この記事は、木星の神話や主神ユピテルとゼウスの関係、木星の特徴や衛星を紹介します。
木星は太陽系で最大の惑星で英名ジュピターとしてもよく知られています。
あなたもこれを読めば、木星の神話や主神ユピテルとゼウスの関係、木星の特徴や衛星を知ることができます。
それでは、魅力的な惑星である木星と主神ユピテルとゼウスにまつわる神話の世界へとご案内いたします。
木星はどんな惑星?
木星は太陽系5番惑星、英名ジュピター(Jupiter)、太陽系で一番の巨大惑星です。
太陽からの距離は7億7830㎞、赤道直径は14万2984㎞。自転は約10時間、公転は約4335日。
木星の大きさは地球の約11倍で、太陽系の惑星が全部入ってもまだ余裕、もう1回ずつ入ります。
木星の1日は約10時間と短く1年は12年弱、といった方が分かりやすいでしょう。
木星はガス惑星でほとんどが水素で、他にはヘリウムとメタン、水、アンモニアそして岩石で出来ています。
表面の温度はマイナス150度といわれています。
木星は、その深部へ行くに従って気圧が高くなり、大気の雲の層の下には液体金属の層、
その先には岩石の核があり地表はありません。木星の中心核の質量は地球の10~15倍と推測されます。
木星の衛星は確認されているだけで79個もあります。
探査機ボイジャー1号の調査では地上からの観測では見えなかった“輪”の存在も明らかになりました。
天体写真などで見ている木星の姿は、木星の一番上のガス層です。
その色は含まれる物質によって異なります。
木星のトレードマークの赤茶色の大赤斑は地球の超巨大台風のようなもので、300年以上存在していて地球が2~3個入ってしまう程です。
木星の神話のあらすじ、主神ユピテルとゼウスの関係は?
木星の英名はジュピター(Jupiter)、ローマ神話のユピテルの英語読みです。
木星は太陽系で一番大きく、存在感のある王様のようなイメージがあります。
木星の主神にはギリシャ神話とローマ神話が同一視された天空神ユピテル(=ゼウス)の名がつけられました。
ジュピターの語源にもなったローマ神話のユピテルは、“天なる父”という意味で世界の正義と秩序を守る天空神、古くは天候を操る神ともいわれていました。
ギリシャ神話のゼウスと同じ神とされます。
ユピテルもゼウスも神話では女好き、浮気者というプライベートな部分も一致します。
両者の女性遍歴の逸話は多く、ゼウスはスキャンダルばかり。
そんなゼウスがどうして神々の王となったお話を紹介しましょう。
世界のはじまりはカオスという混沌が広がっていました。
混沌のカオスは、大地の女神ガイアと天界の神ウラノスを作り、ガイアとウラノスが神々を生みます。
しかし、ある不吉な予言が親子三代まで続くことになります。
『正妃の生んだ賢き息子がいずれ、父を滅ぼし権力を奪うだろう』
ウラノスは、「なんて予言だ!子どもたちを何とかしなくては」と用心して長男クロノス以外、子どもたちを1人ずつ冥界に閉じ込めます。
母親のガイアはこれには危機を感じ、成長したクロノスにウラノスを襲撃させ、冥界に追いやります。こうして、クロノスは天下統一、天空神の地位を得ます。
不吉な予言は、クロノスに引き継がれます。
クロノスは姉である女神レイアとの間に、ヘスティア、デメテル、ヘラという3女神とハデス、ポセイドンと5人の子どもを授かります。
俺を攻めてくるのは誰だ?か分かんないから、全部飲み込んじゃおう!
歴史は繰り返す…。
母レイアはガイア同様、1人でも我が子を守ろうと、石に目・鼻・口を描いて布に包み、産まれたばかりのゼウスをクロノスに見せました。
末息子のゼウスよ~、可愛いでしょ?ちょっと固くて重いけど…
へぇ~変な子だな…では、いただきます!
あっ!なんてことを!ああ、私のゼウス~(泣いたフリ)
クロノスはよく見なかったのでしょうか?
いくらなんでも、子どもと石では触感ものど越しも味も違うでしょうに…
レイアはゼウスを侍女に託し遠いクレタ島へ逃がします。
まずはゼウスを守れただけでも成功です。
成長したゼウスは、父からの兄弟救出計画を練り、叔母である知恵の女神メティスから“吐き出しの秘薬”を授かり、いよいよ帰還します。
オマエがゼウス?ま、まさか…
ま~父上、まずは飲んで語り合いましょう。母上、酒をお願い~
レイアはあらかじめ秘薬を混ぜた酒をクロノスに与えます。
クロノスはまさかのゼウス登場にビビっていたので、気にせず秘薬酒を一気飲み!
ウップ!グェ~!!
クロノスの口から、まずは石がゴロッ!
次にポセイドン、ハデスと…飲み込んだ順と逆に子どもたちは次々と吐き出されました。
しかも、立派に成長して。
6人姉弟は協力しクロノスを追い詰め、冥界へ閉じ込めました。
さて、兄が戻ったのに、末っ子のゼウスが何故、天空神を継げたのか?
一説では“くじ引き”だったとか。
まぁ、くじ引きで多少のズルがあったとしても一番の功労者はゼウスです。
ゼウスが大当たりの天空、ハデスが冥界、ポセイドンが海の支配者となったのです。
これが、ゼウスが神々の王になった経緯です…。
ところで、不吉の予言は?ゼウスも父や祖父と同じ運命なのでしょうか…。
ゼウスは秘薬をもらった知恵の女神メティスと結婚、メティスはすぐに第一子を妊娠します。
二度あることは三度ある。メティスの子が男ならヤバいわよ!
母の忠告にゼウスは悩んだ末、変身上手なメティスを水に変身させ、そのままお腹の子ごと飲み干してしまったのです。
とりあえず、これでセーフ!
その後、ゼウスはまた叔母に当たるの女神テミスと結婚。
生まれた子は続けて女神だったので、安心し気が緩んだのか?
今度は実姉のヘラを見初めます。ヘラは全くなびきませんが、それでもグイグイ口説き続けます。
いいわ、付き合っても。でも1つだけ条件があるわ。
OK~!なんでもしちゃいま~す!
奥さんと別れて、私と結婚してくれる?
ゲ!それは~
ヘラは婚姻の女神、愛人なんてあり得ません。
ゼウスはヘラに超ご執心だったので、早々にテミスとの離婚。
ヘラを正妃に迎え、男神のヘイパイトス、アレスが誕生します。
しかし、予言の兆しはありません。
ヘイパイトスは鈍いし、アレスはちょっとアレだし…平気かな?
ある日の夕食後、ゼウスの激しい頭痛に襲われます。
イッタ~い!!ヘイパイトス、早く頭みてよ~。
う~ん父上。ちょっと切るよぉ~。
と、ヘイパイトスが頭を開けると、なんと!そこからゼウスの体内で美しく賢く成長したメティスとの娘、知恵と戦の女神アテネが飛び出してきました。
最初の正妃の子は男神でなく女神。しかもゼウスの頭から生まれたため、不吉な予言の終止符となり、ゼウスの地位は確固たるものになりました。
ゼウスもユピテルも浮気者の子沢山と設定されたのは、実はヒトの都合。
最高位の神の子孫である事は、当時の権力者には威厳やカリスマを得るための大切な要素。
女性にモテるのも男の甲斐性(?)、神の子が多ければ子孫も幸が多い!?
後の世で「俺、神の末裔!」が通用しやすいということです…。
太陽になれなかった木星と衛星たち
木星を構成する物質は、ほぼ太陽と同じですが、太陽は恒星に、木星は惑星にとどまりました。
原始の太陽系の頃、もっと木星に質量があれば(といっても80倍以上は必要)木星も恒星となり、太陽と二重星だったでしょう。
木星の衛星たちも“惑星”になります。
木星の衛星の中で1610年ガリレオが最初に発見した「ガリオ衛星」と呼ばれるイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つは古くから有名です。
衛星イオ
近年の探査機での調査・観測では次々と衛星が発見され、ガリレオ衛星も素顔が見えてきました。
木星に最も近く火山と硫黄の星イオ。
月の1/3程度の小ささでも氷の層とその下の海では生命の存在が期待されるエウロパ。
太陽系で一番大きな衛星ガニメデ。多くのクレーターと氷に覆われたカリスト。
この4つだけでも星の息吹が感じられます。
ガリレオ衛星を含む79の衛星の大半に、ゼウスの愛人や縁ある女性の名前がついています。
回りは彼女だらけ!木星を回る衛星たちはまるでハーレムのようですね!
まとめ
木星の神話や主神ユピテルとゼウスの関係、木星の特徴や衛星について紹介しました。
木星の主神であるローマ神話のユピテルは、ギリシャ神話のゼウスと同一の神とされます。
その神々の王とされるゼウスですが、そうなるにはいろいろな経緯がありました。
また、木星は、ガスを主成分とする惑星でほとんどが水素で、他にはヘリウムとメタン、水、アンモニア、岩石などで出来ています。表面の温度はマイナス150度といわれています。
もし、木星に80倍以上の質量があれば惑星とならず、太陽と同じような恒星となっていてかもしれません。
木星が恒星になっていたら太陽系の姿はまったく違ったものになっていたことでしょう。
運よく地球が存在できていたら…。
空には大きい太陽と小さい太陽が2つあり、夜も小さい太陽の光であまり暗くならなかったかもしれません。
大きな宇宙のわずかな偶然で世界は全く違ったものになるのでしょう…。
今後、木星に関する天文学の新たな発見が楽しみですね!
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