この記事はおおいぬ座のギリシャ神話のあらすじ、シリウスや赤色超巨星vyを紹介します。
おおいぬ座は全天で一番明るく輝く一等星シリウスで知られる星座ですね。
あなたもこれを読めばおおいぬ座の神話のあらすじ、シリウスや赤色超巨星vyについて知ることができます。
おおいぬ座はどんな星座?
おおいぬ座を見つけるならば、やはり冬の空。
特に冬の空は星が見えやすい上に、明るい大きな星をたくさん見られます。
おおいぬ座の目印といえば、1等星のシリウス。
このシリウスとオリオン座のベテルギウス、そして、こいぬ座のプロキオン。
この3つを繋いだ“冬の大三角形”は冬の夜空の代名詞。
シリウスは全天で一番大きな1等星。
オリオン座のベテルギウスさえ見つけてしまえば、その付近で一番大きく輝く星が「おおいぬ座のシリウス」です。
ちょうど犬の口元、鼻先にあるのがこのシリウスです。
ここからチンチンする犬の姿でも想像しながら繋いでみるとよいでしょう。
星座図をみると、星座の並びでは珍しい、なかなかしっかりとした“ワンちゃん型”が象(かたど)られています。
おおいぬ座やシリウスのギリシャ神話や伝承は?
おおいぬ座とこいぬ座は、オリオンの2匹の猟犬とされています。
冬の大三角形に追い込まれた獲物は、もう逃げ場はなさそうですね。
実はおおいぬ座には、オリオンの猟犬だけでなく、いくつかの別の神話が残されています。
複数あるのですが…この大きな犬自身に聞いてみましょう。
私、おおいぬ座の犬。
自慢は鼻先でピカピカ大きく輝くシリウス!“焼き焦がすもの”って意味なのよ!ね、強そうでしょ?
私がオスか?メスか?それは、ヒ・ミ・ツ!ご想像にお任せするわ。
オリオンさんの猟犬、っていうのは幾つもある私の一面の1つでしかなのよ。
私も人生いろいろだったわけよ。聞きたい?教えてあげようか?
オオイヌ回顧録 その1
その昔ね、私、アクタイオンって王家の子の飼い犬だったの。
その時の名前は「メランポス」。
アクタイオンは王家のボンボンで、毎日狩りばっかりしてるから狩りが得意。
私と仲間の犬もお供してたわよ、猟犬だもの。
それにアクタイオンのくれるご飯、美味しいしさぁ~。まぁいいかな?と思って…。
ある日、アクタイオンったら、立派な大きな鹿に目星をつけたのよ。
みんなで追いかけたんだけど、その鹿、超素早くて森の奥へ奥へと逃げていったの。
そうしたら、私たちいつの間にか、アクタイオンとはぐれちゃった。
日が暮れて、真っ暗な森の中をアクタイオンは一人さ迷っていたら、森の奥にとっても光る場所があったんだって。
恐る恐る近づくと、そこには輝く泉があって、すっごい美人が全裸で水浴びしてたのよ。
アクタイオンはその美人が月の女神アルテミスだって、すぐにわかったらしいんだけど…。
男ってバカでスケベじゃない。
「ダメだ、ダメだ、ダメだ!」と思いつつ、顔を覆った手の指の隙間から…
見ちゃったのよ。バカでしょ~?
もちろん、即バレるって!相手は神様だもの!
「そこにいるのは誰?!見たわね~!殺す!」
と月の女神アルテミスから泉の水をぶっかけられたの。
「ゴメンナサイ!出来心です。誰にも言いません!!」
と言い終わらないうちに、アクタイオンはなんと、鹿に姿を変えられちゃったのよ!
アルテミスは風呂を覗かれたことに相当腹を立てて、すぐに姿を消しちゃった。
鹿のまんまのアクタイオンは途方に暮れて、暗い森をさ迷っていたの。
そこに、はぐれた私たちが猟犬団と現れた、ってわけ。
「メランポス!僕だよ、僕!アクタイオンだよ」と言ったのかもしれないんだけど、私たち鹿の言葉なんて分からないもん。
「あ、いた鹿!アクタイオンに持っていってあげよう!ご褒美のご飯はさぞかし美味しいだろうな~」ってみんなで鹿をボコって仕留めちゃった。
「よくやったわ、犬たち!これで私の裸体を言いふらす者が消えたわ」と…。
突然アルテミスが現れて、超ほめられて、ごほうびに私をおおいぬ座に、相方のワンコをこいぬ座にしてくれた。
私は美味しいごはんの方が良かったけどね。
でも、な~んでアルテミスってそこまで、裸見られた事を嫌がったのかしら?
見られたからって減るもんじゃない。
3段腹?それとも趣味の悪いタトゥーでもあったのかしらね?
ごめんね、アクタイオン…知らずに殺しちゃったわ。
オオイヌ回顧録 その2
その時の私の名前は「メーラ」。飼い主は、アテネ王のイカリオス。
私たちは何処に行くにも何をするのも一緒、とても仲良しだったのよ。
でもね、イカリオスは突然病気になって、亡くなっちゃったの…。
イカリオス、最近ベッドで寝てばかりいるな、元気ないな。
とは思っていたんだけど、ある日突然、いなくなった。
時は私もタダの犬だからさ、意味が良く分からなくて…。
いつもイカリオスと遊んでた場所で、私ず~っとずーっと…。
何日も動かずに、イカリオスが来るの待ってたけど、いつまで待っても来ない。
そのうち、なんだかとっても眠くなって、気づいたら、イカリオスの声がして迎えに来てくれたの。
後に忠犬メーラ。そう呼ばれたらしいけど。そんなの死んだ後じゃね…。
日本にも私と同じ忠誠心を持った犬いたんでしょ?
渋谷とかいう騒がしい街で銅像にまでになっちゃった犬が。
ずるいわ~私の方が先なのにぃ!今は再開発とかで生まれ故郷に帰ったみたいね。
ハチだっけ?気が合いそうじゃない。
オオイヌ、コイヌに次いで、チュウイヌって事で星座になるよう神様に頼んでもいいけど…。
チュウケンだけにチュウ犬座~!え?あら、残念。お空にハチのスペースないわ、ゴメン。
まだあるのよ。漁師ケファリスの「レラプス」って猟犬だったこととか。
足が速くて賢くて獲物は絶対逃さない優秀な猟犬だったんだ。
世界一素早くて賢いキツネと勝負したの。
絶対獲物を逃さない犬と、絶対捕まえられないキツネとの大勝負。
その勝利のご褒美に星座にしてもらったわ。
それから、怪物になったこともあるの。
凶暴な化け犬「ケルベロス」。
ヘラクレスに退治されちゃったんだけどね。
ぜーんぶ、わ・た・し。
動物の転生って人間より早いらしいから、結構たくさん生きたわね。
いろんな一生があったけど、いつも私の自慢はこのシリウス!
ピカピカ大きく輝くこの星は、どんな時でも私を照らしてくれたのよ。
2連星シリウスと赤色超巨星vyとは?
おおいぬ座の神話も、この犬の性格がよくわかるお話でしたが、神話だけでなくおおいぬ座を彩る星々もとても魅力的。
ただ美しいだけでなく宇宙の神秘がたくさん詰まっています。
ここからは、おおいぬ座にある大変興味深い天体にスポットを当ててみましょう。
おおいぬ座にはシンボルマークの1等星シリウス。
実は1つの星のように見えますが…。
私たちがいつも見ている大きなシリウスAの陰で、肉眼では見えない小さな小さなシリウスBという伴星を持つ2連星なのです。
太陽より大きなシリウスに地球と同じくらいの小さな恒星、2つが引き合うように存在しているのです。
望遠鏡によって確認されたのは1862年でしたが…。
実は天文学的に解明されるずっと前から、シリウスが連星となっている事を知っていた民族がいたのです。
西アフリカのマリ共和国の小さな部族「ドゴン族」。
彼らの語る神話にはシリウスについてだけでなく、この太陽系の惑星など多くの情報が盛り込まれました。
そして後になって天文学の分野でそれが証明されるという事が度々あるのです。
ドゴン族は天文学すらない時代にこれらの情報を知っていたのでしょう??
実はおおいぬ座には、シリウス以外にとても興味深い重要な天体があります。
現在、確認されている恒星の中で一番大きいとされている赤色超巨星vyという星です。
このvyはおおいぬ座のちょうど尻尾の少し上付近に存在しています。
しかし残念ながら、いくら巨大とはいえ、さすがに肉眼で確認することは難しいでしょう。
約3700光年彼方のおおいぬ座vy星は太陽の25倍の質量、半径は1400倍以上。
太陽の位置に置いたとすると、土星の軌道も飲み込む程と言われる赤色超巨星です。
恒星は星としての一生が終わりに近づくと、どんどん質量が増し大きく膨らみ赤色巨星となります。
その中でさらに光度や直径が巨大化したものを赤色超巨星といいます。
オリオン座のベテルギウス、さそり座のアンタレス、ケフェウス座のガーネット・スターなども同様にです。
この、おおいぬ座の赤色超色巨星vyとオリオン座のベテルギウス。
近々、超新星爆発などを起こすのではないか?と言われています。
すでに、可視できるお馴染みのシリウスは元のサイズの100倍以上!
星の最期、超新星爆発を起こしたら…おそらくブラックホールになるのでは?と予想されています。
この大きな宇宙での「近々」とは、少なくとも1000年前後。
“近々”の基準が人類の時間の感覚とは異なりますが、宇宙は謎だらけ。
今日、明日、そして1~10年かもしれませんが…。
私たちが目撃することは「ない」とは言えません。
近い将来、この星に変化があれば…宇宙の仕組みや、星の一生がまた1つ、解明されていくのでしょう。
まとめ
おおいぬ座に関するギリシャ神話のあらすじ、シリウスや赤色超巨星vyについて紹介しました。
おおいぬ座の物語、どの神話でも、このワンちゃんは賢く強い忠犬であったことは間違いなさそうですね。
犬に限らずとも、もしペットがいるならば、一緒に冬の夜空にシリウスを見つけ、その神話を語ってあげるのも楽しいかもしれません。
返事はしないでしょうが、何か共感してくれるかもしれませんよ!
そして、おおいぬ座の目玉である全天で一番大きい1等星シリウスの実態。
超新星爆発を起こすかもしれない赤色超巨星vy。
どれを取っても「おおいぬ座」は目が離せない興味深い星座です。
そうそう、シリウスの正体を知っていたドゴン族や“シリウス星人”なんて話もありますが??
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