テレサ・テン「時の流れに身を任せ」の歌詞の意味を考察!禁断の恋に身を焦がす | カモシカおやじの趣味ブログ

テレサ・テン「時の流れに身を任せ」の歌詞の意味を考察!禁断の恋に身を焦がす

昭和歌謡
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この記事は、 テレサ・テン「時の流れに身を任せ」の歌詞の意味を考察します。

1986年に発売されたこの曲は、許されない恋に身を焦がす女性の心を、情緒豊かに歌いあげ、人気となりました。

それでは、テレサ・テン「時の流れに身を任せ」の歌詞の意味を読み解きます。

 

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テレサ・テン「時の流れに身を任せ」はどんな曲

【時の流れに身を任せ】

アーティスト:テレサ・テン

作詞:荒木とよひさ

作曲:三木たかし

リリース: 1986年2月21日(トーラスレコード)

★チャート最高順位
週間6位、1987年度年間42位(オリコン)

「時の流れに身を任せ」は1986年2月に台湾の歌手、テレサ・テンの16枚目のシングルとして発売されました。

彼女のヒット作の「つぐない」「愛人」に引き続き人気となり、同年12月の第19回日本有線大賞および、第19回全日本有線放送大賞(年間)のグランプリを受賞しました。

 

テレサ・テン「時の流れに身を任せ」の歌詞の意味を考察

許されない恋、というと、いかにもドラマチックな展開を予想しますが、この歌に出てくる女性の恋は、慎ましやかで、いじらしさを感じさせます。

しかし、一方で彼女の儚げな姿からは、護るものができた人だけが持つ、凛とした強さも伺えます。

 

今、西日が差す小さな部屋で、こうして受話器を片手に、実家の母親に心配させまいと明るく振る舞う彼女の姿からも、その片鱗が伺えるのです。

 

うん、元気よ。仕事も順調。…そんな人、いないってば。

いたら、母さんに真っ先に紹介するわよ。…うん、母さんも体に気を付けてね

彼女は、静かに受話器を置きました。

小さなため息とともに、窓の外を見ると、ちらほらと雪が舞っています。

 

彼女は、先ほど、娘を案ずる母親に告げた嘘を噛みしめていました。

恋人?やだ、そんな人いないわよ、素敵な人が出来たら、真っ先に紹介するわ。

今日は木曜日。

あと15分もすれば、愛する彼が足音を忍ばせて、彼女のアパートにやってきます。

この日のために、仕事もそこそこに切り上げて、息を切らして花屋に駆け込み、部屋を隅まで掃除しました。

お化粧も綺麗に直して、彼が訪れるのを待つだけです。

 

母さん、嘘をついて、ごめんなさい。でも、私はもう引き返せないんです。

引き返すつもりもありません。

 

もし、彼に出逢っていなかったら、彼女は今頃、心優しい誰かと食卓を囲んでいたかもしれません。

やんちゃだけれど可愛い子供たちの世話に追われていたかもしれません。

しかし、今の彼女にとって、愛する人の赤ん坊を胸に抱くことは、彼女にとっては過ぎた幸せでした。

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それでもいい、人並みの幸せが得られなくたって…。

あなたは、人を愛することの尊さを教えてくれたわ。

あなたのそばにいるときが、私は一番、生きる喜びを実感できるのよ。

だから、後ろ指を差されたって、私はくじけない。

 

手の届かない幸せを望むのは、はしたないこと

そう彼女が思うようになったのは、幼い頃の環境が影響しているのでしょうか。

お墓に供えられた小さなお饅頭を兄弟と分け合って食べたあの頃。

 

いつも私はお腹をすかせて、母の帰りを待っていた。

公園で父親に肩車されている子たちが羨ましかった。

それでも、悲しい時、寂しい時は、いつでも飛び込んでいける母の温かな胸があった。

だから、私は幸せ。

でも…。

 

あなたとは、淡い思い出だけじゃ生きていけないの。

あなたの声を直に聞いて、あなたに触れて、あなたの体温を感じたい。

あなたの胸に耳を押し付けて、心臓の鼓動を聴いていたいの。

もしもあなたが私のことを嫌いになってしまったら、わたしは何を頼りに明日から生きていけばいい?

だから、私を捨てないで。お願いよ…。

 

主人公は鏡台に映る自分の顔に気づき、はた、と動きを止めました。

人の道から外れた恋をしてるのに、どうして私は、綺麗になってるんだろう?

ふっくら丸かった頬は、幾分、肉が落ち、大人の女性らしい翳りが浮かんでいます。

そして大きな瞳は、今にも涙が零れ落ちそうに潤んでいました。

彼と愛を確かめ合ってから、すでに3年の月日が経っています。

自分でも、こんなに長く続くとは思いませんでした。

しかし、月日を追うごとに彼女の恋心は、深い愛情に変わっていったのです。

 

主人公は、彼から先週、言われた言葉を噛みしめていました。

僕のお嫁さんになりたい?

 

あの時、彼女は首を横に振って、はっきりと言ったのです。

ううん。これ以上、あなたに苦労をかけたくない。

あたしは、あなたにほんの少しでも、幸せをお裾分けしてもらってるから。

だから充分、幸せ。

これ以上の幸せを望んだら、罰が当たるわ

 

そうよ。

あなたが、いつも自信が持てずに俯きがちだった私を、凛とした美しい女に変えてくれたの。

だから、そんなあなたが、もし、私の命が欲しいと言うなら、差し出したって構わない。

 

残りの人生を全てあなたに捧げると決めたの。

だから…。

主人公は、形よく唇に紅を引きました。

お願い。どこにもいかないで。

あなたは私の魂の片割れだから。

あなたを失うことは、私の心の半分がひきちぎられてしまうことなのよ。

 

玄関のチャイムが鳴りました。

彼女は弾かれたように立ち上がると、小走りで部屋を飛び出していきました。

二人はこれから何処へ向かっていこうとしているのでしょうか。

それは二人にも分かりません。

長い長い時間のうねりに、この歌のように身を任せていくしかないのです。

 

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まとめ

テレサ・テン「時の流れに身を任せ」の歌詞の意味を考察しました。

彼女は、いくつもの禁じられた恋を歌い続けてきました。

この曲もいわゆる”許されない恋”の立場にある女性をテーマにしたものです。

歌詞から伝わってくるのは必ずしも暗いイメージではなく、人を愛することの気高さや美しさ、謙虚で一途な相手への想いが感じられます。

そうしたことも相まってこの曲をより魅力的にしているように思いました。

 

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