この記事は、うしかい座のギリシャ神話のあらすじ、α星アルクトゥルス、流星群を紹介します。うしかい座は春から初夏にかけて見ることができる星座です。
あなたもこれを読めば、うしかい座のギリシャ神話のあらすじ、α星アルクトゥルス、流星群を知ることができます。
うしかい座はどんな星座?
うしかい座、と聞いただけではピンとこない人も多いでしょう。
黄道12星座でもなく地味なので星座人気ランキングでもトップテンからは漏れてしまうかもしれません。
しかし、うしかい座には全天でベスト5に入るほどの輝きをもつ1等星「アルクトゥルス」があります。
このアルクトゥルスと乙女座のスピカ、しし座のデネボラを結んで「春の大三角形」です。
春の大三角形ならば聞いたことがあるのではないでしょうか?
アルクトゥルスは「アークトゥールス」「アルクトゥルース」など表記が様々。
英語を日本語のカタカナ表記に変えたものなので多少差があります。
ここでは「アルクトゥルス」と表記します。
うしかい座は春から初夏にかけて見頃です。
探し方は…、まずは北斗七星を確認。
北斗七星の柄の部分をそのままカーブに沿うようにずっと伸ばした先に薄くオレンジ色に輝く大きな星があります。
これが、うしかい座のα星アルクトゥルス。
この星を頂点に、2~3等星が奇妙な“伸びた六角形”を作っています。
これが「うしかい座」です。
よく、太く短い逆ネクタイ型と表現されています。
他にも北斗七星の方向に腕にあたる小さな星があり、片腕を上げた男性の姿になります。
「やった~イエィ~!」や「なんだ?コノヤロー!」ポーズをしている感じが「うしかい座」の全体像です。
振り上げた腕の下には「りょうけん座」があります。
2匹の猟犬を連れて、大熊を追いかけているオジサンの姿。
イヌ飼い座ではありません。あくまでも、「うしかい座」です。
うしかい座の神話や伝承は?
うしかい座のモデルは不明です。
神話もいくつかあり、どれも別人でストーリーも異なります。
では、この牛飼いさん自身に神話について聞いてみましょう。
こんばんは!ワシは、うしかい座のオジサンで~す。
ワシが誰かって?もう、昔過ぎて明確に覚えてないんだよね~。
こぐま座になったアルカスとか、ぎょしゃ座になったエレクトニウス王とかも言われてるけど…かぶりはNG。
ぎょしゃ座のエレクトニウスは一番ダメでしょ!
同じオジサンだし、5角形が目印だし、誰かとキャラかぶり、なんて…絶対イヤだ!
ワシちょっとアホっぽいんだよ。
どの説も言われてみれば、覚えがあるような、ないような…
そうだ!恥ずかしいけど、アトラス説、紹介するね。
大昔、ゼウス率いる神々軍とワシら巨人族は戦いを行い、巨人族は敗北。
巨人族は皆、奈落へ落とされちゃうんだけど…な~んか、オレだけ落ち損なったってか?
運が良く助かった?みたい。
けど、見逃されるわけないよね、相手は神々だもの。
見つかって「オマエは永遠に天でも担いでろ!」と言われて、ずーっと天を落ちないように担いでたのよ。
身体に草木とかキノコ生えるし、動物は巣を作るし、最悪~!重くて動けないから足腰肩もう、ガッチガチよ!
そこへ、12の偉業を成し遂げるべく、勇者ヘラクレスがやって来た。
ワシのかわいい娘たちが管理してる西の楽園のリンゴが欲しいんだっていうんだよ。
オジサン、頼む。アンタの娘の三姉妹、超コエ~!1個でいいからリンゴもらってきてよ。
そりゃいいけど…ワシ、天をかついでるんで。
あ、そうだ!リンゴ持ってくるまで代わりにかついでおいてくれる?置くと、神にバレちゃうからさ!
リンゴくれるなら、代る代る~。けど、重いなぁ~早く行ってきて~!
というわけで、ワシは久しぶりに重い荷物から解放されて、娘たちにリンゴもらいに行ったわけ。
帰り道、ちょっと考えてみた。また天をかつぐのキツイな~。
そうだ!このリンゴをワシが届けてやるまで、ってことで、ヘラクレスにそのままかつがしておこうかな?ウッシシ…。
ヘラクレス君、ご苦労さん!ハイ、リンゴ!キミもまたアチコチ行かなきゃならないよね?ワシが代わりにリンゴ届けてきてやるよ。
う~ん…でも、リンゴをくれただけで十分だよ!
いやいや、若者よ、遠慮せんでいいって!
…と、どーぞ、どーぞ、いえいえ…の問答が続き
じゃ、重くて肩が痛いから、肩当て持ってくる。
それまで、オジサンちょっと天をかついで待ってて!
ワシはヘラクレスが肩当てもってくるなら、またしばらく解放され自由になれると、再び天かつぎを代わり、ヘラクレスの帰りを待った。
ところが、リンゴごとヘラクレスはずーっと戻ってこない!
どうした?事故にでもあったのか?
ワシは再び無期限で天を担ぐハメになった。
足腰肩がキツイ…ああ、マッサージに行きたいなぁ~。
それから長い月日が流れ、また、新たな若者がワシの元にやってきた。
オジサン、怪女メデューサの居場所、教えて~!
彼は勇者ペルセウス、彼もまた多くの試練を受け、メデューサ討伐のミッション中だった。
メデューサといえば、一目見たら全てを石に変えてしまう化け物女だ。
教えてもいいが…ひとつ頼みがある。
メデューサ倒したら、ワシにも見せて!
いいけど…。メデューサみたら、石になっちゃうよ!
いいんだ。もう…こんな重い天をかついでいるなら、石になった方がマシ…。
ワシはペルセウスに今までのイキサツをかいつまんで話し、ヘラクレスの事は特に詳しく話した。
ヘラクレス?もうずーっと前にすぐれた仕事を終えて星座になってるよ。
オジサン、そりゃ、ヘラクレスにやられたな。
オジサンの魂胆はミエミエ…石と一緒にかつがされた、ってか?
が~~ん! 薄々、気づいてはいたけど…やっぱり、改めてガッカリ。
わかった。ヘラクレスは遠い親戚だし、代わりにオレが約束を守るよ!
こうして、ワシはペルセウスにメデューサの居場所を教え、メデューサの首を取ったペルセウスは約束どおり戻ってきて、ワシは念願の石になった。
これでもう、重い天を背負わすに…と、思ったら!マジ?
気づいたらアフリカ大陸でアトラス山になってたよ!
石を通り越して…山!しかも、まだ天も担いでるし!あんまりだよ~。
それ以来、ずっと足腰肩は筋肉疲労。
こんな長く足腰肩凝ってるのワシだけだ、湿布薬のCMにワシほどピッタリのキャラクターはない!
製薬会社の方、出演依頼お待ちしてます…。
うしかい座のα星アルクトゥルスや流星群とは?
うしかい座のシンボル、α星アルクトゥルスは黄味がかったオレンジ色です。
この星は太陽から約37光年にあり、太陽より少し年上で、太陽とよく似た星と言われています。
このアルクトゥルスのオレンジ色と乙女座のスピカの青白い輝きは、同じ時期によく見えるので、アルクトゥルスを男性、スピカを女性にたとえ「夫婦星」とも言われています。
夫婦にしては、距離があり、スピカの方が輝きも大きいので、かかぁ天下?別居中?
なんて、想像もできますが、科学的にはアルクトゥルスはスピカの方向へ超高速で移動中。
約6万年後には夫婦仲良く並んで見えるようです。
毎年6月下旬~7月上旬にうしかい座流星群もやってきます。
1998年には活発な出現を見せてくれましたが、近年では残念なことに流星の数は常に少量となってしまいました。
しかし、稀に予測に反して1時間に100個前後確認されることもあります。
母天体はポンス・ヴィネッケ彗星。この彗星は6.37年で楕円形の軌道を一周します。
実は木星の引力に軌道が変わり、地球の近くを通過するようになったのですが、今は遠ざかり流星の元となるガスやチリは少ないようです。
また、活発な姿を見せてほしいものですね。
まとめ
うしかい座のギリシャ神話のあらすじ、α星アルクトゥルスや流星群を紹介しました。
うしかい座のシンボルのα星アルクトゥルスは全天の1等星のうち3番目に明るい星です。
アルクトゥルス以外は、他の星々も流星群も比較的地味ですね。
うしかい座は、神話同様にお人よしで控えめな星座です。
振り上げた腕の先の犬(りょうけん座)と追っているのは熊!牛飼いなのに付近に牛の姿はありません。
きっと、牛を襲おうとしている熊を追っ払っているのでしょう。
「熊追い座」だったら…なるぼど!となったかもしれません。
大西洋を「アトランティックオーシャン」といいますが、アトランティックとはこのアトラスから来ているそうです。
うしかい座は地味なようで、意外とシッカリ、後世に名を残しています。
だから、アトラスは今日も夜空で「やった~イエィ~!」のポーズをしているのかもしれませんね。
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