この記事は、2020年の火星接近の時期、時間や方角、接近の距離や影響などを紹介します。
火星接近は約2年に1回のイベントで、今回は2年前の大接近に準じる接近です。
あなたもこれを読めば2020年の火星接近の時期や時間、方角や接近の距離などを知ることができます。それでは太陽系の惑星で地球の外側の軌道を廻る火星の今回の接近についてのお話しです。
はじめに
今、地球はさまざまな脅威が世界中を襲っています。
異常気象、地震や台風など自然災害、そしてウイルスなど…世界中の人間たちは地球生命のリーダーとして、1つでも多くの種族が生き延びるために知恵を絞り、協力し合い、次の時代を繋いでいくために、必死に努力しています。
きっと地球自身も全ての生物がこの危機を乗り越え、新たに立ち上がるために頑張っていることでしょう。地球さん、お疲れさまです!
地球は大地と水と生物が息づく太陽系唯一の星。他の星にはない数多の偶然に恵まれた星。
これしきのことで地球は負けたりはしません!
そんな2020年秋に、お隣の火星が地球に接近します。もしかしたら、生命が存在するのでは?と囁かれている火星が、すぐそこに近づいてくるのです!
火星接近とは?大接近と準大接近の違いは?
2020年10月火星が地球に接近します。太陽を中心にほぼ円の軌道を回る地球と楕円軌道を回る火星が接近します。これが“惑星の接近”なのですが…
その前にまずは火星のご紹介をしましょう。
火星の情報
- 太陽系第4惑星
- 直径 4㎞
- 外周 344㎞
- 1年 687日
- 1日 24時間37分
- 楕円軌道
- 衛星(月) 2つ(フォブス、ダイモス)
簡単にまとめてしまえば、地球の外側を楕円軌道で回っている、地球とよく似たつくりの惑星。
火星の大きさは地球の約半分、1日の時間は地球よりちょっと長い24時間時半程度ですが、1年は長く、地球を基準にすると約1年11か月程度。重力は低く、飛び跳ねれば地球の3倍程度の高さまで飛び上がれます。
大気の主成分は二酸化炭素で薄く、人類が生活出来るほどの空気はありません。ただ、現時点で生命体の存在は確認されていませんが、最近の研究で大昔には水があった痕跡が確認されています。
火星の極には氷がありますが、これは二酸化炭素の氷(ドライアイス)。二酸化炭素と太陽光による赤錆が表面を覆い、赤い星に見せているのです。
そんな火星と地球は約2年2か月に1度接近するのですが、火星は楕円軌道なので、毎回すれ違う時の距離は違います。
太陽から見て、地球と火星が同じ方向に並ぶ時、その2つの惑星の距離が近い時、「大接近」となります。
ちなみに、2つの惑星が並んだ時、距離が一番離れている時は「小接近」、その中間は「中接近」です。
2018年の“火星と地球の大接近”が記憶にある方も多いと思いますが、この時の地球と火星の距離は5759万㎞、近年で一番の大接近となりました。
そして2020年の接近は6207万㎞となりますので、準大接近です。これから火星と地球の距離は離れていきます。
「ゆで卵」の切り口を想像して下さい。黄身がどちらかに若干片寄ってしまった「ゆで卵」。
黄身のふちを地球の軌道、白身ふちを火星の軌道とすると、白身が薄くなっている範囲で、ちょうど火星と地球が並んだ、と考えると、分かりやすいかもしれません。
2年2か月ごとに直線で並び「接近」する火星と地球。2018年~2020年はゆで卵の白身の一番薄い部分ですれ違う大接近の期間。
お互いの距離が前回2018年の次に短い距離となる2020年は、準接近となります。
この後数年、接近とはいえ、火星は地球とは離れた楕円軌道上に並びます。ゆで卵の白身の厚い部分を移動していくわけです。
では、2020年の大接近はいつになるのでょう。
2020年火星接近はいつ、方角、時間は?
2020年の大接近は10月6日の23時18分(午後11時18分)南の高い位置、と発表されています。
この頃には火星はちょうど魚座の方向にあります。空が暗くなる頃、東南東にひときわ輝く大きな赤い星を見つけることができるはずです。これが火星です。
明るさは-2等以上。かなり目立ちます。運よく魚座も目立つ星はなく周囲の星座や天体などに、これほど明るい星はないので、すぐに見つけられるでしょう。
10月6日は月が新月に近いので月光が邪魔をすることもありません。夜が更けて行くに従い、火星はどんどんと南の空の高い位置に移動していきます。
一番接近するのは10月6日ですが、天候に恵まれない、チャンスを見逃してしまう可能性もありますね。
としても、9月上旬~10月中旬頃まで火星は見た目には、それほど大差なく空に現れるので、この時期なら明るく輝く火星の雄姿を見ることが出来るはずです。
けれども、せっかくなので10月6日は雲一つない星空であって欲しいものです。
2020年火星接近の距離や地球への影響は?
惑星や彗星が並んだり、近づいたりすると、その引力により、地震や異常気象、天変地異が起こる、なんて話も聞きますが…心配しないで下さい。
2020年の接近では火星と地球の距離は6207万㎞。火星は地球の約半分の大きさの惑星です。
火星の引力によって地球に何か影響があることはないでしょう。2018年の大接近でも、私たちの生活の中で明らかに火星の影響という現象は確認されいません。
ただ、占星術などでは天体の動きに運命が左右されることもあるようです。
何かを始めるのがいい、とか全てを終わらせるのがいいとか…それは専門の方にお任せするとして、不吉、死の星、争いを起こす、などマイナスな言い伝えがあることは確かです。
火星の英名はマーズ。ローマ神話の軍神マルスが司る星。強い力や争い、そして赤く輝く色から不安なイメージがあるからかもしれません。科学的には火星からの影響はないと言われています。
2020年火星接近、次回の大接近はいつ?
今回の接近の後、火星はまた遠い楕円軌道を進んで行きます。もちろん、約2年2か月には再び2つの惑星は並び接近しますが、しばらくは今回よりも遠い距離で並びます。
火星と地球の距離は一番近い時は約5400万㎞、一番遠い時は約4億㎞。これをずっと繰り返しています。
次に大接近となるのは、2033年7月。今回と同様に6328万㎞の大接近となり、その2年後の2035年11月には5691万㎞と2018年の接近を超える最大の大接近!を迎える予定です。
2033年や2035年は、はるか先のことになりますが、長い楕円の宇宙旅行をしてきた火星に再び会いたいものですね。
まとめ
2020年の火星接近の時期、時間や方角、接近の距離や影響、次回の接近などを紹介しました。
地球の外側の軌道を回り、地球とよく似たつくりの火星ですが、今のところ生命の存在は確認されていません。ですが、地球と同じように四季もあり、嵐も起こっていることは確認されています。
大昔に水があり、今でも極には氷(ドライアイス)があります。地下では大昔の水は凍結しているとも…生命がいない、とは言いきれません。
もしも、火星の地下で何らかの生命が生存し続けているならば?どんな生命なのでしょうか?
そして、もしも火星の大地に立ち、赤い大地と砂の嵐の中で、空に浮かんだ2つの月を眺めながら“地球大接近”を見るとしたら?地球はどのように輝いているのでしょうか?
火星の風景を思い浮かべながら“火星の接近”を見るのも楽しそうです。「火星移住計画」も夢の話ではなくなるかもしれません…。
2035年、さらなる大接近の頃には、また新たな宇宙の神秘が解明され、火星の真実、太陽系の真実、銀河の謎、新たな新説!が私たちを驚かせているかもしれません。
「久しぶり!火星さん。そして、行ってらっしゃい!火星さん。また会う日まで」
火星の大接近を宇宙船の中からみる日も、はるか遠い未来でははないかもしれませんね。
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