究されていました。

その結果、超スピードで移動を続けているこの銀河団がバラバラにならないのは銀河同士の重力の他に何か目には見えない存在＜謎の暗黒物質＞があるのではないか？ということまで判明しました。

 

今も研究は続いていますが、新たな発見にはもう少し時間がかかりそうです。

目に見えない謎の存在が報告されることが楽しみですね。

 

まとめ

かみのけ座のギリシャ神話のあらすじ、星座の特徴、かみのけ座銀河団について紹介しました。

宇宙にはまだまだたくさんの秘密があります。

その秘密の鍵が“かみのけ座”のベレニケの美しい髪の中で、脚光を浴びる時を待っているかもしれません。

 

宇宙の色、光の色、かみのけ座に広がる系外銀河と謎の暗黒物質、そして、宇宙の果てとは？

目に見えるものがすべてとは限りません。いつの日か、私たちの常識を打ち破る何かが突然現れるかもしれません。

漆黒の闇の中でぼんやり輝くかみのけ座を探してみて下さい。

そこは宇宙の謎がたくさん詰まっているはずです。

 

【関連記事】
うしかい座の神話が簡単に分かる！α星アルクトゥルスや流星群は？
白鳥座の神話が簡単に分かる！α星デネブ、二重星アルビレオは？