ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の意味を考察!『夜明けのコーヒー』が粋 | カモシカおやじの趣味ブログ

ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の意味を考察!『夜明けのコーヒー』が粋

昭和歌謡
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この記事は、 ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の意味を考察します。

1968年に発売されたこの曲は、ピンキーのパンチの効いた歌唱とキラーズのコーラスで人気となり、大ヒットしました。

それでは、ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の意味を読み解きます。

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ピンキーとキラーズ「恋の季節」はどんな曲

【恋の季節】

アーティスト:ピンキーとキラーズ

作詞:岩谷時子

作曲:いずみたく

リリース: 1968年7月20日(キングレコード)

★チャート最高順位
週間1位、1968年度年間3位(オリコン)

「恋の季節」は1968年7月に発売されたピンキーとキラーズのデビューシングルです。

山高帽にステッキという装いで、男性コーラスを従えたリードヴォーカルのピンキーは、斬新なスタイルで人気となり、数々の新人賞を受賞。

1968年度のオリコン・シングルチャートでは年間ランキング3位、売上枚数は121.6万枚を記録しました。

 

ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の意味を考察

季節は夏、浜辺の大きな岩陰で、仲良く肩を寄せ合う一組の男女。

主人公の少女は、日焼けした健康的な肌、白い着物から伸びた、すらりとした脚をしています。

歳の頃は17、18歳でしょうか。

少女は、海女でした。

 

浜辺で貝を寄り分けている、同業者である母親達の目を盗んで、愛しい人に逢いに来たのです。

「もう浜にもどらなきゃ。母さんに気づかれたら大変だわ」

 

そう言いながらも、少女の視線はまっすぐ、頭一つ分高い青年に注がれていました。

彼は、明らかに都会育ちと分かる、垢抜けた青年です。

 

「この島は良いね。山にはよく登ったけど、海は海の良さがあるな。あーあ、東京はせせこましくて嫌になるよ」

青年は、ジーンズを膝までまくりあげると、青い海に浸して呟きました。

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彼は、東京から、ひと夏のバカンスを満喫しに来た大学生です。

「こっちにいる間は、親戚のじいちゃんの家に泊まるんだ。よろしく」

 

初めて会った時、青年の爽やかな笑顔に、少女は一目で心を奪われました。

青年も、都会にはいない、少女の素朴な美しさに、胸を打たれました。

 

二人の心が燃え上がるまで、それほど時間はかかりませんでした。

月の美しい夜、母が寝静まった夜は、浜に出て、何度も逢引きを繰り返しました。

 

身も心も満たされたあとは、潮風に震える彼女のために、彼はリュックからバーナーを取り出すと、熱いコーヒーを作ってくれました。

空が白む中、二人で身を寄せ合って飲む、野趣溢れる『夜明けのコーヒー』は、格別なものでした。

そうして夏は、瞬く間に過ぎていきました。

 

「私、あなたとずっと一緒にいたいの…」

 

打ち寄せる波に足を浸し、貝の小舟を浮かべながら、そうつぶいて振り返った刹那、

彼の頬にさした暗い影が彼女の心を、稲光のように貫きました。

それだけでじわりと、少女の目に涙が滲みます。

これから訪れる悲劇を予感したかのように。

 

「無茶を言うな。俺、来週には東京に戻るんだぞ。」

「大学を卒業したら、ここに戻ってくるんでしょう?結婚してくれるんでしょう?」

 

青年の目が一瞬、大きく見開き、頬をひきつらせると、くるりと背中を向けました。

はだけた青いシャツの裾が虚しくぱたぱたと、風にそよぎます。

その背中は明らかに、彼女を拒絶していました。

 

頼りなげな貝の小舟は、たちまち波にのまれて見えなくなりました。

少女の握りしめた手の中で、桜貝が小さな音を立てて割れました。

 

「あたしのこと、一人にしない、って言ったじゃない。あれ、嘘だったの?」

「嘘じゃないよ」

口ごもりながら青年は言いました。

 

「嘘よ」

少女は、もう気づいていました。

男性の嘘は生ぬるいのです。

彼女が足を浸している、この真夏の海のように。

 

「夏って恋の季節っていうけど、本当だな。…秋が来れば、全部、思い出になっちまうんだ」

「はっきり言ってよ、『まさか本気になるなんて思わなかった』って!」

言葉の激しさとは裏腹に、彼の背中を打つ拳には、力が入りませんでした。

 

「ごめん」

彼にしがみついて、泣き叫びながらも、彼女はもう、分かっていました。

何を言っても、「ごめん」しか返ってこない事を。

 

二人とも、生涯の愛を誓うには、まだ若すぎたのです。

青年が立ち去ってから、どのくらいの時間が過ぎたでしょうか。

空の色は燃えるような橙色です。

 

少女はそっと瞼を閉じました。

(これは恋する女の色だわ。そうよ、あたしが燃やした情熱の色よ)

少女の大きな鳶色の瞳から、はらはらと涙が零れ落ちます。

(熱い、痛い。心が火傷してしまいそう。忘れられるわけがない。この炎は、一生消えないわ)

 

しかし、人間とは、案外、薄情なものです。

これから先、彼女は何度、心の炎を燃やし、火傷の痕を作るのでしょうか。

しかし、これだけは、はっきり言えます。

火傷の一つもできない恋は、人を大人にはしてくれないのです…。

 

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まとめ

ピンキーとキラーズ「恋の季節」の歌詞の意味を考察しました。

主人公の少女と青年のひと夏の恋のドラマ。

青年にとっては軽い気持ちだったのかもしれません…。

少女を置いてきぼりにして、男性の心はすでに未知の世界へと旅立とうとしています。

 

しかし少女も、もう薄々、感づいているのです。

これからの人生、幾度も身を切るような別れが訪れることも。

そうした出来事を乗り越えて、彼女も幸せを掴んで欲しいものです。

 

 

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