この記事はペルセウス座流星群2020年の見ごろ、時間、方向や流星に関する世界の伝説を紹介します。ペルセウス座流星群は三大流星群の一つとして知られます。
これを読めばペルセウス座流星群2020年の見ごろ、時間、方向や流星に関する世界の伝説を知ることができます。それではペルセウス座流星群2020年や流星伝説について紹介いたします。
流星とは?流星群とは?
太陽の周りには私たちの地球をはじめ多くの惑星が太陽の引力によって決まった軌道で回っています。
そして惑星だけでなく、ほうき星と呼ばれる彗星(すいせい)も同様に惑星とは違った軌道に乗って太陽の周りを回っているのです。
一番有名な彗星といえばハレー彗星。大きな楕円軌道を描き、75年に1度、地球の近くを通過していきます。
こうした彗星は核を中心に氷や炭素やメタン、一酸化炭素などで出来ていて、宇宙のチリを取り込みながら移動しています。
もちろん、彗星はハレー彗星1つではなく幾つか存在し、それぞれの軌道をそれぞれの年数で太陽の周りを回っているのです。
その彗星が通過した後には彗星の置き土産のように、少しずつ彗星に付着していたチリが残して行きます。
特に太陽の近くは暑いので彗星の水分は蒸発しチリが多く出ます。
彗星は「はい、通過したよ~!」と言わんばかりに、チリという痕跡を残して去るのです。
これは「ダストトレイル」と言いますが、簡単に言いえば彗星の足跡のようなものですね。
この彗星の軌道上に残った足跡と地球の軌道が交差する時、地球の引力に引っ張られたチリが地球の大気圏に突入し燃えつきる様子が流星となります。
ちなみに、〇〇座流星群、という名前は、その時に流星が流れてくる放射点が地球上から見える星座の位置と重なっているため、星座の名前にプラスして流星群と呼ばれています。
天文学に興味がないと、すでにこの時点でよくわからない、と思う方もおられるかもしれません。
簡単にまとめると、
“彗星が通ったチリの足跡の上を地球が通るとチリが空から燃えながら降ってくる”
…という事です。
ちなみにそのチリとは、1ミリ~大きくて数センチ。大きな岩が燃えているわけではありません。
ペルセウス座流星群とは?
彗星の足跡であるダストトレイルと地球の軌道が重なるとき、流星群が現れます。
三大流星群と言えば「双子座」「しぶんぎ座」「ペルセウス座」です。
ふたご座流星群は12月中旬、しぶんぎ座はお正月、ペルセウス座は8月中旬がピークとなります。
特に2020年のペルセウス座流星群は天候や条件さえ合えば、1時間に30~50個は見えるので、流れ星を観るには絶好のタイミングです。
ペルセウス座流星群の母天体はスイフト・タットル彗星です。
130年に一度、地球に接近します。スイフト・タットル彗星の足跡に地球が重なるということです。
他にも琴座、獅子座、山羊座、牛飼い座、水瓶座など年に何度も流星群はありますが、なんといってもペルセウス座流星群は流星の数も多いです。
時期的にも夏休み中なので家族や仲間、パートナーとなど気軽に楽しめて良いですね。
子どもたちの夏休みの自由研究にもベストです。
ペルセウス座流星群2020年はいつ?
ペルセウス座流星群は夏の風物詩。毎年8月中旬にはペルセウス座から流れ星が観られます。
年ごとに流星の数や時間帯は若干異なりますが、これまで流れ星を観たことない人も容易に観ることが出来るでしょう。
2020年のペルセウス座流星群は7月17日~8月24日頃になります。
最もよく見えるのは8月11日~8月13日の3日間。中でも8月12日が一番見ごろと予想されています。
ペルセウス流星群2020年の見ごろの時間、方向は?
一番の見ごろの時間は8月12日の夜22時~23時(夜10時~11時)がピークです。
まず、ペルセウス座を探すと良いのですが、ペルセウス座は複雑な形をしており星座探しが得意でない人には少し難しいかもしれません。
そんな場合は北東の空を眺めていて下さい。
ペルセウス座はW字型で分かりやすいカシオペア座の右斜め下付近がペルセウスの腕の辺りです。
ラッキーなことに、流星はここを中心に表れるので、カシオペア座を目印にしても良いでしょう。
しかも、ペルセウス座流星群は広範囲に流れるので、ペルセウス座の位置が今一つ曖昧でも、しばらく眺めていれば流星を目にすることが出来るでしょう。
流星は実際には夕方からあるのですが、夜が深まってペルセウス座が空に高くになった時間の方が観測しやすいでしょう。
もちろん、22時~23時が最大、とは予想されていますが、最もよく見える3日間の真ん中の日8月12日。
この日は明け方まで見ごろであることは変わりないので、焦らずゆっくり、それぞれの時間に観測すると良いでしょう。
ペルセウス流星群2020年 流星観測の準備は?
さて、初めての流星観測、という方も多いはずですね。
天体望遠鏡、双眼鏡などなくても、肉眼で十分観測できます。
流れ星を見つけて望遠鏡や双眼鏡を手にしても…覗いた時にはもう、その流れ星は消えているでしょう。
あらかじめ、それらを覗きながら、という手もありますが、覗いている間に別の所で流れている可能性もありますので…。
広い夜空を肉眼で眺め“星降る夜”を楽しんでみるのも良いかもしれません。
天体観測に慣れた方なら自分流の観測を楽しめますが、慣れていない人、得意でない人は、まずは肉眼がオススメです。
夏とはいえ、夜は冷えることもあるので、ちゃんと羽織るものは持っていた方がよいでしょう。
また、出来れば街明かりや街燈などに邪魔されない所がベストですが、暗い場所や人のいない場所では、防犯、そして野生動物などにも十分に注意してください。
また危険な場所に立ち入らないなど、安全面にも気をつけて星空を楽しまれてください。
スターダストが消えぬ間に~流れ星の伝説~
「流れ星に願いをかける」「星が流れると誰かの命が消えた」など良い言い伝えも、不幸な言い伝えも聞いたことがありますが、その言い伝えの元とは?
現代では、流れ星は科学的な研究のもと解明され、流れ星を見たからといって、ラッキーもアンラッキーにもなりません。
全ては人それぞれの運と事情、というのが大半です。
けれども、ずっと大昔の人は、星が流れるなんて!不思議で神がかりな事だったのかもしれません。
世界の流星伝説は?
流れ星の言い伝えは多くの国にあります。ほとんどは宗教にまつわる吉兆、凶兆です。
たとえば、中央アジアやイスラムでは悪さをする悪魔を天使が弓で攻撃している矢、ヒンズー教では悪魔から飛び散った破片。
中国では神様の使者、ウイグルでは悪者が改心できず神様に火を付けられて逃げる姿など…どちらかというと、神や悪魔、魂にまつわるお話です。
あなたも知っておられる「流れ星に願掛け」というお話は、どうやらキリスト教にまつわる伝説のようです。神様が天国の扉を開いた時にこぼれた光で、祈れば神に届くというお話。
また、救われない魂が流れ星となりさまよい、誰かに祈りをささげられると、天国へ行けるというお話。流れ星に祈る、という言い伝えはどうやらこのあたりから出来たのかもしれません。
日本の流星伝説は?
日本人はどちらかと言うと、星よりも月に想いを馳せていたようです。
しかし、流れ星はやはり、不思議な現象として吉凶を意識したいい伝えが残っています。
「流れ星が多いと不作になる」「流れ星を見ると悪夢を見る」「一晩に流れ星を3つ見ると身内に不幸が起こる」、「子どもが流れ星を見ると早死にする」という、ちょっとアンラッキーな言い伝えもあります。
一方、まったく反対に流れ星はラッキーという言い伝えもあります。
鹿児島では「病人が流れ星を見ると回復する」「好きな相手の名前を言えば恋愛成就する」「金欲しい!と唱えると金持ちになる」「誰かが自分の身代わりになった」など。
そして「流れ星が自分の方に流れたら幸運、反対に流れたら不幸」などという伝説もあります。
「流れ星が消えぬ間に3度願い事を唱えると叶う」という言い伝えは、キリスト教の古い教えと、3という数字を尊重する日本人の性質が融合したお話なのかもしれませんね。
まとめ
ペルセウス座流星群2020年の見ごろ、時間、方向や流星に関する世界の伝説を紹介しました。
2020年のペルセウス座流星群はなかなかの見ごたえと予想されています。月が明るいのはちょっと残念ですが、ぜひ“星の降夜”を楽しんではいかがでしょうか?
ちなみに…流星は落ちてきて人間に当たらないのか?と素朴な疑問を持っている人も多いでしょう。
基本的には宇宙から大気圏に入ったチリは、そのまま燃え尽きてしまうので、宇宙のチリが人の頭に命中、ということは、ほぼありません。安心して流星観測をしてください。
ただ、流星ではなく隕石が落ちてくる確率は意外と多く、宝くじで1等を当てるより多いとか…。世界中に隕石落下の跡のクレーターがあります。
日本にも南アルプスの御池山などにクレーターがあります。
実際、今も昔も世界中に大きさは様々ですが隕石は落ちています。落ちた隕石を保管している研究施設や博物館も多くあります。
そもそも、大昔、恐竜が絶滅したのは巨大な隕石の落下という説も…。
地球の存亡にかかわる、映画のような巨大隕石落下の可能性は、絶対にない、とは言い切れませんが、宇宙からの飛来物が自分に直撃ということは、途方もなく稀な確率です。
我が家の庭に隕石が!なんて事があったら…。
そんな話を大切な人達と語りつつ、夏のペルセウス座流星群を楽しんではいかがでしょう?
流星観測の日が雲一つない美しい夜空でありますように…。
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