ケンタウルス座の神話が分かる！星座の特徴、α星やβ星は？

この記事はケンタウルス座のギリシャ神話のあらすじ、星座の特徴、α星、β星を紹介します。

ケンタウルス座は南天に輝く星座です。地球に最も近いケンタウルス座α星で知られます。

あなたもこれを読めば、ケンタウルス座の神話、星座の特徴、α星、β星を知ることができます。

ケンタウルス座はどんな星座、特徴は？

星座図で全天を見ると２体のケンタウルスの姿が確認できます。

ケンタウルスとは、腰から上が人間、下半身が馬！

ギリシャ神話にはこの半身半馬のケンタウルスは度々登場しています。

 

１つはお馴染みの射手座のケイローン、もう１つが、このケンタウルス座のフォーラス（フォローまたはホロスともいわれます）。

ギリシャ神話ではメジャーな生き物のケンタウルスは、ケンタウロス、センタウルとも表記されます。

どれも間違いではありませんが、学術的には「ケンタウルス座」が正式名称とされています。

 

ケンタウルス座は春の夜に南の地平線から昇ってきます。

１等星のα星とβ星、４つの２等星がメインのケンタウルス座の姿です。

しかし、残念ながら日本のほとんどの地域ではケンタウルスの半身しか眺めることはできません。

シンボルである２つの1等星も、ケンタウルス全体の姿も確認できるのは日本の最南端付近だけです。

春の南の夜空、乙女座のスピカから、さらに南に目を向けると比較的に明るい粒ぞろいの星がいくつか輝いています。

天の川の中にあるので、肉眼でも確認できるオメガ星団やブーメラン星雲をはじめ多くの魅力的な天体が凝縮されています。

 

さて、このケンタウルス座にはどんな物語が秘められているのでよう？

 

 

ケンタウルス座のギリシャ神話は？

ケンタウルス座のモデルはケンタウルス族の姿をした青年フォーラスといわれています。

フォーラスはアポロン神の末裔とニンフの息子。

同じように、ケンタウルスの姿をした射手座のケイローンもクロノス神とニンフの息子。

 

どちらも姿はケンタウルスですが、神の血を引いているので、純粋なケンタウルス族とは少し違ったようです。

もちろん、ケンタウルス族は伝説上の生き物です。

古代ギリシャ人が山岳部で生きる騎馬民族のスキタイ人と戦った時、馬を身体の一部のように操る人々に驚き、“半人半馬”の種族として伝えたといわれています。

 

 

それでは、フォーラスの物語の扉を開いてみましょう。

ヘラクレスがケンタウルスの里で大きな獲物を仕留める際、道案内とサポートをしたのが、親友であったフォーラス。

ヘラクレスが誤って師匠であるケイローンを殺めてしまった時、フォーラスも居合わせていました。（詳しくは射手座の記事を参照ください。）

 

フォーラスは気性の荒いケンタウルス族と共に暮らしていました。

温厚で賢いフォーラスは常にケンタウルス族のために尽力し、一族からの信頼も厚かったようです。

ヘラクレスがフォーラスの制止も聞かず、勝手に飲んでしまった酒もフォーラスが一族から預かったものでした。

 

ニオイに敏感なケンタウロスたちはすぐにヘラクレスが酒を飲んだこと気づき、怒って襲撃してきました。

多勢に無勢でもヘラクレスは、触れただけで命を奪うという猛毒をつけた矢で応戦します。

 

 

温厚なフォーラスはヘラクレスとケンタウルス族の間で右往左往。

ヘラクレスは襲い掛かかるケンタウルスを次々と倒し、洞窟に追い詰めます。

 

 

まさか、そこに師匠ケイローンがいるとも知らずに…そして、この猛毒の矢は。

騒ぎに気付き様子を見に来た師匠ケイローンに命中し、命を奪ってしまうのです。

フォーラスは自分がもっと上手に対処していたら、ヘラクレスは罪を犯さず、多くのケンタウルスもケイローンも命を落とさなかったと、深く後悔します。

 

フォーラスは泣きながら倒れているケンタウルス達の様子を1人（1頭？）ずつ確認して回りますが、皆ほぼ即死状態。改めて、この毒の威力に驚愕します。

フォーラスは倒れたケンタウルスに刺さった矢を抜き、まじまじと観察。

何故こんな事が…と、その毒に触れようとしたその時、ヘラクレスが叫びます！

 

驚いたフォーラスの手から猛毒の矢は滑り落ち、彼の前足に突き刺さりました！

わずかでも触れたら即死する猛毒は一瞬でフォーラスの命をも奪ってしまいます。

 

自分の過ちから、師匠ケイローン、親友フォーラスまでも亡くしてしまったヘラクレス。
試練の途中で更なる絶望を味わいます。

哀しみに暮れるヘラクレスの姿に、さすがのゼウスも温情をかけずにはいられません。

 

フォーラスを星座に変え、空に上げました。

 

 

ヘラクレスは苦しみの中、試練を再開します。

試練を１つ終える度に、夜空に輝く師匠と親友2人のケンタウルスの姿を眺めては、二度と過ちを犯さないと心に誓い、12の試練を全て成し遂げていくのです。

 

ケンタウルス座のα星、β星は？

南天の夜空でケンタウロス座の２つの１等星α星とβ星は「南の指極星」と呼ばれています。

北半球の北極星（こぐま座のポラリス）のように、南極星に当たるポラリス・アウストラリスという星は５等星以下で目立ちません。

そのため、すぐそばにあるサザンクロス（南十字星）が方角を知るためのシンボル。

サザンクロスを見つけるためには、大きな輝きを放つケンタウルス座のα星とβ星は大事な目印だったのです。

 

α星、β星

 

ケンタウルス座を語る上で、一番外せないのはケンタウルス座のα星。

「アルファ・ケンタウリ」という呼び名で有名です。

一見１つの星ですが、実は三重連星で、α星Aリギル・ケンタウルスを主星に、伴星のα星Bトリマンとα星Cプロキシマで構成されています。

 

我々の太陽系からアルファ・ケンタウリまでは約4.3光年、惑星系を持つ一番近い恒星です。

α星Aは太陽より若干大きく、BとCに惑星があるとされています。

Cのプロキシマは他の２つよりも太陽系の近くにあります。

 

以前よりこのアルファ・ケンタウリの惑星系には生命の可能性が囁かれ、多くのSF作品でも舞台となっています。

有名どころでは映画「アバター」、「トランスフォーマー」、日本でもアニメ「宇宙戦艦ヤマトⅢ」などにもアルファ・ケンタウリの惑星が登場します。

今のところ、この惑星系に生命の存在出来る星は確認されていません。

2018年にNASAが打ち上げた探査衛星やその他の多くの最新型宇宙望遠鏡を搭載した探査衛星がこれから本格的にα星の惑星調査を開始するそうです。

調査結果が待ち遠しいですね。

 

まとめ

ケンタウルス座のギリシャ神話のあらすじ、星座の特徴、α星、β星を紹介しました。

ケンタウルス座のギリシャ神話では、ケンタウロス族と親睦を深め、ヘラクレスの試練を結果的に後押しした心優しいフォーラスの一生を紹介しました。

ケンタウルス座の全体の姿も、太陽系から一番近い「アルファ・ケンタウリ」どちらも、日本の一部の南の島でしか見られないのはとても残念です。

 

チャンスがあるなら、美しい南の空で輝く、ケンタウルスの雄姿と惑星系のあるα星を一度は見てみたいものですね。

太陽系に一番近い惑星系アルファ・ケンタウリには、どんな世界広がっているのでしょうか？

 

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