この記事は、「MUGO・ん…色っぽい」の歌詞の意味を考察します。
「MUGO・ん…色っぽい」は、おニャン子クラブ、うしろ髪ひかれ隊を経てソロデビューした工藤静香の1988年発売のヒット曲です。
それでは、工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」の歌詞の意味を読み解きましょう。
工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」はどんな曲
【MUGO・ん…色っぽい】
アーティスト:工藤静香
作詞:中島みゆき
作曲:後藤次利
リリース: 1988年8月24日(ポニーキャニオン)
★チャート最高順位
週間1位、1988年度年間6位(オリコン)
「MUGO・ん…色っぽい」は、1988年8月に発売された工藤静香の5枚目のシングルです。
作詞は著名なシンガーソングライターの中島みゆきです。
この曲はカネボウ’88秋のプロモーション・イメージソングに起用されました。
オリコンのシングルチャートでは1988年度年間第6位、販売枚数は45.6万枚のヒットとなりました。
工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」の歌詞の意味を考察
「目と目で 通じ合う かすかに、ん、色っぽい」この印象的なサビが有名な工藤静香の「MUGO・ん…色っぽい」。
一曲丸ごと聴いたことはないけれど、このサビなら耳にしたこがあるという方も多いのではないでしょうか。
このサビの歌詞やタイトル、そして歌い手の工藤静香のイメージから、この歌は色気ある大人の女性のラブソングだと思われる方も少なくないはずです。
でも、実はそうではないのです。歌詞を順に追って、歌の真相を探ってみましょう。
この歌は、最初「言えないのよ 言えないのよ」という歌詞から始まります。
この部分を聴くとこの歌の主人公は、何かに悩んでいるようなニュアンスがなんとなく伝わってきます。
でも、一体何に悩んでいるのでしょう。
その次に続く歌詞から、主人公は、心の中に「言いたいこと」がいっぱいあることが分かります。
でも、それは不特定多数の他人に向けられたものではなく、ただ一人に向けられたものです。
それが向かう先は「あなた」。
主人公が心を寄せる相手です。
しかし、いざ、その相手を前にすると「内気に」なってしまい、上手く話せません。
これが、この主人公の悩みです。
そして、彼女はその悩みの中で、ふと、こんな夢想をするのです。
それが、サビの部分。
“あーあ、大人の愛し合う男女だったら、何も言わなくてもきっと目を見交わすだけで、互いの気持ちを確認したり出来るのだろうなあ。
素敵だなあ、「色っぽい」なあ。私もあの人と「そういう仲になりたいわ」”と。
同じ「無言」状態でも、主人公が描く理想の大人の男女と、今の自分と相手とでは全然違います。
まして、自分は相手と両想いかどうかさえ分からないのです。
そんな自分を「いくじなし」と思い、あの人と話したいのにそれが思うように出来なくて淋しくなってしまうのです。
一番の歌詞をここまで辿ると、実はこの歌の主人公は色気ある大人の女性ではなく、おそらく10代の思春期の最中の少女であることが分かります。
そんな主人公は、二番で、会話は無理だけど、文面ならこの心に満ち溢れる「言いたいこと」が伝えられるかもと思いつき、「手紙」を書きます。
ですが、結果は、それも渡せず、机か鞄に「しまい込んで」しまいます。
これでは状況が一向に進展しません。そして、そんな現実から逃れるかのように、主人公はまた例の夢想状態に入るのです。
こんな内気な主人公なので、おそらく「明日(中略)視線 投げてみようかしら」なんて言っているけど、おそらく無理か、実行出来たとしても空振りに終わることが予想出来ます。
万が一に目が合ったとしても、石のように固まってしまうかもしれません。
主人公が始終こんな感じであることから、この恋は主人公にとって初めてのものなのではないかと推測出来ます。
初めて誰かを好きになるという経験は、そのドキドキする感情自体初めてですので、大いに戸惑い、その感情を相手に伝えようと思っても上手くいかないのが大半です。
その結果、好きなのに意地悪してしまったり、その相手と接する時だけ変なテンションになってしまったりします。
そして、この主人公の場合はそれが、上手く会話出来ないという形で現れてしまうのですね。
でも、それなら恋愛経験を重ねた素敵な大人のカップルは、誰もがアイコンタクトのみで気持ちを通じ合わせることが出来るかというと、そうではありません。
例え出来たとしても、それは付き合い始めて間もないラブラブカップルか、そうでなければ、それなりの月日を重ねて信頼関係を築くことに成功した恋人たちのみです。
そして、どんなラブラブカップルもそんな状態はいつまでも続かないです。
また信頼関係を築くことが出来た恋人たちであっても、それを築くまでには、時にすれ違ったり、互いの思いを激しくぶつけ合ってケンカしたりしたりとそれなりの経緯があるはずです。
しかし、そんな大人の恋愛の現実を、10代の少女が知るはずもありません。
だからこそ、憧ればかりが膨らんでしまうのです。
以上のことから、この歌は、実は、初恋の相手と上手く話せなくて悩む10代の少女の心情を歌った初恋ソングであると同時に、思春期ソングでもあるということが分かります。
この歌の作詞を手掛けたのは、ご自身も歌手である中島みゆきですが、とてもよく10代の少女の揺れる心を表現しているなと思います。
まとめ
工藤静香「MUGO・ん…色っぽい」の歌詞の意味を考察しました。
この曲の歌詞を改めて読み返すと恋に揺れ動く少女のもどかしい気持ちをうまく表現していると思いました。
あなたはどのように感じられましたでしょうか。
この歌を聴きながら、さて、あなたご自身の初恋はどうだったのだろう、あなたが10代の時はどんなことを思って過ごしていたのだろうと思いを馳せるのもよいかもしれませんね。
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