赤い鳥「翼をください」の歌詞の意味を考察!大空を自由に羽ばたく | カモシカおやじの趣味ブログ

赤い鳥「翼をください」の歌詞の意味を考察!大空を自由に羽ばたく

昭和歌謡
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この記事は、赤い鳥「翼をください」の歌詞の意味を考察します。

1971年に発売されたこのフォークの名曲。

その後に音楽教科書にも採用されたこともあり、今では広く老若男女に知られ、歌われています。

それでは、赤い鳥「翼をください」の歌詞の意味を読み解きます。

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赤い鳥「翼をください」はどんな曲

【翼をください】

アーティスト:赤い鳥

作詞: 山上路夫

作曲 :村井邦彦

リリース: 1971年2月5日(リバティ[東芝音楽工業])

「翼をください」は1971年2月にフォークグループ『赤い鳥』によってリリースされました。

この曲は、時代を超えて愛される日本のフォークの代表曲のひとつです。現在も様々なアーティストがカバーしています。

1970年代中旬頃より学校の音楽教科書にも採用され、より多くの人々に知られるようになりました。

 

赤い鳥「翼をください」の歌詞の意味を考察

この「翼をください」の歌詞の一つ一つはシンプルながら、聴き手に豊かなイメージを想起させる力があります。

この曲がリリースされた1973年は、第4次中東戦争をきっかけに引き起こされた第1次オイルショック(石油危機)があり、経済的に不安定な年でした。

鬱屈を突き破るような力強さを持つこの歌詞が、出口の見えないトンネルのなかで息をひそめる人々の、不安に揺れる心を掴んだのでしょう。

 

この曲の歌詞には、「子供の頃に思い描いた夢を、私は今でも忘れていない」といったフレーズが出てきます。

しかし、子供のころの夢と、大人になってからの切望では、まるで意味合いが違います。

 

この曲の主人公も、文字にすれば『夢』に変わりはないのでしょうが、その内容は、歳を取り、成熟するごとに変貌しているのでしょう。

今は、未知に対する好奇心や冒険心も色褪せてきています。

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それでも彼は、自分の体をがんじがらめに縛り上げる鎖から解き放たれ、自由の身になることを渇望しています。

主人公は天に祈りを捧げます。

ー もしも私の背中に羽が生えたならば・・・。

それは一点の染みもない、眩いほどの純白で、私の体をすっぽりと包みこむほどの大きな羽であってほしい。

 

羽根を支える骨は太く、筋は強靭で、ひとたび羽ばたけば風は、低くうなりをあげ、羽先は青い空を斬る。

私のくるぶしに嵌められた足かせは、この力強い羽ばたきの前では、無力だろう。

 

私の体が、ふわりと浮き上がった瞬間、赤さびの浮き出た鉄の鎖は、空と地面に引き裂かれ、ばらばらと砕け散るのだ。

ああ、何と胸のすく光景だろう!

この空には、お節介な道しるべもなければ、良心を揺さぶる、後ろ髪を引く者も存在しない。

どこまでも孤独、どこまでもが無の世界。

これこそが、まことの自由だ!

 

しかし、彼は知っています。

その羽はあくまで天の恵みであることを。

彼自身の力では、呪いを解くことが出来ないことも・・。

 

束の間の白昼夢から目覚めた彼は、力なくつぶやきます。

ー せめて夢を見るぐらい、俺の自由だ。

 

周りを見渡せば、いつもの雑踏の中。

ポンポン帽をかぶった、子供の手を引く若い母親。

皺のついたコートを羽織り、速足で歩くサラリーマンたち。

彼の横を白い原付が通り過ぎると、ふいに排気ガスの臭いが鼻を掠めました。

彼の視線の向こうには、デパートのアドバルーンが、ぷかりと浮かんでいます。

 

 

しかし、空は、今日も青く澄み渡り、彼の鬱屈した気分を吹き飛ばすかのように、早くも春の風が吹いています。

彼は、深呼吸をして一息ついて、現実の世界へと再び歩みを進めます。

 

人は大地を離れては生きていけません。

大地の上で、押し合いへし合いしながら生きているのが私たち人間です。

人間が生み出す、争い、憎しみ、怒り。

それらを一身に浴びて、土に還るのが、私たち人間のさだめです。

それは大変なことですが、素晴らしいことでもあります。

 

1970年代末期、ニューミュージックの台頭で日本のフォークの黄金時代は幕を閉じましたが、今でもこの歌は若者たちに歌い継がれています。

若者たちが思うことは、いつの時代も変わらないものなのでしょう・・。

 

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まとめ

赤い鳥「翼をください」の歌詞の意味を考察しました。

特に印象的なのは、何度も繰り返し歌われる、大空に飛んでいきたいというサビのフレーズです。

主人公が切望する、背中に生えた白く輝く翼は、童謡『イカロスの翼』の歌詞を連想させます。

 

父が作った蝋の翼を両肩に背負い、はるか彼方の太陽へと飛び立った少年、イカロス。

彼は、大地の引力から解き放たれる喜びを知り、さらに高みへと好奇心の赴くままに、天高く舞い上がりますが、最後は太陽に羽を溶かされ、墜落してしまいます。

卑小な人間が、この世の理(ことわり)を無視し、ユートピアに生きようとしたために、太陽神アポロンの怒りに触れたのかもしれません。

 

人は大地を離れては生きていけません。

大地の上で、押し合いへし合いしながら生きているのが私たち人間です。

人間が生み出す、争い、憎しみ、怒り。それらを一身に浴びて、土に還るのが、私たち人間のさだめです。

それでもこの曲を聴き、歌うと大空を自由に羽ばたいていけるような気持にさせてくれます・・。

 

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