久保田早紀「異邦人」の歌詞の意味を考察!シルクロードのテーマが副題!

昭和歌謡
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この記事は、久保田早紀「異邦人」の歌詞の意味を考察します。

1979年に発売されたこの曲は、多くのアーティストにカヴァーされている名曲です。

それでは、久保田早紀「異邦人」の歌詞の意味を読み解いていきましょう。

久保田早紀「異邦人」とは?「白い朝」が「異邦人」に!?

【異邦人~シルクロードのテーマ~】

アーティスト:久保田早紀 

作詞・作曲    久保田早紀、プロデュース    酒井政利

リリース; 1979年10月1日(CBSソニー)

★チャート最高順位  
週間1位、1980年度年間2位(オリコン) 

「異邦人」は1979年10月に発売された久保田早紀のデビュー・シングルです。

三洋電機の新型TVのCMソングにも採用されたこともあり、1979年から1980年にかけて大ヒットしました。

 

サブタイトルにシルクロードのテーマと付けられたこの曲は雄大なアジアと遥昔からの交易を支えた長い道のりを異国情緒たっぷりに感じさせます。

1980年度のオリコン・シングルチャートでは年間ランキング2位、販売枚数は140.4万枚を記録しました。

 

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久保田早紀「異邦人」の歌詞の意味を考察!

”異邦人”とは簡単に言えば外国人という意味です。

「異邦人」の歌詞はサブタイトル「シルクロードのテーマ」の通り、シルクロードを旅する女性が目に浮かびます。

イントロに民族楽器が使われ、異国情緒を感じさせます。

 

人々の喧騒、砂埃、石畳、大きな平原…そこを心に傷を負った女性が旅しています。

心の傷、それは失恋。どちらかというと情熱的な大恋愛というより、流行り風邪をひいてしまったような突発的な恋愛だったかもしれません。

旅の途中、異国の子ども達が空に向かって手を広げ、けっして手に届くはずもないものを掴もうとしています。

 

どんなに頑張っても鳥どころか、雲に手が届くはずもありません。

ましてや夢など…つかめるわけはありません。

でも、自分もつい昨日まで、無邪気なこの子ども達のように手を伸ばし必死に願えば必ず手が届くに違いないと信じていた。

 

長く続くシルクロードの都市と都市の合間、何もない大自然を見渡せば、はるかその果てでは空も大地も繋がっていると錯覚しそうです。

この同じ風景をきっと何百年もの間、多くの旅人たちが様々な想いで見ながら通り過ぎていったことでしょう。

旅人たちは歩きながら、故郷に残した人を想い、異国の人との出会いや別れを繰り返し、行き場のない想いを抱え目的地に向かった事でしょう。

 

そして、さまよいもう二度と帰ることがなかった人もいたはずです。

この女性の恋愛相手が異国の人だったのかどうか?

それは語られてはいませんが、相手がどこの国のどんな誰であれ“異邦人”とは自分とは住む世界が違う人ではないでしょうか?

 

この曲においての“異邦人”とは単純に外国人という事ではなく、自分と違った世界に生きる人のことなのでしょう。

感性も価値観も違う人、それは新鮮で目新しかったからこそ、お互いに興味を持ち惹かれあい、ちょっと立ち止まって振り向いてしまったのでしょう…。

 

それは異国だから異国の人だからというだけではなく、小さな国のありふれた日常にも置き換えられます。

彼女はシルクロードという異国の地をただあてもなく空虚な心のまま歩き続け、そこに集う人々の日常やざわめきに身を委ねていきます。

 

日本では外国を海外といいます。

その文字が表すよう島国日本で外国とは海を超えた外側にある世界です。

しかし、大きなアジア大陸では海を渡らずとも、国境を一歩跨いだら、そこは異国。

 

肌や髪の色、言葉も文化も違う世界、外国との境界線はたった一歩です。

アジアを横断するシルクロードでは多くの人種の自然や文化がゆっくりと混ざり合い1つのカラーになっています。

また次の拠点で新たなカラーと混ざり、幾重ものグラデーションとなって続いている道です。

 

時間旅行…実際にタイムトラベルしていなくても、この道を歩いたはるか彼方のいにしえの人々の想い。

それがこの道の空と大地、人や街や建築物すべてに刻み込まれていて、当時の旅人の想いが蘇り伝わってくる。

 

今こうして歩く自分の想いもこの道に刻まれ、いつの日かいにしえの人の仲間入りをするのでしょう。

未来の人にとっては自分も過去の旅人。いつか誰かが同じようにこの道を歩きながら、この想いも感じ取ってくれるのかもしれません…。

 

彼女は別れの辛さもさることながら、この世にはどんなに願っても手が届かないものがある。

その喪失感はどんなに泣いて駄々をこねても誰にも癒すことはできなく自分自身で浄化するしかない、と彼女は気づいてしまったのです。

 

すぐにでも捨ててしまいたい。

けれど捨てるに捨てられない、どうにも扱いに困るこの想い。

それは、この異国と時間の狭間の長い道を歩きながら、想いが浄化する事を待つしか術はないのです。

 

大人になるという事は自分にしか処理できない“持て余す想い”が多くなっていくのかもしれませんね。

シルクロードはその道を歩く者を時間旅行に誘い、心を浄化させることのできる不思議な道です。

 

久保田早紀「異邦人」に関するエピソード

テレビが完全にカラー放送となったのが1977年10月。

その時代は国民のほとんどがテレビを所有し、もっと高性能でリアリティある映像を観たい!と望んでいました。

そんな時代に最新型テレビのイメージに合わせたCMソングに選ばれたのがこの「異邦人~シルクロードのテーマ~」です。

 

この頃から、テレビは単なる娯楽だけでなく、世界を視る目となっていきました。

久保田が生み出した異邦人の当初のタイトルは「白い朝」、歌詞の中にもその名残が伺われます。

久保田が毎朝通学のために東京都国立市から利用した中央線の車窓から見た国立の美しい並木通りがモデルだったとか…。

 

それがテレビCM起用が決まり、プロデューサー・酒井政利の手によりイメージに合わせ歌詞を修正、曲調もフォークから若者が注目したニューミュージック風にアレンジ。

タイトルも「異邦人~シルクロードのテーマ~」となりました。

 

国立の穏やかな並木道のはずが、突然シルクロードという歴史ある道が舞台となってしまい久保田には予想外!正直なところガッカリだったとか。

しかし、しばらくすると曲はどんどん売上を伸ばし97年末~80年初頭をまたいで大ヒット曲に成長、本人は相当戸惑ったと後に語っています。

 

これはプロデューサーの酒井の手腕によるものです。

酒井は阿久悠、横尾忠則、池田満寿夫、浅井慎平などと世界を旅し、各地をイメージした曲をプロデュース。

 

サモア(イースター島)は矢沢永吉の「時間よ止まれ」。

エーゲ海はジュディ・オングの「魅せられて」。

日本では山口百恵の「いい日旅立ち」。

そしてアジアのシルクロードはこの「異邦人」。

いわば酒井の世界紀行シリーズです。

 

「異邦人」の発売から約半年後、売り上げも安定した頃NHKのドキュメンタリー番組「シルクロード」のオンエアがスタート。

「異邦人」は番組のテーマ曲ではありませんでしたが、多くの人の頭の中には「異邦人」が流れていたでしょう。

時代と話題が重なるため振り返ればテーマソングと記憶違いしている人も…。

流行に上手く乗ったヒット曲とも言えます。

 

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まとめ

久保田早紀の「異邦人~シルクロードのテーマ~」を歌詞の意味を考察してみました。

この曲を聴いて「アジアを旅してみたい!」と感じませんか?

 

とはいえ、すぐに行けないのなら「異邦人」を聴きながら大自然をドライブするのもよいです。

また、ドキュメンタリー「シルクロード」をYouTubeやDVDで鑑賞してみるのもオススメです。

国内でも自然の中でこの曲を聴けば旅人気分も味わえるでしょう。

 

どんな道にも歴史はあります。

目に映る景色の中で何かを感じることが出来るでしょう。

ちなみに久保田早紀は結婚を機に“久米小百合”と名を改めました。

今も教会音楽家として、教会音楽とアートを融合したコンサート、講演会などでも元気に活動しています。

 

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