キャベツのプランターでの育て方、追肥や水やりのコツ、病害虫について説明します。
キャベツは多くの料理に使えて美味しいうえに栄養満点の健康野菜として人気です。
あなたもキャベツのプランターでの育て方、追肥や水やりのコツ、病害虫について知り、育ててみませんか?
これを読めば初心者でも簡単にプランターでキャベツを育てることができます。
さぁ、あなたも一緒に家庭菜園を始めましょう!
はじめに
キャベツはヨーロッパの地中海、大西洋の沿岸地が原産地です。
日本には江戸時代の末期に伝えられました。
その後、各地で品種改良が進められて普及し、今では食卓にかかせない野菜となりました。
キャベツには出荷時期によって、夏秋キャベツ、冬キャベツ、春キャベツの3つの名称があります。
春に種をまいて夏から秋に収穫されやや緑色の濃い夏秋キャベツ(高原キャベツ)。
夏に種をまいて冬に収穫され甘みがあり球が締まっている冬キャベツ(寒玉)。
そして秋に種をまいて翌春に収穫され内部まで黄緑色を帯びてみずみずしく柔らかく甘みのある春キャベツ(新キャベツ)。
その中で一番作りやすい「夏まき秋どり」のキャベツの作り方をご紹介します。
夏まきの冬キャベツを種から育てると、初心者には温度管理が大変なのでホームセンターなどで苗を購入して育てることにします。
また、キャベツにはさまざまな品種がありますが、主なものを紹介します。
・紫キャベツ :生食用向きで柔らかく甘い。球は小ぶり
・ちりめんキャベツ :葉がちりめん状に縮れていて、煮込み向き
・黒キャベツ :結球しないちりめん系のキャベツで、煮込み向き
その他、ミニキャベツやポイントワンなど形がとがったジューシーなキャベツなどもあります。
また、キャベツにはビタミンCやカロテンを多く含むほか、胃腸薬の成分として利用されているビタミンUや疲労回復に役立つ必須アミノ酸のリジンなど健康に良い栄養素が多く含まれています。
ビタミンUは、キャベジンと呼ばれ、胃腸薬の原料にもなっている有名な栄養素です。
寒さに強く、氷点下になってもほとんど被害がないので、冬場の健康維持や野菜不足解消に役立つ野菜です。
キャベツは生食でも、火を通しても美味しい野菜で、サラダはもちろんのこと、マリネや浅漬けでもさっぱり食べられます。
回鍋肉(ホイコーロー)や野菜炒め、ちゃんぽん、焼きそばなどの炒め物にも活躍します。
キャベツとお肉で丸ごと煮込み料理やトマトスープ、ロールキャベツ、カレー煮やポトフなどの煮込み料理も絶品です!
キャベツの基本情報
キャベツの基本情報です。
科 目 | アブラナ科 |
日 照 | 日なた |
生育温度 | 15~20℃ |
発芽温度 | 15~30℃ |
連作障害 | あり(2〜3年は空ける) |
連作障害があるのでアブラナ科の野菜を栽培した同じ場所では2〜3年は間を空けます。
キャベツの栽培カレンダー
キャベツの栽培カレンダーです。
キャベツのプランター栽培 準備するもの
・苗(夏まき)
ホームセンターなどで購入します。
本葉が4~5枚、葉の緑色が濃い、病害虫の被害が無いものを選びます。
・野菜用培養土(元肥入り)プランターに合った容量
肥料入り培養土「キッチンガーデン 果菜用」が、おすすめです。
・プランター 幅70cm×奥行30cm×高さ30cm程度 (2株用)
・鉢底網(底に穴があるプランターの場合のみ)
・鉢底石(排水用すのこ付のプランターの場合不要)
・化成肥料(又は液体肥料)
・防虫ネット(寒冷紗)
・スコップ・軍手・寒冷紗・麻ひも等
キャベツのプランター栽培 植え付け、追肥、水やり
用土・肥料
まずはプランターに用土を入れます。
水はけが良くなるようにプランターの底には鉢底石を敷きます。
鉢底石を底が見えなくなるまで敷き詰めるのがポイントです。
用土は野菜用の培養土をプランターのふちから2〜3cmほど下まで入れます。
野菜用培養土には予め肥料が含まれているので肥料は不用です。
苗の植え付け
プランターの土の表面を平らにならします。
35~40㎝ほど株間をあけて、ポットより少し大きめの植え穴を掘ります。
掘った穴にジョウロで水を先に注ぎ、苗を植え付けます。
子葉が土に隠れないように、浅植えします。
植え付けるときに、害虫用のオルトラン粒を穴に撒いておくと、害虫駆除に効果的です。
株元に土をかぶせたらしっかりと押さえます。植え付け後はたっぷりと水を与えます。
防虫ネット
キャベツは、害虫の被害を受けやすい野菜です。
苗を定植後と同時に防虫ネットとして寒冷紗をかけます。
支柱を曲げてプランターにさし、寒冷紗をかけて、端を洗たくばさみなどで留めます。
被害にあうと、葉がボロボロになり生育が遅れるほか、収穫できなくなります。
必ず行うようにしましょう。
土寄せ、追肥
苗を植えつけて2週間後から、2週間に1回、化成肥料大スプーン1杯分の量を土に撒き、スコップ等で混ぜてから土寄せを行います。
葉を傷めないように葉を持ち上げ、株元に土を寄せあげます。
キャベツは、肥料をよく吸収します。肥料切れを起こさないよう注意しましょう。
水やり
水やりは、朝に行いますが、土の表面が乾いたらその都度水を与えてください。
一方、過湿には弱いので注意します。
結球が始まったころから、生長が旺盛になります。水をたっぷり与えるようにします。
土が乾燥しすぎないように敷きワラをするのがおすすめです。
キャベツのプランター栽培 収穫
苗を植え付け後、約10週間もすると球が肥大してきます。
球の上部を手で軽く触って、硬く締まっていたら収穫の目安です。
外葉を1~2枚つけて結球部分の根元を切取り収穫します。
球を斜めに押し下げて切ると収穫しやすいです。
採り遅れると成長しすぎて球が割れて(裂球)してしまうことがあります。
球が割れても食べられますが、味が悪くなるので、早めに収穫しましょう。
キャベツの病気と害虫は?
病気
病気は比較的少ない方ですが、萎黄病、黒斑細菌病、軟腐病、べと病などが発生することがあります。
萎黄病
株の片側の下部の葉が黄色に変色し、その後上部にも広がって枯れます。連作を避け、発症した株は抜き取って処分します。
黒斑細菌病
葉に黒い斑点が出来て周囲に広がります。秋口に発生しやすく、肥料切れに注意します。
軟腐病
地面に近い葉や茎、根などが腐ってどろどろした状態になります。
害虫などをこまめに駆除して葉や茎、根に傷をつけないようにします。
発症した株は抜き取り処分します。
べと病
葉の裏に灰白色のカビが発生したり、多角形の黄色の斑点が出来て、株を枯らします。
連作を避け、水はけを良くし、チッ素過多にならないようにします。
害虫
キャベツは害虫が多く、アオムシ、アブラムシ、シンクイムシ、ヨトウムシなどが付きやすいです。防虫ネットをかけると被害を抑えることができます。
アオムシ
モンシロチョウの幼虫が葉を食害します。モンシロチョウを見かけたら幼虫を探して捕殺します。葉の裏側についた卵は取って処分します。
アブラムシ
新芽や葉の裏側に群生して植物の汁を吸います。歯ブラシや筆などで払い落とします。牛乳をスプレーで噴霧するのも効果があります。噴霧後は牛乳を洗い流します。
シンクイムシ
小さな虫が茎を食害して結球を妨げます。葉を観察して見つけしだい捕殺します。
ヨトウムシ
ヨトウガの幼虫が夜間に活動して葉を食い荒らします。夜間活動しているところを見つけて捕殺します。
まとめ
キャベツのプランターでの育て方、植え付けから追肥、土寄せと水やりのコツ、収穫や病害虫などをまとめました。
キャベツは害虫対策がもっとも重要ですが、プランターに防虫ネットをかけて育てると、管理がしやすくなります。収穫したてのキャベツは特に甘くみずみずしいです。
美味しいだけでなく、身体に大切な栄養素が含まれており、健康にも良いです。
生育期間は長いですが、大きくなる姿は、とても楽しくわくわくとして楽しいガーデンライフが送れます。最後に大切なポイントをおさらいします。
押さえておきたい3つのポイント
1.害虫対策はしっかりと!防虫ネットは必須!
2.連作をさけ、株間はしっかりあける(葉同士がつかないように切る)
3.肥料切れと水のやりすぎに注意
あなたもキャベツの栽培にチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
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