この記事はおおぐま座のギリシャ神話のあらすじ、星座の特徴、北斗七星やこぐま座との関係を紹介します。
おおぐま座はひしゃくの形をした北斗七星で知られる星座です。
あなたもこれを読めば、おおぐま座の神話、星座の特徴、北斗七星やこぐま座との関係を知ることができます。
おおぐま座はどんな星座?
最初に覚えた星座は「北斗七星!」と答える方も多いでしょう。
でも北斗七星って星座ではなく、おおぐま座の一部です。
おおぐま座は全天で3番目に大きな星座。
北斗七星の3倍以上の面積のなかにクマの姿の全体があります。
天頂付近のおおぐま座は一年中見る事が出来ますが、一番の見ごろは春です。
探し方は、まずは、見つけやすい北斗七星の“ひしゃく型”!
春の夜ならば、北の空にクマの腰からシッポに当たる北斗七星があります。
ひしゃくの柄(持ち手)の反対側、四角いマス部分の先にクマの顔、マスの底の部分の下に小さな星が並び、そこがクマの足爪。
北斗七星以外は肉眼で見つけづらいかもしれませんが、北の空にど~ん!とでっかいクマが居座っています。
すべて繋げてみると、まぁ、確かに大型動物の姿に見えます。
おおぐま座は天の川から離れているので、我々の銀河系の外にあるM108星雲や、銀河系内のM97星雲がハッキリ確認できます。
シッポの先端の星の隣、ミザールは二重星。
視力に自信がある方なら肉眼でも、小さく隣接するアルコルも確認できるでしょう。
おおぐま座の神話や北斗七星にまつわる伝承は?
北斗七星のそばに、よく見るとミニ北斗七星が!これが「こぐま座」。
子熊のシッポの先端が北極星です。
大小の2つの北斗七星、これがクマの親子カリストと息子アルカスです。
この親子が並んで星座になっている理由は…これもゼウスの仕出かした悲劇の結果です。
月と狩猟、そして純潔の女神アルテミス。
彼女の侍女たちも皆、男性はNG。いつも女子会ならぬ女子猟を楽しんでいました。
そんな侍女の1人カリストに目を付けたのがアルテミスの父ちゃんゼウス。
ゼウスはアルテミスに化けてカリストに近づくというコソクな手を使います。
カリストが気を許した時「じゃ~ん、ゼウスさんだよぉ」と正体を現し、まんまとカリストを手に入れ、妊娠させてしまいます…。
とんでもないオヤジですね。
カリストの妊娠は、当然アルテミスにバレて純潔を守れなかった罪で追放され、ついでにゼウスの妻ヘラにもチクられ、その怒りでクマに姿を変えられてしまいます。
そもそも悪いのは父であり、夫であるゼウスなのにカリスト1人に罪を押し付けるなんて、ゼウス一家ってコワイ!
カリストは密かに産んだ男の子を善良な村人に託し、一人寂しく森へ消えて行きました。
赤ん坊はアルカスと名付けられ村の人々に大切に育てられ成長し、運動神経抜群の腕の良い狩人になりました。
母については皆、口を閉ざし「ま、色々オトナの事情がね~」と真実は伏せられたまま。
“母ちゃん、熊だ!”とは言えません。
「母さん、会いたいなぁ。母さんどこにいるの~」と母への想いは募るばかり。
そんなある日、衝撃の出会いが!アルカスの記憶をたどりましょう。
俺はある日、森の中でクマさんに出会った。木々がそよぎ、美しい花が咲く森の道で…大きなクマさんに出会ってしまった。
クマさんは俺を見るなり猛烈に突進してきた。
突然だったので弓を引き抜くすきもない。
こんな時は背を向けず、クマさんの目を睨みつけ、刺激せず、後ずさりしながら安全確保。
そうだ!オレはボルダリングが得意じゃないか!逃げ道は崖だ!
アルカスは崖の窪みや突き出た小さな岩なら、熊の大きな足では追って来れまいと判断。
カラの弁当箱を投げ一瞬クマの注意をそらし、そろり、そろり、と崖まで近づき、無我夢中で崖を登り、登り切りきったところで、振り返ると…
言葉も出ません。
うっそ~ん!!
ところが、後からクマさんがついてくる!クマさんが弁当箱をくわえ、上手に巨体を駆使して、崖を登っているじゃないか!なんてクマだ…
ヴオ!ヴォォ…ウォウォ~
(アルカス!お待ちなさい。やっと近くでオマエに会えた!ほら、お弁当箱も…)
と、言っているのですが、当然アルカスにはクマ語などわかるはずもありません。
マズイ!足場は悪いがイチかバチか…弓でクマの眉間を狙おう!
アルカスが弓を引こうと構えたその時!
ちょっと待った~!
息子の母殺しを止めたのは、あのゼウスでした。
アルカスを瞬時に子熊に変え、弓を引く寸前で母子熊のシッポを掴み空高く放り投げました。
ベシっ、ベシっ!と熊の親子は高い北の空に貼りつきました。
天空に届くまでの短い間にオレは全てを悟った。森のクマさんは
夢にまでみた母さんだ。やっと母さんに会えた!お母さ~ん!!
母さん、気づかずに逃げてゴメンよ、ずっと会いたかったよ!
ああ、アルカス、こうして話せるなんて夢みたい!
いつも森の中で遠くからオマエを見ていたのよ。
クマのまんまだけど、これからはずっと一緒…。
そうそう、はい、大事なお弁当箱。投げちゃダメでしょ?
あら、拾ってくれたの?ありがとう。
お礼と再会を祝してオレ、唄うよ。母さんも一緒に唄おう…
ララララのラ~親子熊は離れ離れだった時を埋めるように、いつまでも空で唄い続けています。
助けたゼウスはまったくカヤの外でした。
…ゼウス、もともとはあなたのせいですから。
ちなみに、おおぐま座、こぐま座のシッポが妙に長いのはゼウスがシッポをつかんで投げせいです。
おおくま座のこぐま座との関係は?
先のギリシャ神話のとおり、おおぐま座、こぐま座は親子とされています。
偶然とはいえ、大小ソックリな“ひしゃく型”は「大ひしゃく」「小ひしゃく」とも呼ばれ、これも親子を感じさせます。
こぐま座のシッポの先端が北極星<ポラリス>。
北極星は遥か昔から方角を知るための道しるべ。
最も天頂に近く、ほぼ動くことはありません。
星々は北極星を中心に東から西へと1日1回転します。
北斗七星のα星とβ星(ひしゃくの柄とは反対側のマスの側面)を結び約5倍、そこに北極星があります。
北斗七星を目印に北極星を探す、おおぐまとこぐまはセットで人々の生活に活用されてきたのです。
まとめ
おおぐま座のギリシャ神話のあらすじ、北斗七星やこぐま座との関係などを紹介しました。
夜空の熊の親子はいつまでも沈まず、ずっと語り合っているようにも見えます。
北極星の周りを回る沈まない恒星を「周極星」といいます。
現在、北極星のある、こぐま座、おおぐま座、そしてカシオペア座などの星々は周極星です。
何千万年という月日が流れ、北極星が別の星に変わり、周りの星々が周極星でなくなったら…。
おおぐま座、こぐま座の親子は地中にもぐり、仲良く長い冬眠に入るのでしょうか?
その頃、地球は?太陽は?
北斗七星を見かけたら、そばにある小さなひしゃくも探してみて下さい。
クマの親子の歌が聞こえるかもしれません。
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