荒井由実「やさしさにつつまれたなら」の歌詞の意味を考察!優しくて懐かしい | カモシカおやじの趣味ブログ

荒井由実「やさしさにつつまれたなら」の歌詞の意味を考察!優しくて懐かしい

昭和歌謡

この記事は、 荒井由実「やさしさにつつまれたなら」の歌詞の意味を考察します。

1974年に発売されたこの曲は、少女の感性を彷彿とさせる詩に、美しいメロディーと歌唱で人気となりました。

それでは、荒井由実「やさしさにつつまれたなら」の歌詞の意味を読み解きます。

 

荒井由実「やさしさにつつまれたなら」はどんな曲

【やさしさにつつまれたなら】

アーティスト:荒井由実

作詞・作曲:荒井由実

リリース: 1974年4月20日(EXPRESS)

この曲は1974年4月に荒井由実の3枚目のシングルとして発売されました。

数十年経った今も、荒井由実(松任谷由美)の代表曲のひとつとして幅広い世代に愛されています。

優しい気持ちにさせてくれる不変的なメロディーは、聴き手の心をしっかり掴んで、手放さないのでしょう。

 

荒井由実「やさしさにつつまれたなら」の歌詞の意味を考察

この曲が挿入歌に使われた映画「魔女の宅急便」では、主人公が子供時代に別れを告げて、大人への階段を一歩踏み出します。

それを思い浮かべてこの曲を聞いてみました。

すると、世の中の汚いことなどなにも知らないで守られていた、無邪気な子供には戻れない、ノスタルジックな感傷とはまた別の、胸が締め付けられるような切なさがこみ上げてきます。

 

昔の日本では「人は七歳までは神の子」と言われました。

子供は 3歳から見立て遊びを始めると言いますが、子供たちにとって、自然のありとあらゆるものが友達です。

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砂の城も、草花の冠も、彼らのフィルターを通せば、シャンデリアのきらめく王宮に、ダイヤモンドの輝く王冠に様変わりします。

そして、彼らは時折、大人の目には見えないものを見つけ、その声を聞くことができます。

しかし、親の腕の中から飛び出し、世界の広さを目の当たりにした瞬間、私たちは、もう妖精や風の精、木の葉のささやきに慣れ親しむことはできなくなってしまうのです。

そうすると、大人になった私たちは本当に、彼らを忘れてしまっているのでしょうか?

そんなことはありません。

朝の優しい木漏れ日は、今も変わらず、金色に輝く太陽の精からの贈り物です。

 

オレンジの花冠をかぶった小さな子供たちが、木々の葉の間からひょっこりと顔をだして「おはよう」と挨拶するのです。

それは、あの頃から何も変わっていません。

大人は、彼らの声に、耳をふさぐ癖をつけてしまっただけです。

 

早く大人になりたくて、背伸びを続けているうちに、それが当たり前になってしまったのです。

そうして、大人は自分の心の柔らかなところに鍵をかけて、自我の奥深くにしまいこんでしまいました。

 

確かにその小箱には、お腹がふくれる食べ物も、何でも欲しいものが手に入るお金も、何も入っていません。

しかし、そこには確かに、乾いてかさかさになった心を潤してくれる虹色の霧が詰まっているのです。

そう、今、目の前にしている雨上がりの庭にかかる、大きな虹のように。

この曲に出てくる、くちなしの花言葉は「しあわせを運ぶ」と言われています。

汚れなき純白の花びらを持つくちなしの花は、まさに、この曲に相応しい花と言えるでしょう。

 

かつて、詩人の高村光太郎の妻、智恵子は「東京には空が無い」と言いました。

慣れない都会の暮らしのなか、智恵子の心は少しずつ崩れていき、やがて彼女は、幼い少女へと戻っていきました。

 

もしかしたら、彼女は、足に合わない靴をはいて背伸びをして、「大人」の皮をかぶって生き続けることに疲れてしまったのかもしれません。

壊れてしまった智恵子は、本当は大人の皮を脱ぎ捨て、あるがままの智恵子の姿に戻っただけなのかもしれません。

 

晩年の彼女が作った切り絵の数々は、愛らしく素朴で、少女らしい感性に溢れています。

それは、彼女が若い頃に情熱を傾け、心身共に擦り減るまでに完璧を追及していた絵画作品とは、また趣が異なるものです。

 

大人とは、子供の心に粘土で肉付けしただけのようなものです。

寧ろ、その乾いた分厚い粘土が、本来、私たちが持っていた瑞々しい感受性を封じ込めてしまうこともあります。

 

どうか、ほんの少しでいいのです。

忙しく動かす手を止めて、ざわつく心を落ち着かせて、もういちど、風の音に耳を澄ましてみませんか?

例え、そこがビルの立ち並ぶ雑踏だったとしても、風は建物を擦り抜け、あなたに移り変わる季節を教えてくれます。

もう泥だらけになって走り回ることはできなくても、懐かしい思い出は、心の埃を洗い流してくれるはずです。

 

そして、こういう見方もできます。

私たちは、紆余曲折があっても、しっかり大人の階段を昇ったからこそ、今、こうして、子供時代の恵みを懐かしく、愛しく思い出すことができるのだと。

あなたのなかに眠る小さなあなたに、ぜひ語りかけてみてください。

「大丈夫、大人になっても、幸せはあなたを置いてきぼりにしないよ」と。

 

時代が変り、風景が様変わりして、もしかしたら「子供の頃の面影など、どこにも見いだせない、だからあの頃の無邪気さは取り戻せない」と嘆く人もいるかもしれません。

しかし、窓にしたたる雨粒、街路樹の花や緑、些細な物でも、目の前に現れるものが大切なメッセージを思い出させてくれることでしょう…。

 

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まとめ

荒井由実「やさしさにつつまれたなら」の歌詞の意味を考察しました。

歌詞を読み、曲を聴くと、素直な、優しい気持ちにさせてくれます。

また、子供の頃を思い出させてくれる、何か懐かしい気持ちにさせてくれます。

 

そういえば筆者も子供の頃に見ていた空や植物などは、今よりもキラキラと輝いていたことを思い出しました。

大人へと成長するにつれて、心の柔らかなところに鍵をかけてしまい、そうしたものの本来の姿が見えなくなってしまいました。

しかし、この曲を聴き、改めて子供の頃からの自身をふり返れば、身の周りの人々や自然、動植物などがキラキラと輝きを取り戻します。

そして、そうした存在から多くの愛情を受けていたことに気がつきます。

 

 

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